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お薦めのリッチなシャルドネ

Saturday 2 August 2025 • 1 分で読めます
David Ramey

この記事はAIによる翻訳を日本語話者によって検証・編集したものです。(監修:小原陽子)

 

バターのようなムルソーが恋しい?そんなあなたにこの記事はもってこいだ。この記事のショート・バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。上の写真は「シャルドネ教授」として知られるカリフォルニアのデイヴ・レイミー(Dave Ramey)(© Ramey Wine Cellars)。

数週間前に公開した記事、Chardonnay – from buttery to steelyでは近年世界で最も人気の白ワイン用ブドウ、シャルドネに見られる劇的な「軽量化」について書いた。フィナンシャル・タイムズ.comのコメント欄には記録的な数の投稿が寄せられ、その多くは昔のリッチなスタイルのシャルドネを懐かしみ、お薦めを求めるものだった。

この結果を受け、フィナンシャル・タイムズ誌から夏休みをもらう直前のコラムとして、私とJancisRobinson.comの同僚から具体的なお薦めを提案することにした。

現在多くのワイン産地では線の細い華奢なシャルドネが主流で、リッチなスタイルは少数派だ。そのため(訳注:産地の特性の)一般化は難しいのだが、現在主流となっているスタイルが酸っぱすぎると感じる人にはまず、カリフォルニアに目を向けることを提案したい。ただし冷涼なソノマ・コースト(世界のワイン図鑑this World Atlas of Wine mapの地図参照)、サンタ・リタ・ヒルズやサンタ・マリア・ヴァレーなどサンタ・バーバラ・カウンティの中でも最も冷涼なアペレーションは避けるべきだ。一方でカリフォルニア州の中でも温暖な地域のシャルドネはその多くが好みのスタイルに当てはまるだろう。ロシアン・リヴァー・ヴァレー、アレクサンダー・ヴァレー、ソノマ・ヴァレーの大部分、ナパ・ヴァレー、そしてかつては比較的冷涼と考えられていたサンフランシスコ湾の北に位置するカーネロスも、現在は地球温暖化のおかげで候補となるはずだ。

ロンドンのフォートナム・アンド・メイソンのワイン・バイヤーを務めるエドウィナ・ワトソン(Edwina Watson)にリッチなシャルドネを推薦してもらったところ、彼女は即座にヴァーナー(Varner)のフォックスグローブ(Foxglove)2019セントラル・コーストを挙げた。これはカリフォルニアのシャルドネとしては珍しく、イギリスでも広く安価に入手できる。香りはトースティで親しみやすく口中にはふくよかな果実味が広がる。それでいて6年経ったワインとは思えないほど驚くほどのフレッシュさも維持しているワインだ。

ジョーイ・テンスレー(Joey Tensley)のファンダメンタル・シリーズも「あらゆるレベルで期待を上回る」よう設計されている。サンタ・バーバラ産のブドウのみ、おそらく郡の中でも温暖な、今の流行からは外れた地域のブドウを使っていると思われる2021シャルドネは非常にコストパフォーマンスが高く、2022よりも満足度が高い。

ソノマのレイミーでは、さまざまな産地のブドウを活用し、はるかに洗練されたシャルドネを造っている。ロキオリ・ヴィンヤード(Rochioli Vineyard)とウールジー・ロード(Woolsey Road)のワインはいずれもロシアン・リヴァー・ヴァレーの温暖な地域のブドウから造られており、かつてのバタリーなムルソーを思わせるワインを求める向きには格別の楽しみをもたらしてくれるはずだ。ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッドでは、熟成したヴィンテージがケース単位かつ保税価格で入手可能だ。また、ロシアン・リヴァー・ヴァレーの現行ヴィンテージである2022なら1本単位でお手頃に入手できる。

同僚のマスター・オブ・ワイン、アンディ・ハワード(Andy Howard)のお薦めはダックホーンの2023ナパ・シャルドネだという。今や大企業となったダックホーンなら2022も2023もマジェスティック(Majestic)の多くの店舗で入手可能ということも念頭に置きたい。

