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舌にも財布にも嬉しいワイン

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この記事のショートー・バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。

最近私は新聞のアンケートに対する友人の回答にくぎ付けになった。彼は自分のスーツがポール・スミスであつらえたもので、椅子はロン・アラッドのデザインだと自慢しているにもかかわらず、ワイン1本に25ポンド以上かけることには気が乗らないようだったからだ。彼はお気に入りのロンドンのリバー・カフェで食事をする際にはその上限を緩めるようだと推測されるものの、これがきっかけで私はワイングラスに注がれる液体にあまりお金をかけたくない、あるいはかけられない人たちにどんなワインを勧めるべきなのか考えてみた。

実は私はすでに、この夏結婚する友人のためにお買い得品の調査を始めている。彼は13歳の時に両親を亡くしたため、ママやパパの援助が望めないのだが、スコットランド人であり式もスコットランドで行うため、飲み物は潤沢に必要だ。

私は単に価格が安いだけのワインを選ぶのではなく、舌も財布も満足させられるようなものを選ぼうと決めていた。イギリスでは巨大なスーパーマーケット・チェーンで発注するようなワインの価格が最も安い傾向にあることはみんなよく知っているが、これらは価格に対する価値が素晴らしいことは珍しいし、おそらく生産者の負担が非常に大きいものだ。かつてスーパーマーケットのワイン部門が互いにどれほど素晴らしいワインを集められるか競っていた時代があったが、そのような時代ははるか昔のことで、今彼らは単に価格だけに注目して買い付けをしているように見える。イギリスの大量市場で本当の意味で個性のあるワインにお目にかかることなどめったにないのである。

税金の引き上げとポンド安のおかげでイギリスのワイン1本の最低価格はスーパーマーケットのものですら急速に上昇し、最近では6ポンドならかなり格安と言える。.

だから最近マークス・アンド・スペンサーの展示会に参加して私は非常に驚いた。彼らの購買チームは5ポンドで提供しているワインについてどこよりも、本質的なワインの品質に興味を抱いているようだった。彼らは最も安い価格帯のワインに非常に力を入れているのだと強調した。.

私はそこで片手に余るほどのお気に入りを選ぶことができたし、素晴らしい価格のつけられたスパークリング・ワイン(下記参照)も見つけ、上述の幸せなカップルにそれぞれ1本ずつ買って味見をするよう勧めた。さらに今なら彼らはマークス・アンド・スペンサーの提供する12本以上注文すれば25%オフというキャンペーンも利用することができ、そうなればスティル・ワインの価格は1本あたり3.75ポンドにまで引き下げることができる。ほとんどのイギリスのスーパーマーケットはこのようなサービスを時おり提供するが、当然のことながらあまり積極的にこれを公表してはいない。しかしながら最近のロイヤル・ウェディングのタイミングに合わせてスーパーマーケットのいくつかが特別セールを開催し、画面を見ながら乾杯をする機会をもたらしたことは有意義な決断だったと言えよう。8月のバンク・ホリデーの週末にも同様なキャンペーンが期待できるかもしれない。

もちろん、今回スコットランド人の友人のために選んだワインは本格的なワイン好きの鼓動を早めるようなものではないが、大量に購入するということには利点がある。それがマジェスティックが提供する1本あたりの価格が吊り上げられないよう作られた6本の詰め合わせ(彼らは最近最小購入単位を12本から引き下げた)を購入する場合でも、リー・アンド・サンデマンのような優れた独立系小売商の作る1本あたり非常にお得感のある値下げが楽しめる12本の詰め合わせを購入する場合でもだ。

一方、イギリス在住のワインに興味のある皆さんに私が常にお勧めする小売店がある。マークス・アンド・スペンサーとは異なり、彼らの扱うワインはイギリス以外で入手することは容易ではない。ザ・ワイン・ソサイエティの最大の利点はそれが(由緒ある)ワイン購入協同組合であることだ。株主はおなじワイン愛好家が出資者であるため、利益を最大限にしようとする普通は避けようのない力は存在しない。しかし、生涯株主として40ポンドの登録料が必要だ(そのうち20ポンドは加入と同時にワインを購入すればその支払いに充てることができる)。

彼らは1500以上のワインの品ぞろえが1本5.75ポンドから始まること、さらにはプライベートブランドであるザ・ソサイエティズ・サザン・スパニッシュ・レッド・フミーリャ2016がこの価格帯で今年のデカンター・ワールド・ワイン・アワードで金賞を受賞したことを誇りにしている。最近開催された夏向け商品36本のテイスティングで私は、それらのうち13本にGV(グッド・バリュー)あるいはVGV(ベリー・グッド・バリュー)をつけていた。 これは私が参加するテイスティングのほとんどのものよりの非常に高い割合だ。一方先日参加したマークス・アンド・スペンサーの57本のテイスティングでは12本のGVをつけたが、大手小売店にしてはこれもなかなか良い割合であると言える。マークス・アンド・スペンサーの唯一の問題点はその販売方法だ。棚から自分が欲しいものを見つけることが難しい場合が多く、オンラインで(通常は6本単位の混載で)注文したほうが容易である点だ。もう一つ特筆すべきはワイン・ソサイエティのテイスティングがジャンシスロビンソンドットコムのチーム内で最も人気が高かったことで、これは購買チームがあらゆる価格帯で面白いワインを見つけ出すために細心の注意を払っているために他ならない。

