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2014 ブルゴーニュ、にじみ出す魅力

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ピエール・イヴ・コラン・モレ(Pierre-Yves Colin-Morey)は今頃一年で唯一の休暇から彼の職場である無双の白のブルゴーニュの入った樽と丁寧に手入れされた畑の中に戻っている頃だろう。彼は毎年夏に1週間、家族と共に自分の拠点であるシャサーニュ・モンラッシェを離れるようにしている。「でも実際には本当の休暇とは呼べないんです。僕はずっと天気予報をチェックしているし、収穫作業をしている人たちからは常にメールが飛んできますから。2月に息子たちを連れて1週間スキーに行くつもりなのですが、結局瓶詰とか剪定のことを考え始めてしまいますしね。脳みそを休めるためにはクリスマスがいいのかなと。」

彼のしていることは正しいに違いない。この何年もの間、彼のワインをテイスティングするたびにその場所は彼のキッチンから村の共用施設、そして今では幹線から少し入った、ミッシェル・ニーヨン(Michel Niellon)の隣にあり、ワインメーカーである彼の妻、キャロライン・モレ(Caroline Morey)と共有している素晴らしく優雅で近代的な建物(写真)へと変遷を遂げてきたのだから。彼はその建物が現時点では大きすぎると認めてはいるが、彼のようなネゴシアンは自分が所有している畑だけに固執する必要はないのである。

ブルゴーニュではこうした野心的な生産者が自身のネゴシアンやワイン商を立ち上げる事例が増えている。これは両親がたまたま所有していた土地に縛られることなく、購入したブドウを使ってビジネスを行うということだ。ボーヌの駅周辺の辺鄙な場所にはこれらの小規模なワイン・ハウスが集まっている。人もうらやむ資産をムルソーに所有するジャン・マルク・ルーロ(Jean-Marc Roulot)ですら、その名を冠したネゴシアンを立ち上げているほどだ。

この状況はブルゴーニュを襲った新たな困難の結果である。その困難とは2014年の生育期に多くのブドウを酢に変えてしまった厄介なミバエではなく、世界的な需要の高まりによって生まれたワインのインフレである。そのために畑の地価は大きく影響を受け、グラン・クリュはおろかプルミエ・クリュですら購入を夢見ることができるのは外部のとてつもない富豪、例えばモレ・サン・ドニにあるクロ・ド・ランブレイを丸ごと購入したベルナール・アルノー(Bernard Arnault)や、ヴォーヌ・ロマネで現在のドメーヌ・デュージェニー(Domaine d'Eugénie)を買い上げ、まだ物色を続けているフランソワ・ピノー(François Pinault)しかいない。あるいはアジアの実業家は800万ポンドを注ぎこんでシャトー・ド・ジュヴレイ(シャンベルタン)と、たった20個の樽を満たせるほどの畑を購入したが、残りは単なる村名の畑でしのがなくてはならない。

資産のたくわえがあまりない若手のワインメーカーたちはこれまでにない需要の増大に対応するための事業拡大にはブドウを購入するしかないとわかっている。これらのこと全てがワイン・リストのブルゴーニュの価格にインフレ効果をもたらした。ここに追い打ちをかけたのが絶対的な供給不足で世界的な需要が劇的に増加したボルドーに対する不信感である。ピノー(Pinault)の主任ワイン担当であるフレデリック・アンジェレール(Frédéric Engerer,)ですら、レストランで村名レベル以上のブルゴーニュには手が出せないと告白した。

毎年秋になると私はブルゴーニュに行き、1月の2週目にロンドンで開催される嵐のようなテイスティングで提供される予定のヴィンテージをテイスティングするが、人気が高すぎて、慌ただしいロンドンのテイスティングにカスク・サンプルを送ることのできないだろう生産者の物を集中的にテイスティングするようにしている。来週は最初のたった3日で約20社のイギリスのワイン商が2014のブルゴーニュの様々なワインを見せつけるべく手ぐすねを引いている。歯と時間の管理が重要になるうえ、神経衰弱の技術も必要となる。多くのワインが複数のインポーターから提供されているからだ。だがこの機会はこのヴィンテージの全体像を切り取る良い機会だ。フランスのトップ・ワイン・ライター達ですら海峡を渡って参加すると言われているぐらいなのだから。

来週私はこの驚くほどチャーミングで、赤はいい具合に早熟なヴィンテージの中から(もちろん相対的に)お買い得なものを探そうと考えているが、もし予算に余裕があるのであれば最高級のワインを試すチャンスでもある。そのため、私がテイスティングした数多のワインの中から素晴らしい出来のワインをいくつか挙げることでその手助けとなるのではと考えている。

