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今こそドイツワインを買うべき時

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2018ヴィンテージは完璧な口実を用意してくれる。この記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。400本以上に及ぶドイツ2018のテイスティング・ノートも参照のこと。

フランス人と結婚している友人が、彼女の誕生パーティのためのワインを選んでほしいと言ってきた。私のおすすめの一つだったアルザスの上質な白ワインは細長いフルート型のボトルが流行ではないという理由で却下された。

そうなると気の毒なのはドイツワインだ。その白ワインはほとんどがフルート型のボトルで販売され、一般の消費者に受け入れられるような古典的なフランスワインとの関連性もない。このことは本当に残念なことだ。というのもドイツワインはこの上なくできが良く、おそらくはほとんどのワインよりも価格に対する価値が高いと考えられるためだ。ドイツはイギリスとカナダと並んで気候変動の恩恵を受けている産地だ。かつてブドウが成熟するのに苦労し、その強い酸を補うために甘みを添加せざるを得なかった場所で今はブドウが完全に熟し、わくわくするような辛口のワインを赤白ロゼすべての色で作り出すことができるようになった。

その中には赤のブルゴーニュ品種であるピノ・ノワールがドイツに植えられたものも含まれ、今やドイツで3番目に多く栽培されている品種となっているが、これはかつてドイツの名声を貶めたリープフラウミルヒの海を作りだすのに使われた量産型のミュラー・トゥルガウを凌駕する勢いだ。そして2018は白ワインがちょうどリリースされ始めたところだが、多くの生産者が、記憶する限り質も量もこれ以上にないヴィンテージだと言っている。量が多いという点で凝縮感に欠けるのではないかと懸念する向きもあるが、私はこのヴィンテージは問題ないと考えている。

私は4月の終わりにマインツで160本のリースリングをテイスティングした。それらは主にモーゼルとナーエだったが、それらを非常に楽しむことができた。シャンパーニュの生産者たちも気づき始めているように、気候変動は諸刃の剣だと言える。暖かさと日照はブドウの糖度を挙げる一方、スパークリング・ワインの命である酸を下げてしまう。ドイツでも昨年の北ヨーロッパの暑い夏に関しては懸念が示されていた。あまりに暑かったためイギリスでは初めて本格的なスティル・ワインが作られたほどだ。(私はそれより前のヴィンテージのガズボーンのピノ・ノワールやグィネヴィア(Guinevere)のシャルドネをすでに楽しんでいたので、2018のイギリスのスティル・ワインをテイスティングするのがとても楽しみだ。

一方ザールで最も上質な、ドイツではまだ生まれたばかりのカテゴリーで、羽のように軽くこれ以上ないほど長命なリースリングを作り出すワイナリー所有者の一人ハノ・ジリケン(Hanno Zilliken)は2018のドイツワインが熟しすぎて大味になるのではという懸念を、モーゼル川の支流であるザールでは酸が不足したことは一度もない点を指摘して一蹴した。これらのワインはアルコールが低くても味わいと特徴が強いワインを探している人にとっては間違いなく完璧な選択肢となるだろう。

ただし、このドイツで最も広く栽培されている品種であるリースリングにはある問題がある。人によってはその香りと特徴を強すぎると感じる点だ。私はそれが好きだ。その高い酸による透明感、風のようなフレッシュさ、多くの食事と合わせられる能力、クリスタルのような精緻な味わい、熟成を重ねるごとに威厳ある複雑さを見せる進化が好きだし、かつてそればかりを飲んでいた甘くフルーティなスタイルのものに加え、今や多くの偉大な辛口のリースリングが存在することに心が躍る。ただ、ワイン愛好家全てがリースリングの素晴らしさに注目することは無理だというのはわかっている。比較的自己主張の強くないシャルドネやピノ・グリージョの方が正確に言えば人気が高いだろうし、ソーヴィニヨン・ブランの名声は20世紀後半のドイツから大量に輸出された砂糖水のようなワインの思い出に汚されることはなかった。

ドイツ国外でのドイツワインの人気を確立するには恐らくニアシュタイナー・グーテス・ドームタール(Niersteiner Gutes Domtal)などのように悲惨なワインに触れたことのある人がすべて絶滅するまで待たなくてはならないだろう。細長く背の高いフルート型のボトルに入っているドイツワインの革命は間違いなく起こっているというのに、とても残念なことだ。ドイツのワイン愛好家たちはリースリングやピノ・ノワールだけでなく、ピノ一族3品種全て、すなわちシャルドネ、ピノ・グリ(ドイツではグラウブルグンダーと呼ばれる)、ピノ・ブランなどのような辛口の白、特徴的な土っぽさが身上の、フランクフルトの東にあるフランケンの特産でもあるシルヴァーナ―など、近代的なあらゆる種類の心躍る多くのワインという選択肢を得ているというのに。

