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ロックダウン用ワイン~白ワイン&ロゼワイン編

Saturday 2 May 2020 • 6 分で読めます
Monte del Frà in Custoza, northern Italy

この記事のショート・バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。おすすめの赤は来週掲載予定だ。

レストランで食事をすることができない今、ワイン愛好家たちは自宅でワインを楽しむしかないが、多くのワイン小売店はそこに商機を見出している。

スーパーマーケットのワインの棚が空になっていると言う話も聞く一方、一握りの例外を除き、スーパーマーケットはそのワインの供給源をこれまでに大幅に減らしてきた。つまり、小さな畑に細やかな手入れを行って作られた興味深いワインを買うだけの力がまだあるのなら、大手のチェーン店ではなく、より小規模な生産量で職人的に作られたワインを販売するような独立系ワイン商を応援することが非常に重要だ。ヨーロッパから輸入されるワインに25%の関税がかけられ、小規模な小売店に深刻な影響が出ているアメリカではなおさらだろう。

世界中のありとあらゆるワイン生産者や、サービス業への販売を主体としてきたワイン商たちはここ数週間でそのビジネスの対象を個人消費者に転換する必要に迫られた。業界対象ではなく、消費者対象のビジネスに変えなくてはならなくなったのだ。こちらでは世界中で引きこもりを強いられている人々にワインを届けてくれる800以上ものワイン小売店を一覧にしている。

あくまで経験則的な根拠しかないが、この状況下では財布に余裕のある人々、あるいはそうでない人の中にも、長いこと保存していた「とっておきの1本」を自分へのご褒美として開ける傾向があるようだ。また、自宅で飲めばレストランで払っていたマージンがかからないのだからと、今まで飲んでいたよりも少しだけ高いワインを飲むことを正当化する向きもあるようだ。

そこでこの記事ではロックダウンに応じている個人消費者へ配達をしてくれる独立系ワイン商が取り扱う、最近私が感銘を受けたワインを紹介することにした。以下にはイギリスの取扱業者を記しているが、ほとんどのワインは他の国でも入手可能なはずだ。

イタリアはここの所、特に(例外がないわけではないが)北部で魅力的な白ワインを生み出し続けてきた。アルト・アディジェのワインでがっかりするような工業的なワインに出合ってしまうことはまずない。この地はその生産の大部分を非常によく運営された協同組合が担っている。ソアヴェは最もひねくれた商業的ブレンドのものから、ジーニやイナマ、ピエロパンやタメリーニなどが作る長期熟成可能な素晴らしいものまで多岐にわたる。一方、フリウリやヴェネトにはあらゆる種類の掘り出し物が眠っており、ボノモ兄弟の生き生きとしたモンテ・デル・フラ2018ビアンコ・ディ・クストーツァは決して有名ではないが豊かな(だが甘さのない)果実味がほとばしり、まるでソアヴェとゲヴュルツトラミネールの間を取ったような味わいだ。上の写真は彼らのワイナリーと畑だ。

他にテイスティングのテーブルから飛び出すように印象的だったのはイ・クリヴィ2016で、イタリア北東部はフリウリの品種、ヴェルドゥッツォを使ったものだ。この生産者は有機栽培の認証を取得しているだけでなく、発酵中の澱から全ての香りや味わいを引き出すことを信念とし、樹齢が60年から80年という、個性を存分に発揮するブドウに恵まれている。このヴェルドゥッツォは比較的アルコール度数が低いにもかかわらず非常に凝縮感が高く、食事なしにワインだけで十分に楽しめる、イタリア人が「瞑想のワイン」と呼ぶ類の代物だ。もっとも、私個人としてはこのワインはうまみのある料理とも十分に楽しめるものだと思う。おそらくあと4,5年は瓶内で熟成が進むに違いない。箱買いがお薦めだ。

