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温暖化はオーストリアでも

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The image of a sunset in Burgenland, copyright AWMB / Lukan, is from the Austrian Wine website.(訳注参照)

気候変動がオーストリアに与える影響に関する調査についての記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。完全なテイスティング・ノートはA truly Austrian arrayを参照のこと。

世界中で収穫の時期はどんどん早まっている。ブドウの収穫日は中でも明らかな遷移期にきている。メルボルンの南にあり冷涼な気候とされるモーニントン・ペニンシュラのベテランでスター・ワインメーカー、ヤビー・レイクのトム・カーソンも、収穫がかつてよりも丸々4週間早くなっていると話していた。地球の反対側、シャトーヌフ・デュ・パプでは1950年代に10月半ばごろだった収穫が現在は8月に行われている。

ひどい春の霜、夏の雹、冬の洪水など違いはあるにせよ、ワイン生産地の夏はどんどん熱くなり、ブドウの成熟はどんどん早くなっている。ヨーロッパでは、高級ワインで知られるある国が台風の目になっている。オーストリアだ。オーストリアとドイツのワイン生産者に共通点は多くあるが、オーストリアのワインはドイツのものより柔らかく酸が低いのが通常だ。この点は冷涼な気候では有利だったのだが、最近2017のオーストリア・ワインを50本テイスティングしてみると、オーストリアのブドウ栽培者たちはその温暖な気候を呪い始めているのではないかと感じた。

今月早くにロンドンでオーストリアン・ワイン・マーケティング・ボードが開催したのは、通常行われるような生産者が全ての商品を出展する混雑した会場でのそれではなく、着席のテイスティングで公式なオーストリア・ワインの詰め合わせとでも言える組み合わせを提供するものだった。私が最初にテイスティングした2017は、素晴らしいブリュンデルマイヤーの作るランゲンロイサー・アルテ・レーベン・レゼルヴ グリューナー・フェルトリナーだった。確かに賞賛される様々なスパークリング・ワイン(すなわち、スティル・ワインより一般的に酸が高い)の直後だったが、そのソフトさと酸の低さにショックにも似た感覚を持った。また、グリューナー・フェルトリナーは長期熟成に向くワインを作ることができると知られているもかかわらず、それに続く多くの2017白の熟成がすでにかなり進んでいたことにも驚いた。

テイスティングが進むにつれ、私の舌もそれに慣れてきたが、いくつかのワインには軽い、決して不愉快ではない苦みを余韻に感じ、それが通常は酸によってもたらされるべき刺激を与えていることに気づいた。そのため、オーストリア・ワイン・マーケティング・ボードの会長であるウィリー・クリンガーに会った際、この特に暑かった2017の夏に起こったと思われる影響について感想を伝えた。テイスターの手元に配布された128ページに及ぶ膨大かつ詳細なオーストリアン・ワイン・イン・デプスにあるヴィンテージ・ガイドには2017は1992年以降最も暑い3つのヴィンテージの一つであるとわかるよう4分割の赤い丸が全て塗られていた点(残りは2011と2003だった)にも触れてみた。

彼は顔をしかめると2018はさらに暑かったため、次回の出版では2017の色が2015や2012のように4分の3は赤、4分の1は青と修正される可能性があると述べた。オーストリアで最高品質のブドウは伝統的に10月に収穫されてきた。これはブドウの生理学的な完熟を待つためだが、2018年は多くの生産者が酸のレベルを保つために9月に収穫を行わなければならなかった。地球温暖化のおかげでオーストリアの中でも非常に山がちな、伝統的産地ではない場所がワイン生産地域として再活性化してきており、特にクラーゲンフルト周辺のケルンテン州がそれに当てはまる。

2017のほとんどの白が比較的酸が低い一方、そのフレッシュさでひときわ目立っていたワインがあった。ワグラムで作られるベルンハルト・オットのリート・ローゼンベルグ・グリューナー・フェルトリナーで、これまではフルボディのワインを作る生産者と目されてきた人物のものだ。ドイツ騎士団よろしく丁寧にすべてのワインに関する分析値も提供されたため、分析上オットのワインはブリュンデルマイヤーのよりも酸が低いことがわかった。オットがことさら自然のコンポストが好きで(彼はかつて一つの農場であまりに大量にそれ使用していたことで専門家から問い合わせが来たほどだ)、ビオデナミの認証も受けていることを知っていたため、ワインのこの活力はそれで説明できるのではないかと私は考えた(ビオデナミで育てられたブドウは非常に健全で、アルコールが比較的低い場合でも、非常にバランスの良いワインに仕上がるように感じる)。

