The Jancis Robinson Story (ポッドキャスト) | Mission Blind Tasting | Wine writing competition

日本、ハイブリッドの居場所のある国

• 3 分で読めます
Image

オーストラリア人のデニス・ギャスティンは長きにわたりアジアのワイン生産に興味を持ってきた人物だが、その彼が先月開催された日本ワインコンクール(JWC)に関する以下のレポートを送ってくれた。日本ワイン業界の現状の評価とも言えるだろう。

2003年の初開催以来一度を除いて毎回参加している日本ワインコンクールの審査員を今年もまた務めさせていただいたことを嬉しく感じています。(デニスは後列左から2人目、ハイブリッド部門の審査員と共に)

私にとって日本のワイン業界で起こっていることをアップデートするのに大変良い機会です。実際日本は他の伝統的なワイン生産国と大きく異なり、非常に寒い北部から亜熱帯の南部まで、幅広い気候と土壌をもつ国です。当然、それは従来型の欧米スタイルとは異なるワインを生産します。そしてその違いは日本で開発され、広く栽培およびワイン生産に用いられている独自の品種と相まって別のレベルへと進化しています。

今回ハイブリッドとブレンドの部門を審査することができ、私はとてもうれしく思いました。私にとってそれは本当に冒険だからです。以下にカテゴリーごとの私の印象を記します。

ハイブリッドとその他の赤ワイン

私は20年以上にわたりこのカテゴリーの進化に注目してきましたが、JWCで審査を行うことで総合的にそれを理解する機会を与えてもらっています。
今回に至るまでにワインのスタイル、中でもマスカット・ベイリーAの進歩は目覚ましいものが見られました。今や最も栽培面積の広いハイブリッドであり、日本の赤ワインとして甲州(写真は山梨県で育てられているもの)が日本の白ワインに与えたのと同様な仕事をしてくれる大きな可能性を秘めたブドウだと私は信じています。そのスタイルは非常に幅が広く、淡く色づいた軽やかなロゼやほんのり甘いものから、非常に濃い色で極辛口、抽出がしっかりとされて長い時間かけて樽発酵及び熟成を行ったものまであります。

ブラック・クイーンと甲斐ノワールは特に面白いブレンドの選択肢となり、とくにマスカット・ベイリーAと組み合わせると味わいに深みと表現力を与えてくれます。今年はさらに山ブドウ(野生のブドウ)を使ったハイブリッドのエントリーが単一品種およびブレンドともに増えました。およそ20本のエントリーには山ブドウの要素が入っていました。ヤマ・ソーヴィニヨン(カベルネ・ソーヴィニヨンとの交配主)は中でも今後世界の注目を集めると思われる、日本ワインにユニークな特徴をもたらしてくれる心躍る品種でしょう。

赤のブレンド

今年は赤ワイン、ハイブリッド部門および他の赤ワイン部門で、ブレンドに用いられる伝統的な品種、特にカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロの与える良い影響に気づかされました。カベルネは軽やかなスタイルのマスカット・ベイリーAに骨格を与え、よりしっかりした余韻をもたらします。メルロは柔らかく優しい果実味をブレンドに与えますが、特に甲斐ノワールやブラック・クイーンのような単一品種としてはやや厳しい品種と相性が良いようです。

ラブルスカ系赤

私は今年特にキャンベル・アーリーのエントリーに大変感銘を受けました。この品種は消費者が本当に楽しむことのできる魅惑的なアロマをもつ、軽やかでとてもよいワインを生み出すと私は考えます。

これが初期評価から最終ラウンドの評価まで進んだこのカテゴリー唯一のラブルスカ品種でした。この品種のエントリー数が増えているのは良いことだと思いますし、その基準も上がってきています。個人的にはセミ・スイートタイプよりも辛口の方が魅力的だとは思いますが。

極甘口ワイン

このカテゴリーでは今年度に限らず私が審査している年はいつも、糖の添加に頼りすぎているように思います。糖分を添加しすぎると果実の印象は香りだけになってしまいます。その果実味も口の中で過剰な糖によるシロップのような甘みに打ち消されてしまうのです。

ケルナーは非常によいアロマを持ち合わせていますが味わいにまでは感じられません。私の舌に本当にアピールしてきたのはスチューベンで、最終ラウンドで金賞に輝きました。

このカテゴリーでは貴腐にしても、樹上でやや乾燥させてものにしても、非常に凝縮感の高い果実味をもつワインとの出会いを期待するでしょうが、今回のエントリーはそうではありませんでした。スチューベンは樹上乾燥したブドウの特徴を少しは持ち合わせてはいましたが。

(原文)