今回マインツでがっかりしたことは、この試飲会で最新のヴィンテージを提供してい素晴らしいワイン生産者の数人がイギリスのインポータを見つけられずにいると話していたことだ。イギリスでドイツ国旗を振っているのはほんの一握りの小さな専門店しかないのだ。有名なのはハワード・リプリー(Howard Ripley)とジャスティリーニ&ブルックスで、後者は伝統ある顧客に向けてこのドイツのワイン革命を非常にうまく発信しているように思われる。メイダ・ヴェールにあるザ・ワイナリー(The Winery)や地方都市であるハンプシャーにあるザ・ワイン・バーン(The WineBarn)は近代的なドイツのワインに精通した小売店だが、ザ・ワイン・ソサイエティは優れたドイツワインの品ぞろえを誇るものの、まさに数える程度しかない。

一つ認めざるを得ないことがあるとすれば、ドイツで非常に売り上げのいいワインの中にはイギリス人にとって酸が高すぎる場合があるということだ。特にベーシックな、(村や単一畑の名称ではなく)生産者の名前だけが記載されたグーツヴァインはその傾向がある。ドイツ市場の中には辛口であればあるほど良いと考え、かつてのフルーティなスタイルのリースリングに激しく抵抗する向きがあるようだ。ドイツ語で辛口を意味するトロッケンは名誉の勲章となった。だがリースリングはもともとライト・ボディで酸が高い品種なのだから、それほどの酸とバランスを取るためにわずかな残糖があることは理にかなったことだと思う。

トロッケンと表記のあるワインでも、酸が十分に高いドイツでは9 g/l もの糖を残すことは可能だ。この点はバランスを取るために非常にデリケートな腕の見せ所と言える。実際の残糖量よりワインの味わいがどう感じられるかの方がよほど重要なのだ。一部の消費者、とくにドイツでは、数字に危険なほど依存している向きがあるようで、そのために素晴らしいヨハン・ヨーゼフ・プリュムのような生産者はワインの分析値を公表することを拒否し、ワインそのもので評価して欲しいと考えている。

ここの所トロッケンのワインはドイツではほかのカテゴリー全てよりも尊敬を集めているようだ。すなわち、古典的なフルーティなカテゴリーであるシュペートレーゼやアウスレーゼは流行遅れとされ、シュペートレーゼに使われるブドウよりやや熟度が低いブドウから作られ、そのカテゴリーの中では最も辛口であるカビネットはほとんど忘れ去られていると言ってもよい。これは非常に残念なことで、なぜならカビネットのスタイルは恐らくドイツのリースリングの最も典型的なスタイルであり、ほんのわずかな果実味と低いアルコール度数、そしてゆうに10年は熟成できるポテンシャルを持っているからだ。

マインツでは何人かの生産者がカビネットのワインに対する需要の増加がドイツ内外でみられると話していたことをうれしく思った。だがしかし、イギリスではそうではないようだ。

お薦めの2018リースリング

Clemens Busch Pündericher Marienberg Spätlese and Auslese, Mosel

Bürklin-Wolf Ruppertsberger Hoheberg PC trocken, Pfalz

Dönnhoff Kreuzbacher Kahlenberg trocken, Nahe

Emrich Schönleber Mönzinger Frühtau trocken, Nahe

Fritz Haag Brauneberger Juffer feinherb and Kabinett, Mosel

Willi Haag Brauneberger Juffer Kabinett, Mosel

Reinhold Haart Piesporter Goldtröpfchen Spätlese, Mosel

Gut Hermannsberg Kabinett and Schlossböckelheimer Vom Vulkan trocken, Nahe

Karthäuserhof Eitelsbacher Karthäuserhofberg Spätlese, Mosel

Kruger-Rumpf Münster-Sarmsheim Im Pitterberg Kabinett, Nahe

Peter Lauer Ayler Fass 25, Mosel

Schäfer-Frölich Bockenauer Schiefergestein feinherb, Nahe

von Othegraven Ockfener Bockstein Kabinett, Wawerner Herrenberg Kabinett and Kanzemer Altenberg Spätlese, Mosel

von Schubert Maximin Grünhäuser Abstberg Spätlese and Auslese, Mosel

Dr Thanisch Berncasteler Doctor Kabinett and Berncasteler Badstube Kabinett, Mosel

Zilliken Saarburger Rausch Spätlese, Mosel

完全なテイスティング・ノートはこちらから。取扱業者はWine-Searcher.comを参照のこと。

原文

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