私がテイスティングするたびにリッチでゴージャスだと思わずにいられないナパのシャルドネと言えば、コングスガードのものだ。2021と2022は少量ではあるがイギリス国内ならロバーソン(Roberson)から入手可能だ。ただし決して安くはない。最近は私のアメリカ在住の同僚、サマンサ・コール・ジョンソンがそれらをテイスティングする機会を享受している。

もう一人の同僚、マスター・オブ・ワインのジュリア・ハーディングは、西オーストラリアのマーガレット・リヴァーで多くのリッチなシャルドネが生産されていることを指摘する。「自然と酸が高くバランスが取れるので、フレッシュさを求めるために痩せすぎたスタイルにする必要がない」からだ。最近開催された「樽香が強く若いワイン」のテイスティングで、彼女のお気に入りはバイオダイナミックで知られるカレンのケヴィン・ジョン(Kevin John)2023と、クラシックなルーウィン・エステートのアート・シリーズ2020だったそうだ。私自身もオーストラリアで最も称賛されるこのヴィンテージのシャルドネを十分に楽しんでいる。

ヴァス・フェリックスは非常に信頼できるマーガレット・リヴァーの生産者だ。私の同僚ベン・コルヴィル(Ben Colvill)が特にお薦めするのが彼らの特別なキュヴェ、ヘイツベリー・シャルドネで、十分なリッチさを期待できる。

私は長年ニュージーランドのシャルドネを支持してきた。常に程よい酸味があり、味わいが生き生きとしているからだ。ネルソンは南島の北西部にある見過ごされがちなワイン産地だが、ノイドルフ(Neudorf)のシャルドネは常に喜びを与えてくれる。クメウ・リヴァー(Kumeu River)の卓越した単一畑のシャルドネのうち、コディントン・ヴィンヤードのものは常に最もリッチなスタイルだが、コストパフォーマンスという点ではエステートものの方が優れている。

オークランドのクメウ郊外で都市開発が進むにつれ、クメウ・リヴァーのブライコヴィッチ家は他にブドウの供給源を探す必要があると感じ始めたという。そして彼らが北島東海岸のホークス・ベイに目を向けたことには大きな意義があるだろう。彼らは今、レイズ・ロード・ヴィンヤードの確立に精力的に取り組んでいる。

ホークス・ベイは長きにわたり十分に熟したシャルドネが育つ産地と認識されてきた。私は最近選りすぐられた12本の2023ヴィンテージのワインをテイスティングする機会があり感銘を受けたのだが(それらの味わいはまるでサイクロン「ガブリエル」の到来前に収穫されたかのようだった)、今のところニュージーランド国外で入手できるものはない。お薦めできるとしたらトリニティ・ヒル(Trinity Hill)の125で、口いっぱいに豊かに広がる2021はイギリスの小売業者でも取り扱っている。

リッチなスタイルのシャルドネを造るには、基本的にある程度の日照が必要だ。アルゼンチンのアンデス山脈の麓には(訳注:空気)汚染とは縁のない太陽が燦燦と降り注ぎ、注目すべきワインもいくつかあるのだが、決してそれらに限定する必要はない。アルゼンチンで広く使われているシャルドネのクローンは、非常に優れた力強いカリフォルニアのシャルドネに通ずる魅力を持つワインをはるかに低価格で生み出すからだ。カテナ・アルタ・シャルドネなら間違いない(カテナ・シャルドネのレンジより確実に上質なレンジだ)し、ジュリア・ハーディングMWは特にズッカルディのポリゴノス(Polígonos)2021に感銘を受けていた。

南アフリカ最高のシャルドネは、ニュージーランド同様、基本的には明確なフレッシュさを備えたものだが、その中でリッチなスタイルなのは、ハミルトン・ラッセルの2023とニール・エリスの2022ホワイトホールだろう。

南ヨーロッパはシャルドネで有名というわけではないが、昔ながらのムルソーの豊潤さとニュアンスを感じさせてくれる点で間違いないワインと言えば、キャンティ・クラシコにあるクエルチャベッラ(Querciabella)のバタール(Batàr)だ。決して安くはないし、ピノ・ブランを多く含んでいるものの、その満足度は一貫して非常に高い。