もちろん私が挙げるまでもなくジュヴレイ・シャンベルタンのアルマン・ルソーとシャンボール・ミュジニーのルーミエが傑出しているのは周知の事実だろう。ヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティやドメーヌ・ルロワのようなとてつもなく高価なワインと共に、これらのドメーヌはコート・ドールの北半分でその多くを赤ワインに捧げるコート・ド・ニュイの信頼できる代表作と言える。

もう1つコート・ド・ニュイで素晴らしく突出しているドメーヌはこれもまたヴォーヌ・ロマネのコント・リジェ・ベレール(Comte Liger-Belair)だ。ブシャール・ペール・エ・フィスから一族の畑を取り戻して以来、ルイ・ミシェル・リジェ・ベレール(Louis-Michel Liger-Belair)は自身のワインが偉大なものになることを目指し続けているが、事実訪問する度に彼への敬意は増すばかりだ。

多くの生産者が更なる繊細さを求めているように、ここではワクワクするような豊潤さと緻密さが交錯する。その眩いばかりの健全なワインで長年の名声を確立しているベルナール・デュガ・ピィ(Bernard Dugat-Py )ですら、最近は更なる繊細さを求めてワインを作っているように思える。またネゴシアンのオリヴィエ・バーンスタイン(Olivier Bernstein)は私が薄汚いガレージの地下から素晴らしい三階建てを歴史的なボーヌの一角に建てるまで追い続けた人物だが、事業を始めた頃から方針を転換し、ほんの少し華やかさを必要としているのだと屈託なく認めた。

方針を転換したかどうか伺い知ることのできるほど長く追い続けてはいないが、そのワインのピュアさ(印象が弱いと言う意味ではない)で非常に印象的だった作り手はモレ・サン・ドニのペロ・ミノで、トプノ・メルム(Taupenot-Merme)と通りを挟んで向い合せにある。トプノ・メルムは人もうらやむほどの大きな土地を所有し、ロマン・トプノ(Romain Taupenot)が毎年さらなる良いワイン作りを目指している。村の反対側ではデュジャックが長年私のお気に入りだったが、2014は更にダイナミックでエッジの効いたものになっているようだ。一方道路を挟んだスマートな新しい建物ではセシル・トランブレイ(Cécile Tremblay)が強さの中にも強さを求め、まるでバーンスタインのように大胆だが、フェミニンとしか表現しようのない感触も持ち合わせている。村を見下ろすポンソのセラーに詰まっている魅惑の品々や、クロ・ド・ランブレイなどはそろそろ莫大な投資の見返りが得られる頃だろう(ニュージーランドのクラウディ・ベイから新たなワインメーカーを獲得している)し、モレはブルゴーニュの高品質ワインのホット・スポットになりつつある。

いずれにしても白ワインの作り手が2014では真のスターだと言える。中でもムルソーのアルノー・アント(Arnaud Ente)の放つ輝きは私の訪問中最も目を引いた。ジャン・マルク・ルーロ(Jean-Marc Roulot)もいつもの通り素晴らしく、彼の友人で通りのすぐ先のドミニク・ラフォンもだれもが羨む数を揃えた樽の名手として名高い。

突出した2014白

以下に記すのは11月にブルゴーニュでテイスティングした中で最高の2014白である。多くのものがプルミエ・クリュ未満であることに注目してほしい。中には他にも素晴らしいワインを作っている生産者もいるのだが、それらは以下に記したものよりはるかに高額になってしまう。以下は生産者をアルファベット順に並べている。

Dom de Bellene, Les Charmes Dessus 2014 Santenay
David Butterfield, Les Folatières Premier Cru 2014 Puligny-Montrachet
Dom François Carillon, Les Perrières Premier Cru 2014 Puligny-Montrachet
Pierre-Yves Colin-Morey 2014 - any premier cru St-Aubin or Chassagne-Montrachet
Dom Arnaud Ente, La Sève du Clos 2014 Meursault
Dom Comtes Lafon, Porusots Premier Cru 2014 Meursault
Dom Leflaive Grand Cru 2014 Chevalier-Montrachet
Maison Roche de Bellene, Les Folatières Premier Cru 2014 Puligny-Montrachet
Dom Roulot, Tillets and Tessons 2014 Meursault

今日から2週間にわたって発表されるテイスティング・ノートも参照のこと。取扱業者はwine-searcher.com に掲載される予定だ。

(原文)

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