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ボージョレの新世代

2019年6月22日 土曜日 • 5 分で読めます
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ガメイの王国は今、いい流れができているようだ。この記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。

ちょうど6年前、私はFrance's wine orphans - Muscadet and Beaujolais という記事の中でこれらのお買い得なワインたちが常に見過ごされ続けてきたために、産地の経済が成り立たなくなりつつあると嘆いた。

ミュスカデの品質と熟成のポテンシャルは大きく向上したが、ナンテの僻地にあるミュスカデの生産者はこの4年間で3回も春の霜のひどい被害を受けている。一方、リヨンのすぐ北にあるボージョレが危機を脱した点は喜ばしいことだと思う。この地域の経済的な低迷は20世紀の終盤に世界がボージョレ・ヌーボーの熱から覚めたことに起因するが、そのおかげでワイン作りに対してそれまでと異なった職人的なコンセプトを持った若い新参者にも手が出せるほど地価が下がった。今やこの地域にはあらゆる新世代の造り手があふれ、ジュリアがこの記事この記事で報告するように、新しい、若い市場に訴求できるワインを作っている。

ボージョレの輸出は昨年22%増加し、そう呼ぶのは若干うかつだとは思われるものの、いわゆるアメリカのスター、すなわち影響力のあるアメリカのソムリエからの需要が非常に強いことがその要因だ。今やアメリカは発酵を早く終わらせたボージョレ・ヌーボーの需要が最も高い日本を上回り、ボージョレの最も重要な輸出先となった。イギリスがそれらに続き第3位の位置にある。

我々イギリス人は明らかに通常の単なるボージョレよりは品質の良いボージョレ・ヴィラージュ、あるいは一般的に品質がより優れたワインであり、以下に挙げる10の村の名の一つを冠したものを好む傾向にある。その村とはボディが重く熟成のポテンシャルが高くなる順にシルーブル、レニエ、サンタムール、ブルイィ、フルーリー、コート・ド・ブルイィ、ジュリエス、シェナス、モルゴン、ムーラン・ア・ヴァンだ。

私はイギリスが世界で3番目のボージョレ輸入国だと知って非常に驚いた。なぜならイギリスの小売店の棚やワインリストに私が期待するような良い品質のボージョレを見かけることがほとんどないからだ。よくできたワインでお得感のある価格のものは特に見当たらない。念のために言っておくと、初心者から野心的な作り手、非常に影響力の強い個人から比較的工業的なネゴシアンまで幅広い層を持つ産地には当然のことだが、ボージョレの価格の幅は非常に広いはずだ。

先週ロンドンでの一般向けテイスティングを開催したボージョレ委員会のジャン・ボジェード(Jean Bourjade)が嬉々として報告したように、今年3月の終わりに予測されるブレグジットによるカオスに備えイギリスのワイン商たちが早めに仕入れを行い、2番目に多い備蓄をしたのはボージョレだった。(トップはシャンパーニュ)

テイスティングで用意されていた小冊子にはユーロでの蔵出し価格とポンドでの希望小売価格がその日紹介された194本すべてのワインについて示されていた。(そのうち19本は白またはロゼで、これはボジェードがボージョレの将来を担うことになると考えるためだというが、私は賛同しかねる)。赤ワインに関しては全てがボージョレの非常に樹齢の高いブドウから作られたもので、爽やかなガメイがその真価を発揮する花崗岩土壌で育てられたものだ。クリュのワインの価格は蔵出し価格が5ユーロを下回るヴァン・デコンブ(Vins Descombe) のシャトー・ド・プージュロン(Ch de Pougelon) 2018 ブルイィから35ユーロの最も本格的シャトー・ムーラン・ア・ヴァンの2016まで幅広かった。それでも最高のボージョレなら、価格はその何倍もするライバル、ブルゴーニュに容易に対抗できると言える。

テイスティングには、デヴォンのワイン商で自身もブルイィのシャトー・デュ・パヴェ(Château du Pavé)でボージョレを作るクリストファー・パイパー(Christopher Piper)も参加していた。彼は先日、本サイトのメンバーズ・フォーラムで2010年に彼が感じたことをこう述べている。「ボージョレの土壌は(技術的な意味で)使い物にならなりませんでした。生命力がなく農薬で飽和していました。我々はそのモザイクのような複雑な土壌に少しずつ命を吹き込み、収量も40 hl/ha程度まで減らしました。ブドウが健康になるにしたがって、有機農薬(特に銅)の必要量も減少していきました。」このように工業的な生産方法を畑でも醸造でもやらないと決めた生産者は彼だけではないし、彼もまた満足げにこう話した。「ボージョレの素晴らしい若手のグループがボージョレの名声と品質を向上するためになくてはならない役割を果たしているんです」。

