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グルナッシュの未来への道?

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これはフィナンシャル・タイムズに掲載した記事のやや長いバージョンである。数多くのローヌ2014をカバーしたこの記事も参照してほしい。

ブドウ品種にも流行り廃りはある。カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネは20年前には栄華を極めていたが、今は鳴りを潜めてしまった。一方、私はついにグルナッシュの時代が来る予感がしている。その本拠地である南部ローヌの人々に、私は新たな展開をしているスペイン、オーストラリア、南アフリカからこの赤ワイン用品種の新しいスタイルについて学ぶことを提案したい。

彼らのようなよそ者が南ローヌでのグルナッシュのリハビリに(ゆっくりとではあるが)大きな役割を果たしているからだ。2010年のこの上なく暑い週末にかの地で開かれたグルナッシュ・シンポジウムは言うまでもなく現在の流れの発端となったが、これはドメーヌ・シェーヌ・ブルー(Chêne Bleu)を所有するロンドン証券取引所トップの妻ニコラ・シエラ・ロレ(Nicole Sierra- Rolet)とドメーヌ・ド・ムルション(Mourchon)を所有するスコット・ウォルター・マッキンレー(写真はシンポジウムのもの;Scot Walter McKinlay)の企画の賜物と言える。

グルナッシュはガルナッチャという名でスペインでは長きにわたり最も多く栽培されてきた品種だが、スペインのワインメーカーからはイベリア半島全土で栽培され、より骨格のあるワインを生み出す人気者のテンプラニーリョと比べて明らかに劣る品種とみなされてきた。だが最近スペインでガルナッチャを広めようとする団体が3つ以上生まれているのはフェラン・センテイェス(Ferran Centelles)が「Garnacha - now the height of fashion」で述べた通りだ。彼らはおそらくスペインの謙虚な地域、例えばカラタユド、カンポ・デ・ボルハ、カリニェナ、ウティエル・レクエナなどで作られるありがたくも低い価格のつけられた凝縮感のある赤や、飛ぶ鳥を落とす勢いで高価格がつくようになったプリオラトでガルナッチャの果たす役割に刺激を受けたのだろう。

スペインでワクワクするほど新しいスタイルのワインがガルナッチャの古樹から生み出されているのはマドリード南西部にあるグレドス山脈の花崗岩とシスト土壌だ。ダニ・ランディ(Dani Landi)はヒメネス・ランディ(Jiménez-Landi)のラベルで独創的なワインを作っていたが、現在は独立した生産者であり、世界のグルナッシュ主体のワインの中で最も有名かつパワフルで凝縮された力強いシャトーヌフのローヌの赤とは似ても似つかない、素晴らしく生き生きとしたグレドスの赤ワインを生み出す最も卓越し、不動の地位を得た主導者だ。だがダニ・ランディのような生産者はけして一つではなく、今やそのようなワインの選択肢は幅広い。我々にとって唯一の問題はアペラシオンを名乗る必要のない彼らを認識する方法である。ヒメネス・ランディはメントリーダDOを名乗っているものの、ベルナベレバ(Bernabeleva)やマラニョネス(Marañones)はただのヴィノス・デ・マドリーとして売られているからだ。

スペインで長いことガルナッチャ主体だった産地ははるか北部にあるナヴァラで、収量が高く、やや退屈なロゼを主に生産してきた。しかし、ここでもガルナッチャを見直す動きが出てきており、ナヴァラにある樹齢100年に近いガルナッチャの古木からサンタクルス・デ・アルタスの名で素晴らしいワインを生み出すリオハの生産者アルタディ(Artadi)や、大西洋からの冷却効果を生かして非常に表現力豊かなガルナッチャを作る新進気鋭の生産者、ドメーヌ・ルピエ(Domaines Lupier)などが出てきて、ガルナッチャが再評価されようとしている。リオハでもガルナッチャを真剣に検討する生産者が増えている。

これらのワインに共通するのは非常に希少なブドウの古樹から作られている点だ。事実、世界的な古樹に占めるガルナッチャおよびグルナッシュの割合は非常に高い。カベルネ・ソーヴィニヨンやソーヴィニヨン・ブランと対照的に、ガルナッチャはユーティパ・ダイバックやエスカ(原文 訳文)のように世界中でブドウの樹を枯死に追い込み、その対策を講じるための国際会議が定期的に(そして解決策の見いだせないままに)開催されている幹の感染症(原文 訳文)に非常に強い。

興味を引くワインを作るためにはガルナッチャ(グルナッシュ)はしっかりと熟す必要があるが、成熟の遅い品種で、水の供給が少なくても生き残れる性質も手伝って、比較的温暖な気候で栽培されている。これはつまり、地中海沿岸および世界中の温暖な地域、カリフォルニアやオーストラリアの内陸でも栽培されていることを意味する。