先日、カタルーニャの有力なワイン生産者ファミリア・トーレスのポートフォリオからいくつかのシャルドネをテイスティングする機会があった。2023ヴィニャ・ジジ(Vinya Gigi)は比較的リッチなスタイルで、一連のお薦めに加えるべき候補になると感じた。これは1967年にビバリーヒルズのレストラン経営者ジャン・レオン(Jean León)が植えた畑のブドウで造られたものだが、当時スペインでシャルドネは非常に珍しかったはずだ。イギリスの取扱店は見つけられなかったが、ヨーロッパでは20ユーロ程度の安さで広く入手できるようだ。ジャン・レオンのウェブサイトに記された彼の並外れた経歴を見れば、その畑が生み出したワインの価格としては安すぎる。参考までに彼の数多くのエピソードの1つを紹介すると、彼はマリリン・モンローのために特別なパスタを考案し、マリリン・モンロー最期の夜、彼女とロバート・ケネディのもとに届けたのも彼自身だったという。

ワイン愛好家の皆さんは、まさか私がイギリスのワイン生産者からリッチなシャルドネの候補を提案するとは思っていないだろう。ところがその「まさか」である。高品質なイギリスのスティル・ワインの先駆者、エセックスにあるダンベリー・リッジ(Danbury Ridge)は、2018年のデビュー・ヴィンテージ以来一貫して非常にリッチなシャルドネを生産している。あまりにリッチなスタイルだから、最高の状態を引き出すには瓶内で長く熟成させなくてはならない。厚みのある2022もすでにリリースされているのだが、今飲むのに最適なヴィンテージは2021だろう。

もちろん、シャルドネを探す最も自明な場所と言えばブルゴーニュだ。しかし現在コート・ドールのほとんどのワインは「減量薬」を服用しているかのように軽くなっているため、コート・ドールの南、特に、より温暖なマコネに目を向けるのが得策だろう。サン・ヴェラン、ヴィレ・クレッセ、そして名前にマコンやプイィという言葉が含まれるアペラシオンのシャルドネなら、掘り出し物も多いはずだ(ただしロワールのプイィ・フュメは別物)。これらの白ワインがコート・ドールに匹敵するような風味や骨格を持ち合わせることは稀だが、ふくよかで陽の光を感じさせる豊かな味わいは楽しめる。

データベースで私自身のテイスティング・ノートのうち「リッチ」という言葉が含まれるマコネのシャルドネを検索したところ、2つの名前が繰り返し現れた。1つは風変わりで非常に几帳面なジャン・マリー・ギュフェンス(Jean-Marie Guffens)のネゴシアン事業、ヴェルジェ(Verget)で、そのワインはコート・ドールの同等品よりはるかに長く熟成に耐える。もう1つは(ヴェルジェでインターンをしていた)ブレ兄弟によるバイオダイナミックのラ・スフランディエール(La Soufrandière)だ。ヴェルジェのワインはイギリスでファー・ヴィントナーズ(Farr Vintners)が保税価格1ダース150ポンドから販売しており、ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッドはラ・スフランディエール、それに紐づけてブレ兄弟の手掛けるプロジェクトのワインも輸入している。これらはすべてリッチさとフレッシュさの両方を兼ね備えたワインだ。

今年の6月、私は幸運にもニュイ・サン・ジョルジュにあるフェヴレ家の200周年記念祝賀会に参加することができた。彼らの2015コルトン・シャルルマーニュを「完璧な理想」とメモしたのだが、ワイン・サーチャー(Wine-Searcher)を見ると、1本を確保するにはパリのエルドラド・コンサルティム(Eldorado Consultim)に228ユーロも支払う必要があるようだ。

 

今買うべきリッチなシャルドネ

Florent Rouve, Vieilles Vignes 2023 Viré-Clessé 13.5%
£18 Marks & Spencer

Varner, Foxglove Chardonnay 2019 Central Coast 14%
£21 Uncorked and many more

Joey Tensley, Fundamental Chardonnay 2021 Central Coast 13.5%
£22.74 Four Walls Wine Company, £23 Woodwinters

