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ワインの売却

• 5 分で読めます
Wine auction at Straker Chadwick of Abergavenny

この記事のショート・バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。

先週The collecting instinct(和訳)にも書いた通り、収集癖は自分自身の手に負えない量の在庫につながる場合がある。過剰なワインを売却したくなった時、かつてその選択肢は数えるほどしかなかった。すなわち初めはロンドンで、後には世界の国々でも利用可能になったサザビーズかクリスティーズが運営するオークションを使うという選択肢だ。イギリスではボナムスやフィリップスがワイン部門を開設しそれに追随した。現在ではアメリカ(下記参照)にも競売人が存在するし、ヨーロッパ大陸のいくつかのオークション・ハウスもワインを専門的に取り扱うようになってきている(パープル・ページのWhere to buyにあるAuctionsも参照のこと)。

しかし、現在ではオークション以外にもワインを売却する手段が数多く存在し、その結果オークション・ハウスは苦戦を強いられている。何しろクリスティーズやサザビーズは出品手数料10%に加え、落札者からも手数料を20%ほど徴収しているのだ。かつて中国本土のワイン需要の高騰に引っ張られていた香港市場が鳴りを潜めている今、高級ワイン取引市場の中心地という地位を取り戻したと思われるイギリスでは、個人がそのワイン・コレクションの一部あるいは全部を売却する相手として最も人気があるのはそれらを購入した相手、ワイン商だ。

1980年代初頭、初めて顧客の代わりに10%の手数料を取ってワイン売却を始めたロンドンのワイン商は現在のジェロボームの前身、ラ・リザーブだ。当時ベリー・ブラザーズ&ラッドやコーニー&バロウ、ジャスティリーニ&ブルックスなどの大手ワイン商の顧客がワインを売却したい場合、それらワイン商が代理となってオークション・ハウスで売却し、売り上げの3%を手数料として徴収していた。

だがワイン投資をする人々の数が増えるにつれ、これら伝統あるワイン商たちはその顧客のために自分たちが売却用の市場を提供する方が儲かることに気づいた。1992年、コーニー&バロウは本格的なブローカー・サービスを始めた最初のワイン商となり、世界中にいる顧客が保有しているワインを別の顧客に売却するサービスを開始した。これが大きな成功を収めたため、2度の英国女王賞を受賞するに至った。

その後この非常に利益率の高いビジネス(一般的に手数料が10%だ)に他社が続いた。ジャスティリーニはブローカー部門であるJust Brokingで毎月1,650もの顧客がユニークな取引を行っていることを誇るし、ベリーズは現在完全に自動化されアプリで利用できる自社の取引プラットフォーム、BBXで毎月1,100もの取引があるという。出品者は自分のワインの売却価格を設定することができるため、同じワインでもそれに付けられる価格の幅は広い。

このようなサービスの上を行くべく虎視眈々としているのがBIワインズのゲイリー・ブームだ。彼によれば世界唯一のBIライブ・トレードというプラットフォームを自社のソフト開発部門が開発し、世界で最も望まれている人気550銘柄の現金買い取りおよび売却システムを提供しているという。このプラットフォームでは過去の価格データや批評家のスコアなども搭載されている。ブームはこのシステムが「ワイン取引のウーバー」だと考えており、その開発に500万ポンドを投じている。人気550銘柄の出品者は購入価格の全額を受け取ることができ、手数料は発生しない。さらにこのサービスは「瞬時の取引実行と素早い支払い」が身上だ。ブームはこのプラットフォームで取り上げられるワインの数は増えると見込んでいる一方、人気550銘柄に入らないワインについては10%の手数料を取っている。

高級ワイン取引業者としてBIの偉大なライバルはファー・ヴィントナーズで、彼らもまた顧客の所有ワインの取引に大きく依存している。ファーの保税倉庫には4億ポンド相当の顧客のワインが保管されており、うち30%ほどがファーによって、10%の手数料で売却されている。

私自身は、イギリス在住の友人が自分のワイン・コレクションを売りたいと相談してきた場合には、個人が価値を見出してプライベートにコレクションしているワインを買い付けることに長けている小さなワイン商を紹介するようにしている。友人の何人かはブリストルにあるレイド・ワインズ(Reid Wines [email protected])のデイヴィッド・ブービアーのサービスに満足したようだ。彼はイギリスで最も熱心なワイン商で美食家だった故ビル・ベイカーの後を継いだ人物だが、現在のところウェブでのサービスは行っていない。

