ヴォルカニック・ワイン・アワード | The Jancis Robinson Story (ポッドキャスト)

ワインの保存方法

Image

一度しっかりコルクで栓をしたワインは、空気中の酸素という最大の敵から守る必要がある。しかし、コルクが乾燥して縮むと密封性を失い、酸素が入り込んでワインの品質を損ねる可能性がある。このため、ワインは伝統的に横向きに保管されてきた。横向きにすることで、ワインがコルクを湿らせ、瓶の首部分をしっかり満たすことができる。スクリューキャップ付きボトルは、どの角度でも保管可能である。

最近では、ボトルをわずかに傾けて保管する方が良いとされる。この方法では、ワインと空気の両方がコルクに触れ、コルクは湿ったままになりつつ、温度変化による空気の膨張や収縮はワインではなく空気が通ることになる。横向きに保管した場合、空気層がコルクから離れているため、温度上昇でワインがコルクと瓶首の間から押し出されることがある(甘口ワインの首部分に糖分が沈殿しているのはその証拠)。温度が下がると空気層が収縮して真空状態になり、酸素がボトル内に吸い込まれることがある。この酸素量が多いと、急激な温度変化によってワインに悪影響を与える可能性がある。

現状では、多くの市販ワインラックはこの理論に対応していない。温度差が10℃以上になる場所で保管する場合は、ラックの前方にくさびを置き、全体を傾けるのが望ましい。

保管において最も注意すべきは温度変動であり、低温で保存するほど熟成はゆっくり進み、より複雑な味わいが育まれる可能性がある。逆に高温で保管すると化学反応が加速し、熟成も早まる。

保存温度も重要で、軽いワインが凍ってコルクが押し出されないよう、-4℃以下には下げないよう注意が必要である。一方、約30℃を超えると揮発性成分が失われ、色や透明度に影響が出る。一般的には10〜15℃が理想とされるが、15〜20℃でも急激な温度変化がなければ大きな問題はない。保存場所の温度管理には最大・最小温度計が有効である。

ワインは光にも弱く、特にスパークリングワインは強い光で味わいに影響する。これが、ワイン瓶が黒に近い色で販売される理由であり、シャンパンが遮光セロファンやティッシュで包まれる理由でもある。

湿度も重要で、乾燥した場所に長年保管するとコルクが乾き、密封性を失う可能性がある。湿度のある場所はワインの状態には良いが、ラベルを傷めたり再販売が難しくなる場合もある。

沈殿物のあるワインは振動を避けた方が良いとされるが、これは経験則による。また、強い臭気のない場所で保管することも重要である。実際には、安全性と取り出しやすさのバランスを考え、どちらを重視するかは予算やライフスタイル次第である。

理想的なセラーは、暗く広々として湿度がほどよく、出入口は1つだけで鍵を自分だけが持つ状態である。ワインラックがあり、元の箱のままボトルを積み重ねられるスペース、試飲コーナー、大きなデスクで管理記録を更新できる環境が望ましい。

現代住宅では、この条件を満たす場所は少ない。庭の小屋や付属建物は、イギリスの気候では-4℃以下になる恐れがあるため不適切である。屋内では温度が高すぎることが多く、暖房ボイラーの近くは保管に適さない。断熱ができれば、地下室や屋根裏、部屋の一角をワインセラーとして活用できる。湿度を保つために、水の入った容器を近くに置くのも有効である。

ボトルは木製や丈夫な段ボールケースに入れ、コルクを湿らせて保管する。ワインラックは耐久性があり、任意の形に作ることも可能である。二重構造のラックも便利である。

不適切な保管場所は、コンロや冷蔵庫の上など、熱風が頻繁に当たる場所である。

本格的にワインを楽しむ場合は、温度・湿度を管理できる『人工セラー』の購入も選択肢である。赤・白ワインを適温で保管できる冷蔵庫型キャビネットで、イギリスではEurocaveが主流である。

また、地下に穴を掘って設置する『螺旋型セラー』もあるが、施工はやや手間である。検索ボックスで“spiral cellar”と入力すると詳細情報が得られる。

大量の若いワインを所有している場合は、プロによる保管も有効である。購入した商人や専門のワイン倉庫に預けることで、理想的な環境で保管でき、飲み頃のアドバイスも受けられる。

ワイン収集に熱中する者もいる。生涯かけて熟成させるために、高額ワインを購入したり、エンプリュール(フューチャーズ)として予約購入したり、オークションで古いワインを補完したりする。投資目的だけで購入するのは推奨されない。価格は上下する。しかし、コレクション自体の楽しみは大きく、美術品収集よりも費用は抑えられる。オンライン管理システムを活用し、ワインを飲み頃過ぎに放置しないよう管理することが重要である。ワインはあくまで楽しむためにある。

JancisRobinson.comニュースレター
最新のワインニュースやトレンドを毎週メールでお届けします。
JancisRobinson.comでは、ニュースレターを無料配信しています。ワインに関する最新情報をいち早くお届けします。
なお、ご登録いただいた個人情報は、ニュースレターの配信以外の目的で利用したり、第三者に提供したりすることはありません。プライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます.