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ツイッターでソーテルヌを売る

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この記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。

(訳注;Ch Coutetは日本では通常クーテと表記されますが、原文に従い最後のtを発音する表記にしています)

あなたには姪がいるだろうか?実際、姪と一緒に働くことを想像できるだろうか?

7年前、アリーン・バリー(Aline Baly;写真右、Exceptio提供)、快活でこの上なく雄弁なアメリカのMBAで祖国フランスを8歳の時に離れた人物は、最も著名なボルドーの甘口白ワインを生産するシャトー・クーテットを経営する叔父を手伝うと決意した。(フィナンシャル・タイムズの先輩でワイン特派員であるエドモンド・ペニング・ロウゼル(Edmund Penning-Rowsell)がいつも主張していたように、Coutetの最後のTは発音する)。

2005年11月、彼女はアメリカのバイオ・サイエンス企業でのマーケティングの仕事を休んだ。ロンドンのデカンター・マガジンのイベントで通訳を務めるためだった。「そのたった2時間で、どれほどワインが楽しいものなのか知ったんです。」そして彼女はこう言う。「会話が本当に楽しくて。ワイン文化はとても魅力的で、ワインを通じて世界中の誰とでも、ナッシュビルのカントリー・ミュージックのスターからトップ・レベルの科学者までつながることができるでしょう。だから私は叔父にこう言ったんです。私も経営陣に入れてくれない?とね。叔父のフィリップは考えてみるよと言ってくれました。」

下の写真に写るその叔父は、13世紀に(イギリス人によって)建てられた城塞を自身の若い姪(彼女は昨日(9月4日)35歳になったばかりだ)と共有するという結論を下し、アリーンのための場所を作った。だが、彼女はその船出が順風満帆ではなかったと告白する。「最初の年が一番大変でした。彼は6月のある朝オフィスに来て、このままではうまく行かないと言ったんです。でも人事にいるいとこが私たちに話し合いの機会を作ってくれて、問題は言葉と文化の違いだとわかったんです。だから今では私たちはとても仲が良く、1日に何度も電話をするんですよ。真の意味で私たちは理解しあっていなくてはならないんです。だって同じ道を一緒に歩いていくんですから。」

アリーンが初めて完成させたヴィンテージは2009だった。叔父のフィリップは灰紫色の粉にまみれたセミヨン、つまり最高級のボルドーの白ワインに欠かせないことで有名な貴腐の付いた房を掲げ、これほどまでの品質と高い収穫量の奇跡的な組み合わせは二度とないかもしれないと彼女に言ったそうだ。だが実際には2010と、特に2011も素晴らしいソーテルヌが生み出された。彼女自身は2012と2013にようやく「なぜ叔父があれほど強調していたか理解」し始めたそうだ。そしてアリーンですら認めざるを得なかったのは、昨年はごく少量とはいえ素晴らしいワインができたものの、特に強いストレスを感じる年だったということだ。非常に乾燥した年だったため、貴腐、すなわちボトリティスが発達するのに気の遠くなるような時間がかかったのだ。とはいえソーテルヌ全体としては、クーテットが最も古いシャトーであるバルザック村も含め、赤のボルドーよりはるかに評判が高かった。

現在この世界で最も高級なワインを作る人々にとって最大の課題は、それを購入してくれそうな個人との直接的なつながりを構築することである。かつては世界的に有名なシャトー・ディケムの姉妹シャトーであり、1977年以来アルザスのバリー家が所有するこのシャトー・クーテットにアリーンが持ち込んだものの一つは、ソーシャル・メディアの力を強く認識することだった。「個人的にソーシャル・ネットワークの科学について興味があるんです。」彼女は言う。「ソーシャル・ネットワークは個人購買者とのつながりを構築する手段だと思っていますし、今では販売対象となりうるできるだけ多くの人とつながっています。」お高くとまったボルドーの所有者たちとは違い、彼女は自身のワインをツイッターやフェイスブックを通じて販売したと認めることを恥だとは考えない。実際彼女は@ChateauCoutet がボルドーの格付けシャトーの中でベスト5に入っていることを自慢に思っている。毎年のサンクス・ギビングに彼女はクーテットのファン700人にクーテットに合うメニューなどを添えたカードを送っている。