購読プラン
スタンダード会員
$135
/年間
年間購読
ワイン愛好家向け
  • 296,262件のワインレビュー および 16,121本の記事 読み放題
  • The Oxford Companion to Wine および 世界のワイン図鑑 (The World Atlas of Wine)
  • askJancisへのアクセス(AIワインアシスタント)
プレミアム会員
$249
/年間
 
本格的な愛好家向け

「メンバー」プランの内容に加えて

  • 最新ワインレビューへの早期アクセス(48時間前)
  • 最新記事への早期アクセス(48時間前)
プロフェッショナル
$299
/年間
ワイン業界関係者(個人)向け 
  • 296,262件のワインレビュー および 16,121本の記事 読み放題
  • The Oxford Companion to Wine および 世界のワイン図鑑 (The World Atlas of Wine)
  • askJancisへのアクセス(AIワインアシスタント)
  • 最新のワイン・レビュー と記事に先行アクセス(一般公開の48時間前より)
  • 最大25件のワインレビューおよびスコアを商業利用可能(マーケティング用)
ビジネスプラン
$399
/年間
法人購読

「プロフェッショナル」プランの内容に加えて

  • 最大250件のワインレビューおよびスコアを商業利用可能(マーケティング用)
  • レビュー依頼用のワインを提出可能
  • 従業員向けにメンバーシップを提供し、一元的に管理可能
  • APIアクセス(※別途料金)
Visa logo Mastercard logo American Express logo Logo for more payment options
で購入
ニュースレター登録

編集部から、最新のワインニュースやトレンドを毎週メールでお届けします。

プライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます。

More 無料で読める記事

Emptied plates and glasses after a meal by Jason Lowe
無料で読める記事 この記事はAIによる翻訳を日本語話者によって検証・編集したものです。(監修:チャーリー・ギーガン、写真:ジェイソン・ロウ)...
Opus One winery
無料で読める記事 20世紀のワイン界のアイコンたちが関わった初の大西洋横断ジョイント・ベンチャー、オーパス・ワン。この記事の別バージョンは『フィナンシャル...
Old Vine Registry new seal 100+ years two versions
無料で読める記事 速報!オールド・ヴァイン・レジストリが記録を更新し、障壁を打ち破り、新たな地平を切り開いている。そして今、オールド・ヴァイン...
Ronan Sayburn MS, Sarah Abbott MW and Hannah Tovey at Icons tastings 2026
無料で読める記事 この記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。 世界最高のシャルドネとは?も参照のこと。写真上、左から右へ:ロナン...

More from JancisRobinson.com

rosé picnic by Tamlyn Currin
テイスティング記事 暑さの中でもリフレッシュできる25の方法。 先週、ヨーロッパは6月としては記録的な熱波に見舞われた。今週は...
Constantino Ramos
今週のワイン 元化学者の正確さとブドウの樹の囁きを聞く者の魂で造られたヴィーニョ・ヴェルデの白ワイン。23ドル~、22ポンド~。写真上はラモスと...
Opus 1979-2000 tasting 19 May 2026
テイスティング記事 ヴァーティカル・テイスティングで、ジャンシスがカリフォルニアを象徴する赤ワインの画期的な始まりを振り返る。ロンドンの67パル...
Tony Bish in Tronçais forest
Don't quote me ブドウの樹に日陰を提供し、ワイン樽の材料となる森のテロワールは、ブドウ畑やワインと相互につながっている。写真上は...
Ch de Pennautier, Cabardès
Don't quote me キャンセルと治療に明け暮れた1カ月となった。 年配の読者の中には、コーニー&バロウの魅力的な人物として故ロビン・カーニック (Robin...
Rudd Mt. Veeder Estate
テイスティング記事 この人気の白ワイン品種の豊かな表現。写真上はラッドのマウント・ヴィーダー・エステート (© Rudd)。 過去3年間...
Symington 2024 vintage ports
テイスティング記事 ヴィンテージ・ポートにとって素晴らしい年となった。7年ぶりの一般宣言となったことから、すべてのポート・ハウスが1つ以上のヴィンテージ...
Brit Nat tasting 2026 by Em Drake
テイスティング記事 ブリットポップは脇へどいて。王冠キャップをポンと開ける論争とエッジの効いた態度を持つブリット・ナットの登場だ。 ヘンリーが書く...
JancisRobinson.comニュースレター
最新のワインニュースやトレンドを毎週メールでお届けします。
JancisRobinson.comでは、ニュースレターを無料配信しています。ワインに関する最新情報をいち早くお届けします。
なお、ご登録いただいた個人情報は、ニュースレターの配信以外の目的で利用したり、第三者に提供したりすることはありません。プライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます.