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軽やかなヴィンテージへの賛辞

2019年1月24日 木曜日 • 5 分で読めます
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この記事のショート・バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。

熟成ポテンシャルのあるワインと、今飲んでおいしいワイン、どちらが良いのだろうか。

ワインやヴィンテージに点数をつけるような(真偽のほどは怪しい)訓練をする際、解説者は基本的に凝縮感が高くタンニンの強いワインを軽くて柔らかいものより上位に持ってくる。そのため、例えばボルドーやブルゴーニュのようなクラシックな赤について2008は2007よりも間違いなく「優れた」ヴィンテージだと広く認識されている。なぜなら2008の方が多くの味わいが詰まっており、比較的タンニン含量も高く、現在十分に楽しめる親しみやすい2007よりも長く保存が可能だからだ。

私は来月初めに開催されるボルドー2008のテイスティングを楽しみにしている。なぜならちょうどそれらのワインが10年目を迎えるということは伝統的に上質なボルドーの赤ワインが飲み頃に入ることを意味するからだ。一方で私は遥かに柔軟な2007を提供するホストの立場もここ4,5年の間楽しんできた。そしてその経験から高いタンニン(ブドウの果皮から抽出されたフェノール系の保存料)が必ずしもワインの品質の指標にはならないことも悟った。

(冷たい紅茶のように頬の内側が収縮する)タンニンを多く含むワインに熟成させる価値があるのはタンニンを支える十分な(時間とともに失われてしまう)果実味がある場合だけだ。多くのヴィンテージで(私が特に思い浮かべているのは1988だが)タンニンは果実味を凌駕し、何年もセラーで熟成された後にそのワインが飲み手に与えるのは若々しい果実がとっくに消え、その座が心地悪いほど支配的な酸にすっかり奪われてしまった後に残る頑強なタンニンの痕跡だけだ。

赤のボルドーは自然に赤のブルゴーニュよりタンニンが高くなる(カベルネとメルロという品種は一般的にピノ・ノワールよりも果皮が厚い)ため、若いうちは特にタンニンの強いボルドーに関して私はそれほど警戒していない。対照的に、赤のブルゴーニュの魅力はその香りと果実の純粋さだと考えている。ほんの一握りのワインだけがボルドーの最高品質の赤ワイン同様の熟成が可能であり、大量のタンニンがゆっくりとワイン中の他の物質と結合し遥かに複雑でこの上なく偉大なブルゴーニュを生み出す。そしてそのようなワインはとても払えないほど高く、成層圏級の価格がついている。

だが近年のブルゴーニュの過剰な価格上昇のはるか以前から私は常に「チャーミング」とされ、多くは軽くあしらわれてきたヴィンテージのコートドールが大好きだった。私は直後のヴィンテージの陰に隠れてしまった、だがそれらよりもはるかに早く喜びをもたらしてくれる1982や1992の赤のブルゴーニュのつつましやかなファンだ。よりタンニンの強いヴィンテージのブルゴーニュを考えてみると(美しく熟成した1993を非難する意図は全くないが)、確かに素晴らしく偉大なワインを手に入れることができるだろう。だが一般的にそれらを購入できるのはせいぜい2年目ぐらいにリリースされるときだろう。そしてそのあと、完璧なセラーを所有する幸運な人でない限り何年もの間その保管料を支払わなくてはならない。ところが、柔らかなヴィンテージであれば若いうちに楽しむことができ、プロの保管庫に送ることすら必要ないかもしれないのだ。

我々は若いうちにしっかりとタンニンが詰まったヴィンテージでなければうまく熟成はしないと考えがちだが、先日私はこれが必ずしも真実ではないと納得するに足る証拠を体験した。

