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イタリア人よ、フランスのことは忘れよ

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この記事のやや短いバージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。

メジャーな報道機関は論争の火種になるワインが好きだ。先ごろイタリア首相のマッテオ・レンツィがイタリア・ワインはもはやフランスワインに勝っていると豪語し、おそらくはフランソワ・オランドによって反論された件については必要以上に騒いでいたように思われる。では実際のところはどうなのだろう。

純粋に生産量だけを基準とした場合、フランスとイタリアは栽培面積がほぼ同じブドウ畑からどちらが多くワインを生産するか毎年競い合っている状態だ。

北半球では霜や6月初旬の開花期の天候不順、実を膨張させる雨などが最終的な生産量を左右する。その変化があまりに大きいため、ポルトガルのコルク業界はブドウの生育期、特に開花期にはいつもハラハラしている。

一方、品質を基準とした場合、このウェブサイトを読むほとんどの人もそう考えていると思われるが、話は全く別である。もちろん価格が品質の基準にはならないと私は強く信じているが、最高級のフランスワインとイタリア・ワインの価格を比較してみる意味はある。どこに価値があるのか見極めるためにも。

有力なワイン価格の比較サイトであるwine-searcher.com がまとめた世界で最も高額なワイン50本というリストを見ると11本がドイツの希少な甘口ワイン、1本(スクリーミング・イーグル)がナパ・ヴァレー、そして残りはすべてフランスワインであり、イタリア・ワインの不在が目に留まる。

だがもちろん、このチャートは人々が購入する意思のあるものであって、ボルドーが長きにわたってワイン投資の対象であったことやブルゴーニュはほんのわずかしか生産されていないことに影響されていることは間違いない。そしてこれらには何世紀もの歴史があるからだ。中世にコート・ドールで高級ワインが生産されていたころ、イタリアは一つの国家としては1世紀半の歴史しかなかった。つまり実際のところ20世紀中ごろにスタンディング・スタートを切ったイタリア・ワインの追いつきが早かったということである。

事実そのスピードがあまりに早いため、ロンドンを基盤とする(香港、シンガポール、ロサンゼルスにも事業拠点がある)高級ワイン・トレーダーは最近その名をボルドー・インデックスから地理的表示を含まないBIに変更したほどだ。
総合ワイン商社であるベリー・ブラザーズ・ラッドはロンドンとアジアで高級ワインも扱っているが、過去5年間にイタリア・ワインの販売額は60%もの伸びを見せているという。また、顧客間取引でのイタリア・ワインの価格は昨年の3割増しだそうだ。

10年前、セント・ジェームス・ストリートにおける彼らの宿敵ジャスティリーニ・ブルックスはすでにバローロをピエモンテ最高の生産者から買っていたが、顧客の反応は冷めたもので、その在庫リストは値下げされた熟成ヴィンテージという憂き目を見ることになった。いやはや、時代は変わるものだ。現在ジャスティリーニ・ブルックスのピエモンテ・ワインの販売額はローヌとの売り上げを上回り、トスカーナも僅差でそれに続いている(ジャスティリーニ・ブルックスの提供する現在のピエモンテに関するウォルターのレビューは月曜に公開予定である)。

イギリスのワイン・コレクターはようやくボルドーか無か、という呪縛から解き放たれ、幅広い選択肢の世界に道を見出すことができたということだ。そこではブルゴーニュがこれまでになく主要な地位を占めているものの、高級なイタリア・ワインもその価値を次第に増してきている。また、ワイン・アドヴォケートのスタッフ(創立者であるアメリカのワイン評論家、ロバート・パーカーではないが)がロンドンで企画した15の高級ワインのイベントのうち完売となったのはバローロのものである点にも注目すべきだろう。

JancisRobinson.comでは、バローロのイギリスでの露出をもっと増やすべきだ(特に高級イタリア・ワインが長きにわたりイギリスよりもはるかに中心的な役割を演じてきたアメリカと比較して)と確信しているため、4度目のバローロ・ナイトを11月20日に開催することにした。そこではイタリア・ワイン専門家、ウォルター・スペラーが自らセレクトした2012ヴィンテージのワイン40種を提供する。このようなイベントは、昨年ブルネッロ2010を紹介した類似イベントも含めて発売即完売となっている。