オーストラリアでは今、長いことシラーズの代替品主として人気だったグルナッシュがその地位を高め始めている。この品種は南オーストラリアでは非常に長い歴史があり、それが家族経営のヤルンバ(Yalumba)が「1889年に植えられた820本の株仕立ての折れ曲がったグルナッシュ」から作る自身のワインを三世紀越しのワインと呼ぶことができる所以だ。

オーストラリアのワインメーカー・オブ・ザ・イヤー(影響力の強いグルメ・トラベラー・マガジンによる)で、大のグルナッシュファンであるステファン・パネル(Stephen Pannell)はこう述べている。「グルナッシュが今尊敬の的となっているのはシラーズより軽やかだからです。」そして今大流行のブルゴーニュ品種を引き合いにこう付け加えた。「私たちはさらにピノに近づけるように作っているんですよ。」彼の2014マクラーレン・ヴェール・グルナッシュはダレンベルグの近くにある樹齢78年のブドウから生み出され、シャトーヌフよりもはるかに色が薄く軽やかだ。そして彼は南ローヌのグルナッシュではなく、 引き締まって、やや塩味のある極辛口のサルディーニャのカンノナウをお手本にしていると言い切った。

よく言われることだが、主に気候変動が原因でシャトーヌフ・デュ・パプは特に強すぎ、甘すぎるため飲んでいて落ち着かない、というのは一理あるかもしれない。尊敬を集める生産者であるクロ・ド・パプのヴァンサン・アヴリル(Vincent Avril)の自信に満ちた報告によると、アルコール度数が「2003年に初めて15%に達したヴィンテージ」であることから現在アルコール度数を1980年代あるいは1990年代のそれに戻す試みが進行中だそうだ。

タラス(Taras)やオコタ・バレルのアンバー・オコタ(アンバー・オコタ)などのオーストラリアの生産者は全房発酵と呼ばれる除梗なしの発酵を行い、彼らの気まぐれで、時に意表を突くほど素晴らしいマクラーレン・ヴェールのグルナッシュでフレッシュ感を表現している。この手法はダニ・ランディも取り入れているが、潜在的には濃厚になりうるワインをフレッシュに仕上げつつ、全体的な酸と(わずかではあるが)アルコールを下げる効果がある。その一方濃度とタンニンは上がることとなり、成熟のポテンシャルは上がる。

昨年11月にばらつきの大きく成熟の遅かった2014年の160ものシャトーヌフ・デュ・パプをテイスティングした際、各ワインについて非常に多くの背景情報を得た。一方私は自分のお気に入りのワインと全房発酵の割合との直接的な関係を探ってみたが無駄に終わった。このことはシャトーヌフ・デュ・パプの存在する土地が広く変化に富んでいる点を考慮すれば驚くことではないし、(ブレンドの主体はグルナッシュであるものの)18もの品種が入れ代わり立ち代わり使われており、コンクリート、225Lものワインを収められるオーク樽、そして最も伝統的な大きなオークでデミ・ムイ(demi-muids)と呼ばれる容量600Lのものなど、その熟成方法も様々である点は言うまでもないだろう。だが、例えば誉れ高きフィネ・ロシュ(Fines Roches)のバロ(Barrot)一族の2014の3種のシャトーヌフ・デュ・パプ赤の中ではラ・スート(La Sousto)が全房ブドウの割合が最も高く(50%)私から見ると最高傑作だったと思われる。ローズの香りとフレッシュさが魅力だ。

フルボディで凝縮感この上ないスタイル以外にもシャトーヌフの目指すべきところはあるのではないだろうか。少なくとも、最も尊敬を集めるシャトー・ラヤ(Château Rayas)は数年前にこのことを証明している。

お気に入りの新星グルナッシュ・ガルナッチャ

なにがすごいかというと、以下のワインすべてに私は20点満点で17点以上を付けている点だ。

A A Badenhorst, Raaigras 2012 Swartland, South Africa

Acústic, Auditori 2009 and 2011 Montsant, Spain

Carlisle, Rossi Ranch 2013 Sonoma Valley, California

Neil Ellis 2010 Piekenierskloof, South Africa

Dani Landi, Las Uvas de la Ira 2013 Méntrida, Spain

Momento 2014 Swartland, South Africa

Domaine de Montcalmès, Grenache 2011 Vin de France

S C Pannell 2014 McLaren Vale, Australia

David Sadie 2013 Swartland, South Africa

Thistledown, Thorny Devil 2014 Barossa Valley, Australia

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