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ローヌ 2014はヴィオニエの年

2016年1月2日 土曜日 • 5 分で読めます
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この記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。全ての記事やレビューへのリンクは「Rhône 2014 - a guide」を参照してほしい。

若きステファン・オジェ(Stéphane Ogier)は、この上なく急峻なコート・ロティの畑が見下ろすアンピュイのすぐ南に新しく出来上がった光輝くワイナリーを見渡していた。彼のタンク、樽、ボトルに入っているものはそのコート・ロティから生み出される。ボーヌで修業を積み、南アフリカにも精通する彼はけして視野の狭い田舎農夫ではない。

実質的にほぼ全てのフランスのヴィニュロンがそうするように、彼も輝かしい2015の品質について語りたがったのだが、その前に売らなくてはならない比較的大量の2014という課題があった。「2014の結果にはとても満足しているんです。最高のヴィンテージと呼ぶには程遠いとしてもね。2010や2013のようにはいかなかったけど、取るに足らないヴィンテージというわけではありませんでした。香り高く、優しくて飲みやすいですよ。かなり若いうちに飲んでも心地いいですから。8月の中ごろには収穫なんてできないと思っていたぐらいなんですけどね。」

生育期の開始は非常に早く、ローヌの栽培者たちは当初、収穫は8月になるのではと考えていた。ところがその後これまでになく雨が多い冷夏が訪れた。これは2013から2014年にかけての穏やかな冬に勢いを得たであろう厄介で新たな脅威、オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii 和訳)の蔓延という意味で最悪の環境となった。一般的なハエやミバエは昨年夏と秋に目立った厄介者だが、チェリー・ヴィネガー・フライ(cherry vinegar fly)とも呼ばれるこの特別な種は、ブドウの皮に穴を開けその中に見えないように卵を産み付け、大規模に発生したうどん粉病に追い打ちをかける形で大損害をもたらしたのである。

アンピュイの上にそびえる高原に拠点を置くジャン・ポール・ジャメ(Jean-Paul Jamet)は難しいヴィンテージが大好きだと豪語するが、その彼でさえも2014は通常の2.5倍もの作業を、特に選果に求められるという苦難にさらされた。彼にとって2014の赤は「この上なく魅力的」だそうだが、早熟なヴィンテージである点は認めている。有力な家族経営のローヌのネゴシアンの御曹司でおそらく誰よりも多くのサンプルを試飲しているフィリップ・ギガルに言わせると2014の赤ワインの品質は制限した収量と収穫のタイミングに依存するそうで、「収穫の遅かった方が品質はよい」らしい。

9月の早い時期の好天が助けとなり1週間でアルコール度数は1.5%上がったものの160mmという恐ろしい量の雨(最近カーライルで降った半分だがそれでも記録的な量だ)が9月18日からの3日間、収穫の真っただ中だったタン・レルミタージュに降り注いだ(ギガルによるとアンピュイでははるかに少なかったそうだが、何しろ彼は自身の街より他の街がはるかに悪かったといつも言うのだ)。ブドウを乾かしてくれる風もなかったため、この地域の多くのワインを生産する組合、カーヴ・ド・タンはそれを補う新しく高度な醸造設備を導入した甲斐があったようだ。

私は北部ローヌの2014はテイスティングした限りは好感が持てたが、やや柔らかくほとんどがミディアム・ボディだった。私なら2015のために資金を取っておくと思う。

ところが北部ローヌの白となると話は全く異なる。ほぼすべての収穫は雨の前に完了しており、冷涼な夏のお蔭で非常によいレベルの酸が残りつつ、9月初旬の好天が成熟をもたらした。赤ワイン生産者をあれほど不安に陥れたヴィネガー・フライは北部ローヌの白ワインに用いられるヴィオニエ、マルサンヌ・ルーサンヌのような色の薄いブドウには興味がない。2014年、多くのコンドリューと現在はポヤックのシャトー・ラトゥール所有である単一畑のアペラシオン、シャトー・グリエはヴィオニエが最高峰だと位置づける。エルミタージュの白、クローズ・エルミタージュ、サンジョセフ、サン・ペレイもまた、様々な組み合わせのマルサンヌとルーサンヌからなる。