もしも非常に高い酸がお好みなら、心からお勧めするのは世界で最も人気のあるワインの一つ、マールボロのソーヴィニヨン・ブランだ。ドッグ・ポイントは初期のクラウディ・ベイの主要メンバーの何人かが畑に魅了されてワイン造りを始めた生産者で、彼らの作る高品質で比類ないマールボロのソーヴィニョン・ブランは私も愛してやまないワインだ。彼らの作るレギュラーのソーヴィニヨン・ブランはリリース直後から非常に美味しいのだが、同じような他のワインとは違いボトルの中でもあと2,3年は熟成が可能だ。ドッグ・ポイントの特別で軽く樽のかかったセクション94は数年経ってからリリースされる。現行ヴィンテージは2017で、強いマッチを擦った時の香りがコシュ・デュリのムルソーなどの代替品候補として候補に挙げられるだろうが、私から見るともっと熟成させておいたほうが良い。ドッグ・ポイントのシャルドネもまた秀逸だ。

シャブリはニュージーランドのシャルドネに対する、フランスの対抗馬だ(あるいはその逆か)。市場には愛くるしいほどに爽やかな2016、2017、2018が出回っており、通常の村名シャブリはすでに飲み頃とはいえ、焦る必要はない。ラヴノーとドーヴィサの名声はその価格を高騰させているが、他の優秀な生産者、例えばサミュエル・ビロー、ビロー・シモン、ウィリアム・フェーヴルやヴェルジェのシャブリはそれほど高価ではないし、私の経験上価格と、完璧なまでに安定した品質のバランスがよい作り手と言えばジャン・マルク・ブロカールだろう。イギリスのザ・ワイン・ソサイエティはその会員によって協同組合のように組織されているが、自社ラベルであるソサイエティズ・シャブリはブロカールのもので、現行の2018を全面的にお勧めしたい。ザ・ワイン・ソサイエティは需要の急激な増加に圧倒され、また現在のソーシャル・ディスタンスの必要性を鑑み、しばらくの間注文を受け付けていなかったが、この記事を書いている時点では非混載のケース販売のみを行っている。750mlのボトルは完売で、便利なハーフ・ボトルは12本102ポンドだが、この記事が読まれる頃にはそれも完売していると思われる。だが、数件の独立系ワイン商は原稿のジャン・マルク・ブロカール2018シャブリを取り扱っているようだ。これもまた、(熟成が可能なため)焦って飲んでしまわなくてもよい。

もう少しひねりを利かせた候補なら、スペインの新星とも言える白ワインだろう。その多くがこの国の片隅で近年再発掘されている固有品種で作られている。私はマキナ・イ・タブラのエル・オソ・イ・ラ・アレマナ2018がお気に入りだ。スペイン北西部で育つヴェルデホから作られたもので、赤ワインのように果皮と接触させて作られることでテンションとスパイシーさがもたらされる。ラベルも、その価格もこの上なく魅力的だ。もう少し高価にはなるが、おそらく熟成も可能で、遥かに繊細なワインがドミニオ・ド・ビベイ、ラポーラ2017リベイラ・サクラだ。あまりに急な谷沿いの斜面にある畑から、ここでの栽培は「ヒーロー的ブドウ栽培」と呼ばれるほどだ。このワインはガリシアの複数品種のブレンドでアルバリーニョも含むが、私のお気に入りのゴーデリョが主体だ。このどちらの品種も野菜主体の一皿にぴったりだろう。

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*ヴィンテージは2014

レストラン閉鎖の影響で安くなっているロブスターなどの高級魚介類の恩恵にあずかるなら、ローヌ品種のトリオ、マルサンヌ、ルーサンヌ、ヴィオニエで作られたワインをお勧めしたい。白のローヌ・ブレンドはラングドックでも数多く作られているが、北部ローヌの中心地で作られるジャン・ルイ・シャーヴ・セレクションのシルカ白サンジョセフ2018は旨味が下支えをすることですでに非常に贅沢な骨格が形成されている。もし私のように白のエルミタージュのファンで、もう少し早飲みで安いワインを探しているのなら、これは最適な1本となるだろう。

南アフリカの古木からつくる白のブレンドがサディ・ファミリーのライナップに加わり、「クラッシック」の地位を得ている。また、マリヌーが作るスワートランドのオールド・ヴァイン・ホワイトほど複雑で熟成の可能性を秘め、納得のいく価格と名声を確立したワインを私は他に知らない。