だがクリンガーはオーストリアが完全なサステイナブル農法を行っている割合が最も高い国である点を指摘してそれを否定した。オーストリア全体のブドウのうち13%は有機またはビオデナミで栽培されており、一般的な農業で言えばその割合はさらに高くなる。

このロンドンのテイスティングはオーストリア固有品種に限定されていたため、リースリングを試す機会はなかった(オーストリアが現在最も自慢したくて仕方のないカテゴリーであるスパークリング・ワインのグローセ・レゼルヴ g Uに使われるシャルドネは例外だった。g U はgeschützte Ursprungsbereich,すなわち原産地名称保護を意味する)。それらが非常に素晴らしく、この国を象徴する品種であるグリューナー・フェルトリナーよりも全体的にフレッシュで酸が高くなり得ることから考えると、暑い夏に耐えうるという意味でより良い立場にあるのかもしれない。これらを鑑みると、フルボディですべての味わいを満たし、多くがすぐに飲めるようなグリューナーは人気の高いスパイシーな料理のパートナーに最適なのではないかと考えた。イギリスで最も野心的なインド料理店の優れたワイン・リストの責任者にはぜひ、2017のグリューナー・フェルトリナーを候補に入れてほしいと願う。

6つのグリューナーの5フライト同様、想定外のワイン、例えばアンフォラで熟成させたものなどからなるフライトでは、オーストリアの白ブドウとしてノイブルガー、ローター・フェルトリナー、グンポルイツキルヘンの品種、ロートギプフラーとツィアファンドラーなどが提供され、赤ワインでは2016あるいはそれより古いヴィンテージのツヴァイゲルトやサンローラン(フランスのピノ・ノワールは含まれていない)主体のもの、あるいは最もフレッシュで今のところオーストリアで大成功している品種、ブラウフレンキッシュも4フライト以上、さらにブルゲンラントがその名をはせる甘口の白ワインのフライトが一つあった。

ノイブルガーはローター・フェルトリナー(グリューナー・フェルトリナーとは無関係だ)とシルヴァーナの自然交配種で非常に印象的で、オーストリアのベーシックな赤ワイン用品種、ツヴァイゲルトの派手なバージョンとは対照的だった。ジューシーで若く、フルーティなワインをもたらす質素なツヴァイゲルトは美味しいこともあるが、今回に関してはそっとして、早く飲んでしまう方がよいように思われた。

クリンガーは(ほぼ)引退を視野に入れていて、お別れムードを醸し出し、今回が彼の最後のロンドンでの活動になるかもしれないと話した。そして彼は嬉しそうに彼の13の任期の間、オーストリア・ワインの輸出額は年平均6.5%ずつ増えたのだと話した。10年前ニューヨークのソムリエの間でグリューナーが大流行したことも大きな支えになったようだが、その反動も予想されていた通り起こった。クリンガーの粘り強さのおかげで、さらには人気のあるオーストリア出身のソムリエでニューヨークにあるル・ベルナルディンのアルド・ゾーム(Aldo Sohm)の魅力も後押しもあり、アメリカはオーストリアにとってドイツ、スイスに次ぐ3番目に重要な輸出市場となった。

クリンガーは長身ではないかもしれないが、その大きな足跡と、複雑に絡み合うオーストリアの新しいアペラシオンを残したと言えよう。


特に目を引いたオーストリア・ワイン

白ワイン

Alzinger, Ried Steinertal Smaragd Grüner Veltliner 2017 Wachau
Hirtzberger, Rotes Tor Smaragd Grüner Veltliner 2017 Wachau
Knoll, Ried Kreutles Smaragd Grüner Veltliner 2017 Wachau

赤ワイン

J Heinrich, Ried Goldberg Alte Reben Reserve Blaufränkisch 2012 Mittelburgenland DAC

甘口ワイン

Kracher, No.1 Rosenmuskateller Trockenbeerenauslese 2016 Österreich
Michael Wenzel, Furmint Beerenauslese 2016 Burgenland

訳注;ジャンシスからは写真の転用も、原文同様にクレジットをつければ問題ないと言われています。訳は下記のとおりですが、念のため冒頭に英語を残しています。
(訳:ブルゲンラントの夕日の写真;オーストリア・ワインのウェブサイトより。AWMB / Lukan提供)

原文

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