Kumeu River, Estate Chardonnay 2022 Kumeu 13%
£24.50 Drinks Direct and many more

Zuccardi, Polígonos San Pablo Chardonnay 2021 Uco Valley 13%
£24.65 The Oxford Wine Co

Catena Alta, Historic Rows Chardonnay 2022 Mendoza 13%
£29 for a single bottle Majestic

Neil Ellis, Whitehall Chardonnay 2022 Elgin 12.5%
£30 Averys Wine Merchants

Hamilton Russell Chardonnay 2023 Hemel-en-Aarde Valley 13.2%
£32.95 Divine Fine Wines

La Soufrandière, La Combe Desroches 2023 St-Véran 13%
£33 Berry Bros & Rudd

Kumeu River, Coddington Chardonnay 2022 Kumeu 13.5%
£35.90 One More Wine Shop and many more

Danbury Ridge Chardonnay 2022 England 13.5%
£37.99 Cambridge Wine Merchants

Neudorf, Rosie’s Block Amphora Chardonnay 2023 Nelson 13.5%
£233.78 per case of 6 Great Wines Direct

Duckhorn Chardonnay 2022 and 2023 Napa Valley 14.1%
£46 for a single bottle Majestic

Trinity Hill, Gimblett Gravels 125 Chardonnay 2021 Hawke’s Bay 14%
£298.95 per case of 6 The Fine Wine Company

Vasse Felix, Heytesbury Chardonnay 2022 Margaret River 13%
£56 The Wine Society

Ramey Chardonnay 2022 Russian River Valley 13.5%
£63 Berry Bros & Rudd

Leeuwin Estate, Art Series Chardonnay 2020 Margaret River 13.5%
£74.75 One More Wine Shop

Querciabella, Batàr 2022 IGT Toscana 14%
£97.90 Hedonism

Ramey, Woolsey Road Chardonnay 2022 Russian River Valley 14.5%
£318 per case of 6 in bond Uncorked

Cullen, Kevin John Chardonnay 2023 Margaret River 13.5%
£108 VINVM

Kongsgaard Chardonnay 2021 Napa Valley 14%
£169 Roberson Wine


テイスティング・ノート、スコア、おすすめの飲み頃についてはデータベースを参照のこと。各国の取扱店については Wine-Searcher.comを参照のこと。

 

基本の復習

リッチなシャルドネを生み出す要素とは?

事実上、上質でふくよかなシャルドネのほぼすべてはオークで熟成されているが、必ずしもオークの風味がするわけではない点には注意が必要だ。ワインは風味の凝縮感が非常に高く、一般的に完熟したブドウが使われていることを意味する。すなわち比較的温暖で日照豊かな場所で栽培された可能性が高いということだ。そのためアルコール度数が13%未満のリッチなシャルドネは非常に稀で、中には14.5%ほどということもある。

これらのワインは、時に「シャブリ・スタイル」と表現される、通常酸が比較的高くオークの香りのしないものとは対極だ。シャブリのようなワインは「ミネラル感がある」などと表現されることがあるが、リッチなシャルドネは多くの場合果実味が明白に感じられる。だからと言ってリッチなシャルドネに分析的な(訳注:糖分という意味での)甘味があるわけではなく、酸が比較的低いためリッチな印象を与えているだけだ。

ただし酸が低すぎると(暑い気候では起こりがちだ)、ワインはフレッシュさに欠けたものになる。フレッシュさはあらゆるワインにとって最も重要な要素だ。ワイン用語では、フレッシュさに欠けるワインをflabby(訳注:「ゆるい」「締まりがない」などの意)と表現する。温暖な地域の生産者はそれを避けるため、ブドウが完熟する前、酸が比較的高いうちに収穫することもあるが、その場合には風味成分の発達が不十分となる。すなわち結果として味気なく、満足感の低いワインになってしまうことを意味する。(現在、イギリス向けのワインにこの手法を用いることが増えてきたが、それには別の理由がある。イギリスではアルコール含有量に応じて税率が異なるためだ。すなわち一部のブランドのアルコール度数が現在明確に低下している理由は、消費者の健康に対する配慮ではないということだ。)

 

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