もう一つお勧めなのはチチェスター近くにあるフォー・ウォールズ・ワインズ(Four Walls Wines)で、経験豊富なバリー・フィリップスはどこに良いワインが眠っているのか嗅ぎつける力を持っている。ファー・ヴィントナーズのステファン・ブロウェットが話していたように、最高品質のワインが眠っている場所は「30-40年前に高級ワインを買っていた裕福な人々を知っているワイン商が一番よく知っている」のだ。

だが、競売場でチャンスをものにしたいと考える向きには、大手の(カタログには未開封の木箱を掲載することを好む)オークション・ハウスが取り扱わないような、それほど有名ではないワインを売ることのできる地元のオークション・ハウスが多く存在する。クリスティーズはかつてそのようなワインをサウス・ケンジントンにある自社の競売場で活発にさばいていたが、現在ではそれらをイースト・ロンドンにある、トゥルーマン・ブルワリーの中にあるテート・ワード(Tate Ward)のオークションに送っているようだ。

これらの取引は恐らくカジュアルにワインを購入したい向きの興味も引くだろう(オークションでワインを購入するコツも参照のこと)。中でもアバーガベニーにあるストレーカー・チャドウィック(Straker Chadwick)が有名だ。ロットによっては20ポンド(最近では2006のカバなど)から購入できる。引退した弁護士でワイン収集家、パープル・ページ会員でもあるアンドリュー・マシューはノリッジに拠点を置いているが、数年前に彼、というよりは彼の妻が過剰だと判断した60ケースものワインを売る際にこれを使ったそうだ。

「彼らにはワインの来歴の詳細なリストとセラーの写真、内部の気温変動について報告しました。彼らは優秀ですよ。輸送料はこちらが負担するので回収に40ポンド+税金がかかりました。私が売りたいと思っていたワインは全て買い取ってくれましたし、リストには『イギリス東部の個人所有のセラー』とだけ記載されています。私の名前が書いてあるラベルは全てはがしてくれたし、見積もりも送ってきました。オークションはその場にいる人だけではなく電話での入札も可能です。支払いも早かったですよ。妻は大喜びでした。彼女は新しい車を買えたし、子供部屋のカーペットも新調して、デンマークへ家族旅行にも行きましたから。」

ビッドフォーワイン(BidforWine.co.uk)でも10%以下の手数料でワインを売却してくれる。もちろん、イーベイ(eBay)でも驚くほど幅広いワインを扱うが、それに加えて、おそらくは偽造者が好むであろう空瓶まで販売している。

ジャンシスロビンソンドットコムのメンバー・フォーラムでワインを売却した経験を尋ねてみると、ステレンボッシュのデイヴィッド・バンフォードがこんな提案をした。「熟成したワインをリストに加えたがっているレストランと取引するんです。将来それがいい値段で顧客に売れた時に使えるレストランでの食事券と引き換えにね。」

それが可能になることを期待したいものだ。


アメリカでのワイン売却の現状

ハート・デイヴィス・ハート(Hart Davis Hart)やクリスティーズ、サザビーズ、ザッキーズなどのオークション・ハウスは最も価値のある経歴を持ったワインの取引に精通しているが、彼らはそのワインがどこから来て、どのような状態で保管されていたのか非常に事細かに照会する。

少量のワインやそれほど有名ではないワインの取引にはWinebid.comやVinfolio.com などが候補となるだろう。

ニューヨークではいくつかのレストランは個人のワイン収集家のワインの委託販売や完全買い取りなどを行い、ワインの品ぞろえに関する名声を得ているものもある。同様に、ワイン商の中にはイタリアン・ワイン・マーチャント(Italian Wine Merchants )やチャンバーズ・ストリート・ワインズ(Chambers Street Wines)など、個人収集家からの買い取りを行っているものもある。

Chai Consulting やGrand Cru Wine Consultingなどのセラー管理のコンサルタント会社もある。'wine cellar management'で検索するといいだろう。

原文

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