私は2014のブラインド・テスイティングを北部ローヌのワインの白に集中して行ったが、非常に感銘を受けた。平均的な品質という意味で革命的な進化を遂げたアペラシオンはサン・ペレイであり、あわただしいヴァレンスの街のローヌ川対岸に位置する。かつてこのアペラシオンはやや退屈なスパークリングで有名だったのだが、ベルナール・グリパ(Bernard Gripa)やアラン・ヴォージュ(Alain Voge)のような作り手のお蔭でサン・ペレイは今やフランスで作られる白ワインのうち最も面白いものの産地となった。私は特にアラン・ヴォージュの傑出したフルール・ド・クリュソル(Fleur de Crussol)の大ファンだ。これは花崗岩に育つ樹齢70年のマルサンヌから生まれ、新樽で熟成され、年々大胆になっているように思える。珍しいことに私の付けるスコアは安定しており、2005以来毎年20点満点で17点をつけ、2013は17.5点、輝かしくも劇的なフルボディとなった2014には究極までに熱烈な18点を付けた。

だがイヴ・キュイユロン(Yves Cuilleron)のレ・セール(Les Cerfs)2014サン・ペレイとフランソワ・ヴィラール(François Villard)のヴェーション・ロング(Version Longue)もまた壮麗だ。コート・ロティおよびコンドリューから川の対岸にあるセイシュエルを中心とした型破りな集団、ヴァン・ド・ヴィエンヌの一員であるこの二人がサン・ペレイでワインを作り始めたのは比較的最近にも関わらず、である。花崗岩がこれらのワインに素晴らしい張りを与えているのかもしれない。

しかも、この二人の生産者(キュイユロンとヴィラール)は私のお気に入りとなった2014クローズ・エルミタージュのそれぞれレ・ルス(Les Rousses)およびクール・ド・ルクレ(Cour de Récré)を作っていることもわかった。さらに、特に素晴らしい白、2014のサンジョセフ、サンピエール(St-Pierre)とフリュイ・ダヴィルラン(Fruit d'Avilleran)もまた、それぞれ彼らが作っているのだ。キュイユロンのサンピエールは全て花崗岩で育ったルーサンヌだ。私なりのブラインドで広大なサンジョセフの白、2014を23種テイスティングしてわかったのは、より小規模であるサブ・アペラシオンのものはサンジョセフの赤同様過熟しすぎているようだ。

エルミタージュ・ブランはフランスの偉大な宝の一つであり、世界で最も長期熟成が期待できる辛口の白ワインである。2014は最高のヴィンテージではなく、非常にバラつきが大きい。その中で他に素晴らしい例もいくつかはあるが、おそらくコンドリューが北部ローヌの2014で最も面白いアペラシオンだろう。最高の物は芳しい花の香りにあふれ、果実の凝縮感が素晴らしく、かつ凛とした味わいだ。リラックのドメーヌ・ド・ラ・モルドレ(Domaine de la Mordorée)同様、南ローヌ、ジゴンダスのサン・コム(St-Cosme)もはるか北にあるコンドリューまで進出し、なかなかの成功を収めている。ヴィラールとキュイユロンはそのホーム・グラウンドであるこの地でも成功を収めているが、同様の成功は下記に挙げた全て、すなわち20点満点で17点以上がついた総計20本ものワインにももたらされた。エルミタージュは12本、クローズ・エルミタージュ・ブランが5本、サンジョセフ・ブランは3本、サン・ペレイが4本だったことと比べればその多さがわかるだろう。

ともするとコンドリューは価格が高すぎ凝縮感にも欠けることもあるが、2014は1本当たり24ポンドから40ポンドと、心踊る価格となっている。

これらのワインの詳細なテイスティング・ノートについては「northern Rhône 2014s」のレビューを参照するか、テイスティング・ノートのデータベースを検索してほしい。取扱業者の情報はwine-searcher.comか、検索結果の個々のワイン名をクリックすることで見つけられる。

お勧めの 2014 コンドリュー

Louis Bernard, Grande Réserve
Aurélien Chatagnier
Yves Cuilleron, Vertige
Dauvergne Ranvier, Vin Rare
Maison Denuzière, Cuvée Aphrodite
Guy Farge, Grain d'Émotion
Lionel Faury, La Berne
Ch Grillet
Guigal, La Doriane
Domaine de la Mordorée, La Reine des Bois
Rémi Niéro, Héritage
Nicolas Perrin
Pichon, Caresse
Eric Rocher, La Coste
St-Cosme
Tardieu Laurent, Vieilles Vignes
Vallet, Rouelle-Midi
Georges Vernay, Terrasses de l'Empire
Vidal Fleury
François Villard, Grand Vallon

原文

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