当初、ボルドーのように階層化した保守的な社会で彼女の計画を説明することは容易なことではなかった。アリーンによれば、彼女の話に最初に耳を傾けてくれたのはシャトー・ムートン・ロートシルトのワイン・メーカー、フィリップ・ダリュアン(Philippe Dhalluin)だったそうだ。このポヤックの1級シャトーは1994年以来クーテットの独占販売も請け負っており(クーテットは同じくポヤックの1級、シャトー・ラフィット所有のシャトー・リューセックに対抗できる有用な駒なのだ)、ダリュアンはクーテットの醸造も手伝っている。ムートンのチームは彼女の独創的なセールス手腕に惚れ込み、非常勤の仕事を依頼しているほどである。

一方、彼女の話はほぼすべてが「新たに吹き込まれた風」のように聞こえるが、ソーテルヌが今どれほど流行に乗れていないかということを尋ねられると、彼女はなにも答えを持っていないことに私は気付いた。ここは明らかに泣き所であり、常に彼女が取り組むべきことだろう。

彼女は彼らのワインは幅広い場面で提供でき、単にデザートやフォアグラと組み合わせるだけではないと、あらゆる手段を用いて伝えることが自分の仕事だと考えている。彼女と叔父のフィリップはシャトーで惜しげもなく、しかも頻繁にその機会を提供しているのだ。彼女はタイ料理、チーズ、その他多くの料理を適切な組み合わせとして提案している。「私はスパイシーなロブスターを06のクーテットと合わせるのが好きです。ローストチキンやターキーもクーテットとはよく合うんですよ。強くてスパイシーな07や08がお勧めですね。香港の揚げウナギならクーテットの05でしょうか。」彼女と叔父はクーテットの比較的若いヴィンテージ、97、04、02、98、97などを飲むことが多いと話してはいたが、88は今もまだ若々しく、89はより熟成が進んでいると述べた。

私は7月にロンドンのセント・ジェームスにあるジェイコブ・ロスチャイルド(Jacob Rothschild)のこぎれいな会議室で彼女と会った。そこで彼女はクーテットの最新の特別なキュヴェ・マダムを熱心に勧めた。そのヴィンテージは2003で、最初の夫がこのシャトーを1925年に購入したマダム・ギー・ロラン(Madame Guy-Rolland)の2番目の夫、エドモンド・ロラン(Edmond Rolland)が1943年に初めて作って以来これまで14回しか作られたことがないものだ。(最新4種のキュヴェ・マダムのテイスティング・ノート参照のこと)

キュヴェ・マダムは最も古い(継続的に栽培されている)区画のセミヨン(樹齢55年)の厳選した成熟果から作られる。クーテットのチームにはフルタイムのスタッフは18人しかいないが、このキュヴェ・マダムのために彼らは房ではなく、粒を選んで摘み取り、潜在
アルコールが法定20%以上を要求するところ26%もの高さを目指している。

このうやうやしくも貴重なワインはたった100~120ケースほどしか作られないため、この上なく濃厚な1995、輝かしく荘厳な1997、3年前にリリースされた類まれな2001、そして生まれたばかりの、先進的で豊潤な2003をテイスティングすることができた時には改めて自分の役得を感じたものだ。私はテイスティング・ノートを公開する際には飲み頃を提案するようにしているが、これらのワインに関しては今世紀後半という何十年も先になってしまった。偉大なボルドーの甘口白ワインは偉大なボルドー赤より長命で、一般的にはるかに価格は安い。購入する理由が二つはある。

原文

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