全面的におすすめができるお買い得なワインとして挙げられるのは白ワインなら南アフリカとミュスカデ、赤ワインならチリとボージョレだ。ところが今回ワイン・ソサイエティのテイスティングで私が選んだ4本のワインはロワールのもので、白2本、赤2本だったがミュスカデではなかった。ペイ・ド・モージュ(Pays des Mauges;私も初耳だがミュスカデの地域とソーミュールの中間に位置する)で作られるこの上なくフレッシュで「ロワールらしい」若いシャルドネは忘れられない名前であるレトール・ダヴィ(Réthoré Davy)によるものだった。ボリュームのある料理と併せるにはやや軽いかもしれないが、食前酒にはもってこいだ。

ワイン・ソサイエティのバイヤーはロワールのお買い得品を2本、協同組合から見つけていた。協同組合はうまく運営されていれば賢い選択肢となる。ヴヴレイの協同組合が彼らに提供したのはセック・テンドルという美しい名前のカテゴリーを体現する間違いなく美味しいワインで、ロワールのシュナン・ブランのもともと高い酸を軽いトースト香のする豊かさがうまくバランスを取り、残糖は7g/l以下(けして多いわけではない)だ。このワインは明らかに非常に健全で完熟したブドウから作られており、11.50ポンドはこの上なく安い価格というわけではないものの、その品質の価格に対する高さはこの上ない。

赤についてはサンプルサンの協同組合が最近流行しつつあるブルゴーニュ・パストゥグラン(ガメイ2対ピノ・ノワール1の比率のブレンド)の遥かに安価なロワール版を提供している。これは白ワインを飲めない、あるいは飲みたくない人にとって喉の渇きを癒す夏の最高の食前酒になるだろう。もう少し本格的なロワールなら、クロ・ド・コーデリエ2015ソーミュール・シャンピニでこれも11.50ポンドだが、めまいのするほど強い、完熟したカベルネ・フランが香しい。2015のヴィンテージはロワールと、多くのヨーロッパの産地である意味特別だったと言えよう。

一方、ワイン・ソサイエティに最高のお買い得品を提供している国と言えばポルトガルだ。販売者が誰であろうと、1ペニー当たりの力強さは随一のワインを作り出す(そして見た目もなかなか良い。上の写真はザ・ワイン・ソサイエティで販売されている赤だが1本たった6.25ポンドである)。ポルトガルは品質の良くないワインも輸出していることは確かだが、嬉しいことにそれに出会うことは非常に難しくなっている。

マークス・アンド・スペンサーのお買い得


スパークリング

Salton, Rio Carnival Sparkling Glera NV Serra Gaúcha, Brazil £9.50
Yalumba, Craft 3 Sparkling Brut NV South Australia £12

白ワイン

Murviedro, Las Falleras Blanco 2017 Valencia, Spain £5
Lourdes, Chilean Sauvignon Blanc 2017 Central Valley £5
Indómita, Tierra y Hombre Sauvignon Blanc 2017 Casablanca, Chile £7
Pérez Barquero, Fresquito Vino Nuevo de Tinaja 2017 Montilla-Moriles, Spain £9
Darting, Dürkheimer Riesling 2017 Pfalz, Germany £10.50
Villiera, Barrel Fermented Chenin Blanc 2017 Stellenbosch, South Africa £12
La Chablisienne 2014 Chablis £12.50

赤ワイン

Qualia Shiraz 2017 South Eastern Australia £5
Cave de Puilacher, Le Fleuve Bleu 2017 Vin de France £6
Indómita, Tierra y Hombre Pinot Noir 2017 Casablanca, Chile £7
Zorzal, ZZ Cabernet Sauvignon/Malbec 2017 Tupungato, Argentina £9.50

これらおよび最近テイスティングしたマークス・アンド・スペンサーの57本のワインについてはテイスティング・ノートを参照のこと。

ワイン・ソサイエティのお買い得

白ワイン

Quinta da Bacalhôa, JP Azeitão 2017 Setúbal, Portugal £6.50 (7月13日入荷予定)
Réthoré Davy, Les Parcelles Chardonnay 2017 IGP Val de Loire £7.75
Thymiopoulos, Atma Malagousia/Xynomavro 2017 Náoussa, Greece £8.50
Schloss Maissau, Pepp Riesling 2017 Weinviertel, Austria £8.95
Bedrock Wine Co, Shebang! Cuvée IV 2011 North Coast, California £10.95
Cave des Producteurs de Vouvray, Rosnay Sec 2015 Vouvray £11.50

赤ワイン

Almeida Garrett, Entre Serras 2015 Beira Interior, Portugal £6.25
Union des Vignerons de St-Pourçain, Réserve Spéciale 2016 St-Pourçain £7.75
Kanonkop, Kadette 2015 Stellenbosch, South Africa £19 per magnum (150 cl)
Clos des Cordeliers, Cuvée Tradition 2015 Saumur-Champigny £11.50
Tomàs Cusiné, Vilosell 2015 Costers del Segre, Spain £11.50
Classica, El Pacto Crianza 2015 Rioja, Spain £11.50
Dom Jean-Marc Burgaud, Côte du Py 2016 Morgon, Beaujolais £14.95

これらおよび最近テイスティングしたワイン・ソサイエティの36本のワインについてはテイスティング・ノートを参照のこと。

原文

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