残念ながらこれらの素晴らしい若手のワインは恐らく地元の政治的な力関係からか今回のテイスティングではほとんど提供されていなかったが、私が知る限りの生産者は以下のお勧めリストに記載してある。それ以外については上述のジュリアのレポートも参照して欲しい。

最近イギリスで紹介されたワインをテイスティングして明確に感じるのは、スタイルの二極化だ。生産者によってはまだ20世紀のレシピに従い凝縮感とブドウの成熟を目指したワインを作っているし、他方では、おそらく上述の素晴らしい若手たちのほとんどがまろやかでフルーティ、優しく、しばしば色の薄い(そして時に輝くほど透明ではない)ワインを目ざしているため、その印象は全く異なるものとなる。さらに長い歴史の中で素晴らしいほど信頼のおける、上述のスタイルの中間を行くようなワインを作る、シャトー・ティヴァン、ジャン・フォワイヤール、さらにマルセル・ラピエールのような作り手もいる。彼らのワインは自然派のワインづくりに非常に近く、あらゆる意味で納得のいく、ボージョレの中で最も高価なワインとなっている。

どちらのスタイルもよく熟成に耐えるので、近年ではボージョレを早く飲むべきワインとする必要はなくなった。事実最も本格的と言われる2つのクリュ、モルゴンとムーラン・ア・ヴァンは瓶内での熟成が必要であり、10年、あるいはそれよりも長く素晴らしい味わいを楽しめる。

ややクラシックな2016は生産者にとって厳しいヴィンテージで、ようやくその真価を発揮するようになってきた一方、フレッシュな2017は今すぐに楽しめる状態だ。2018は先週ロンドンでお披露目となったが、素晴らしいポテンシャルを持っているものの、特にクリュのものは今飲むには若すぎる。2015は伝統的にボージョレと結び付けられるようなフレッシュさを持つ2014よりも全体的に熟したニュアンスだ。2013は非常に良い年で、最高の生産者のものは今美しく飲めるだろう。ボージョレは伝統的に夏の飲み物とされてきたが、これらの本格的なワインは年間を通して楽しむことができ、ブルゴーニュの下の価格帯をうまく埋めることができるだろう。ガメイはとどのつまり、偉大なブルゴーニュの品種であるピノ・ノワールと同じ遺伝的一族に属するのだから。

上述のヴィンテージに関するコメントは基本的にクリュ・ボージョレに該当するが、比較的良いが最良ではない地域から作られるボージョレ・ヴィラージュは少し冷やすと夏に料理があってもなくても楽しめる飲み物となるだろう。最高の生産者の作る普通のボージョレがそうであるように、完璧な赤ワインは白ワインの代替にもなるのだ。

お薦めのボージョレ生産者
イギリスの取扱者はイタリックで併記した。

Pascal Aufranc, Concept Fine Wines
Ch des Bachelards, Hedonism
Dom de la Bonne Tonne, Huntsworth Wine
Jean-Paul Brun, The Wine Society, BI Wines
Dom Jean-Marc Burgaud, The Wine Society, Berry Bros & Rudd, Cambridge Wine Merchants
Domaine Chapel, Vino Vero, The Good Wine Shop
André Colonge, Woodwinters, Quaff and many others
Louis-Claude Desvignes, Berry Bros & Rudd
Jean-Paul Dubost, Pierre Hourlier, Bottle Apostle, Montrachet
Jean Foillard, Roberson, Buon Vino
Mee Godard, Raeburn Fine Wines
Le Grappin, legrappin.com
Ch des Jacques, Wine Direct
Dom Lafarge Vial, Howard Ripley, Corney & Barrow
Thibault Liger-Belair, Berry Bros & Rudd, Stannary Street
Ch du Moulin-à-Vent, Stannary Street
Christophe Pacalet, Raeburn Fine Wines
Dominique Piron, Averys, Laithwaite's
Olivier Ravier, Strictly Wine, Corking Wines, Slurp
Domaine Rochette, James Nicholson, Lea & Sandeman
Julien Sunier, Roberson, Wine & Greene
Domaine Thillardon, Christopher Piper Wines

テイスティング・ノートはこちらから、また多くのワインは今週公開したBeaujolais firmly back on track でも取り上げられている。それ以外の取扱業者はWine-searcher.com.を参照のこと。

原文

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