ブルゴーニュ専門家でマスター・オブ・ワインでもあるサラ・マーシュは熟成したブルゴーニュの水平テイスティングを彼女のいうところの「自分たちの最高級のワインが自宅やレストランであっという間に消費されてしまうことに不満を募らせている」コートドールの生産者たちの強い勧めで続けている。彼女は例年開催する合計37本に及ぶ様々な価格帯の熟成したブルゴーニュ赤の調査を2000および2001のヴィンテージから始めることにした。生産者たちが我々コメンテータ、ソムリエ、そしてロンドンのブルゴーニュ専門ワイン商であるグッドハウス(Goedhuis)によるテイスティングのために選んだワインは主にプルミエクリュだが、中にはグランクリュもあり、より多くの人に上質なブルゴーニュを熟成させてから楽しんでほしいと願うものだった。サラは上の写真の人物だ。

2000ヴィンテージは当初白ワインのヴィンテージとされており、それは収穫が多すぎたためであるとも疑われているのだが、その詳細を改めてJancisRobinson.com 検索してみると私は常に赤、特に(それに限定しているわけではないが)9月中旬の大雨を免れたコート・ド・ニュイのものが好きだと書いていた。

その翌年にあたる2001については腐敗果が多く見られ、選果題が初めて必要不可欠となった年でもあった。また雨(そしてヴォルネイでは雹)の影響と、それほど上級でない畑では未熟さが目立った年で、多くの場合タンニンが十分熟すに至らなかったことを理由にこれまで常に難しい年と表現されてきた。

1月の最終日に我々がテイスティングした2001ヴィンテージの22本の赤のうち、10本がブルゴーニュの最高峰であるグランクリュだったが、それ以外のワインのほとんどがグランクリュより一段低いプルミエクリュだった。これほどの時間を瓶の中で過ごしても、頑強なタンニンは実質的にすべての2001にまだ健在だった。最高の例では果実味がそのタンニンに勝るほど十分に残っていたが、中には1本150ポンドを超えるブルゴーニュにあってしかるべき持続性や輝かしい余韻に欠けるものもあった。

2000ヴィンテージの15本の赤はそれよりも優しく、全体的に楽しく味わえるものだった。他のコメンテータ同様、私は2000年のワインがこれほど長く持つとは想定していなかった。確かに2000の中には果実が酸に負け始めているものもあったが(そして2001の中には酸が高すぎ、タンニンも目立ってしまっているものもあった)、本当に質の高いものもあり、JFミュニエ(J F Mugnier)のシャンボール・ミュジニー・レザムルーズはまだまだ純粋に楽しめた。(彼は現代のワイン収集家の気が短いことを認識し、自分のワインが若いうちに楽しめるよう特に気を配って作っている生産者だ)。

ここで述べておくべきこととしては、このテイスティングのために寄付された(珍しいもののため予備がない)37本のワインのうち2本はブショネのために廃棄せざるを得なかった点だ。その後テイスティングについてコメントしながらサラはこの比率を「悪くない」と好意的に受け止めていた。だがもし1本150ポンド以上支払った2000や2001のブルゴーニュ赤のプルミエクリュやグランクリュにこの割合が当てはまるとしたら、私なら腹が立つだろう。

このテイスティングが証明したのはそう、上質なブルゴーニュは(2000のように「柔らかく」「早熟な」ヴィンテージのものだったとしても)熟成させる価値があるということだ。だがもし彼らがどのタイミングでも喜びをもたらしてくれるとしたら、それに勝ることはない。


優れた2000 および2001のブルゴーニュ赤
以下のワインは20点満点中18点以上をつけたワインで、テイスティングした22本の2001の22%、15本の2000の27%を占めていた。(両方のヴィンテージがそろっていたワインが少なかった点も付け加えておきたい)。これらのワインについてはテイスティング・ノートを、世界の取扱業者についてはwine-searcher.comを参照のこと。


プルミエクリュ
2001 and 2000 Comte Armand, Pommard, Clos des Epeneaux
2001 and 2000 J-F Mugnier, Chambolle-Musigny, Les Amoureuses
2001 Humbert Frères, Gevrey-Chambertin, Petite Chapelle
2000 Bouchard Père et Fils Beaune, Grèves Vignes de L'Enfant Jesus

グランクリュ
2001 Dujac, Clos St-Denis
2001 Rossignol-Trapet, Latricières-Chambertin
2000 Armand Rousseau, Clos de la Roche

(原文)

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