では最高品質のイタリア・ワインは最高品質のフランスワインとその価格面で比較するとどうなのだろうか。イタリアで最も知られたバローロ、バルバレスコ、ブルネッロですら、100ポンドを超す価格の付いたものを探すのには苦労する。フランスの最も偉大なワイン、常に追い求められるボルドーの格付けシャトーやブルゴーニュのグラン・クリュではありえないことだ。

これは喜ばしいことであり、同時に最高級のイタリア・ワインを活用するのは今しかないということだ。残念ながらその価格はほぼ間違いなく上昇してしまうだろうから。これは特に、有名なBのつくワイン、バローロ、バルバレスコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、や最も人気の高いボルゲリのボルドー・ブレンド、サッシカイアやオルネライアほど現在国際的に評価されていないワインにも当てはまる。私が今思い当たるのは素晴らしいアルト・ピエモンテの田舎町から北部にかけて栽培されるバローロやバルバレスコと同じ品種、ネッビオーロを主体としたワインで、ガッティナーラ、レッソーナ、ボーカ、ゲンメ、ブラマテッラなどのアペラシオンである。

トスカーナではサンジョヴェーゼを主体とした数多の他のワイン、有名なものとしては最高級のキャンティ・クラシコだが、その他トスカーナの丘に点在する高級ワインと比較するとブルネッロ・ディ・モンタルチーノの価格が不平等に高い。この地球温暖化の時代、彼らにとって南トスカーナにあるモンタルチーノやモンテプルチアーノにある日差しの強い畑への影響は年々有利になっているともいえる。

南イタリアの全域が高級ワイン生産に暑すぎるというわけではない。ここでも書いたように、シチリアは新しく刺激的な、土地の特徴が非常に強くでたバラエティ豊かで偉大なワインを生み出す場所である。まさに現代の時代精神を示すワイン(Weinzeitgeist;ボルゲリのボルドー・ブレンドはこれに該当しない)であると言える。だが中央イタリアから南イタリアにかけて、固有品種から作られるその土地特有のワインが数多く存在する(サグランティーノ、アリアーニコ、ガリオッポなどがすぐに浮かんでくる)。

イタリアの白ワインも軽んじてはならない。ここでもイタリアの品種多様性はマッテオ・レンツィが自国のワインとフランスのワインを比較する際に効果を発揮するだろう。イタリアは、数十年にわたり中央集権化し商業的に洗練された栽培文化を持つフランスよりもはるかに固有品種の選択肢の幅が広い。

だがイタリア・ワイン生産者の最大の問題は自分たちを常にフランスと比較して評価している点だ。これは間違いである。今彼らは自らの足で立ち、その地位を十分誇りに思うべきものを十分にもっている。

本当にイタリアイタリアしたワイン

Inama, Vigneti di Foscarino 2014 Soave
($22.99 Wine House ロサンゼルス, £17.99 Waitrose)

Walta Massa, Derthona Timorasso 2013 Colli Tortonesi
($24.99 Wine House ロサンゼルス, £18.99 Harrogate Fine Wine)

Nino Barraco Catarratto 2014
(£24 Noble Fine Liquor ロンドン)

Santa Venere Gaglioppo 2013 Cirò
(€6.95 Deutter of Bavaria, £7.95 The Wine Society)

Tenuta Santa Caterina, Arlandino 2013 Grignolino d'Asti
(£11.50 The Wine Society)

Eugenio Bocchino, Roccabella 2013 Langhe Nebbiolo
($17.99 Corx ニューヨーク, £19.49 Salusbury Wine Store of ロンドンNW6, および Noble & Wild of Hereford)

Travaglini, Tre Vigne 2009 Gattinara
($41.88 Atlas ポートランド, または; £29.99 Field & Fawcett ヨークシャー)

Giuseppe Mascarello, Villero 2011 Barolo
($97.99 Flatiron Wines of New York, £68.70 Berry Bros & Rudd)

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