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*ヴィンテージは2014

そして最後に、2本の素晴らしいロゼを紹介しておこう、アルコールはたった12%で、一つはプロヴァンス、もう一つは・・・イギリスのものだ。ここ数週間でプロヴァンスのロゼは数多くテイスティングしてきたが、その中で最も特徴的で、塩気の感じられる素晴らしい余韻があったのがドメーヌ・ピク・ロック2019で、価格も比較的良心的だ。もう一つのお勧めのロゼはそれに1本あたりたった1.55ポンドを多く払うだけで済むイギリスのスティル・ワインだ。ハッティングレー・ヴァレーの素敵なパッケージのスティル・ロゼ2019はケントにある古いリンゴ農園で育った早熟なピノ・ノワール主体で、他の2生産者のブドウを加え、ハッティングレーのワインメーカー、エマ・ライスが作っている。彼女はこの早熟なピノの自然なフルーティさのおかげで、超辛口なはずのワインに残糖があるかのように感じられるのだと話してくれた。さあ、地元のものを飲もう。

白ワイン

Monte del Frà 2018 Custoza 12.5%
£12.50 Berry Bros & Rudd

Maquina & Tabla, El Oso y La Alemana 2018 Vino de España 13.8%
£13.95 Lea & Sandeman

Dog Point Sauvignon Blanc 2019 Marlborough 13.5%
£179 for 12 (£15 a bottle) The Wine Society

注:ヴィンテージ明記なし

Jean-Marc Brocard 2018 Chablis 12.5%
£18-20 All about Wine, Corking Wine, Hic!, Eton Vintners, The Secret Cellar

J L Chave Sélection 2018 St-Joseph Blanc 14.5%
£23.75 Yapp Bros

Dominio do Bibei, Lapola 2017 Ribeira Sacra 13.5%
£24.59 Vin Cognito

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*ヴィンテージは2014

Mullineux, Old Vines White 2018 Swartland 13.5%
£24.75 Noel Young, £24.95 Berry Bros & Rudd, £25.99 Hay Wines of Hereford, £26.67 Drinks & Co, £27.50 Philglas & Swiggot

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*ヴィンテージは2014

I Clivi Verduzzo 2016 Friuli Colli Orientali 13%
£25.95 Stannary St Wine Co, £26.50 Philglas & Swiggot

ロゼワイン

Dom Pique Roque 2019 Côtes de Provence 12%
£12.45 Haynes Hanson & Clark

Hattingley Valley Still Rosé 2019 England 12%
£14 Hattingley Valley

テイスティング・ノートはこちらのデータベースで、国際的な取扱業者はWine-Searcher.comを参照のこと。

原文

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0"><tr><td><div style="border:1px solid #95a5a6;border-radius:.75rem;background-color:#FFFFFF;width:152px;margin:0px;padding:5px;text-align:center;overflow:hidden;"><table><tr><td style="width:64px"><a href="https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/156974c7.4328567f.156974c8.016f55dc…" target="_blank" rel="nofollow sponsored noopener" style="word-wrap:break-word;"  ><img src="https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/156974c7.4328567f.156974c8.016f55dc/?…" border="0" style="margin:2px" alt="[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]" title="[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]"></a></td><td style="vertical-align:top;width:72px;"><p style="font-size:12px;line-height:1.4em;text-align:left;margin:0px;padding:2px 6px;word-wrap:break-word"><a href="https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/156974c7.4328567f.156974c8.016f55dc…" target="_blank" rel="nofollow sponsored noopener" style="word-wrap:break-word;"  >【6本〜送料無料】ドミニオ ド ビベイ ラポーラ 2014 750ml [白]Dominio Do Bibei Lapola</a><br><span >価格:4246円(税込、送料別)</span> <span style="color:#BBB">(2020/5/21時点)</span></p></td></tr></table></div><br><p style="color:#000000;font-size:12px;line-height:1.4em;margin:5px;word-wrap:break-word"></p></td></tr></table>

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