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高いアルコール、低いアルコール

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Detail of Hogarth's Gin Lane

この記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。写真のホガースの「ビール街とジン横丁」の現代版と言えようか。

現在のパンデミックは我々に様々なもののあり方を考えるきっかけを与えている。職場、旅行、家族、マスク、そしてアルコールなどがそうだ。四方を壁に囲まれた状態で24時間を過ごしている全ての人にとって、カクテル、ワイン、ビールの時間はこれ以上になくありがたいものであり、熱烈に望まれているものとは言えないまでも、一日の区切りとなるルーティンの一つと言えるだろう。これらがあまりに歓迎されているため、私のBBCラジオ4に寄せられる話から推察するに、ロックダウン中のアルコール消費についての懸念も膨らんでいるようだ。

昼と夜を区別するという役目を果たすべく、夕方早い時間の飲み物は昼間に飲むものと別のものである必要がある。だがもちろん、アルコールを含まなくてはならないと言う意味ではない。ビール愛好家には非常に幅広いノン・アルコール、あるいは低アルコールの、しかも非常に美味しいビールの選択肢がある。さらに今ではスピリッツの愛好家ですらアルコールなしの選択肢に不足はない。ところが、ワイン愛好家にとってはこのようなノン・アルコール、あるいは低アルコールのワインに対する満足が得られてこなかった点が長きにわたる不満の種だった。

世界の大手ワイン企業にとって、美味しいノン・アルコール・ワインの生産は非常に困難な目標だとされてきたが、実際に私の経験上、それはまだ達成されていない。カタルーニャにあるトーレスはいつも先手を打つのが得意だが、彼らのノン・アルコール・ワインである「ナチュレロ」シリーズは(ウェイトローズで5.99ポンド)他と比較して最もよくできている。だがそれでも、私がテイスティングしたナチュレロのボトルはおすそ分け用ワインの中でいつも最後まで売れ残る。問題は、夏が次第に暑くなっている現在、従来法で作ったワインのアルコール度数が12.5%から14.5%の間になることだ。これだけの量のアルコールを取り除くためにはかなり激しい物理的行程を経る必要がある。

アーナカ・ローワン(Arnica Rowan)が月曜に説明したように、ニュージーランド、マールボロのジョン・フォレスト博士は10年ほど前から低アルコール・ワインをより自然に造る方法を見出している。発酵によってアルコールに変わるのは糖であること、そしてそれらの糖を蓄積するのはブドウの葉が太陽の光を浴びて行う光合成であることから、フォレストはブドウの成熟段階で葉を劇的に減らし、それ以外の要素を適切に管理すれば、味わいは自然なまま、低アルコールのワインができるのではないかと考えたのだ。フォレスト(ジョンと妻二人とも博士だ)が作る「ザ・ドクターズ」の品種シリーズは次第に禁欲的になっていくこの世界でワイン好きの希望の光だ。

最近彼らのロゼや、弱冠貧弱なピノ・ノワールも含む一連のシリーズをテイスティングして感じた最良のものは2019ソーヴィニヨン・ブランと、2019リースリングだった。ここ数年見てきた中でも、この二つの品種は私から見て常に群を抜いているように感じられる。どちらもニュージーランドのワインに見られる口の中を刺激するような切れ味があり、ソーヴィニヨン・ブランには5g/lをわずかに超える程、リースリングにはオフドライとしか感じられないのだが37g/lほどの残糖を含んでいる。

上質なワインにおいて、残糖というのは発酵によってアルコールに変換されなかった糖分を指し、ドイツではこのように未発酵の糖を残した低アルコールのリースリングを作る長い歴史がある。ドイツの中でも冷涼なザールのような産地では、アルコール度数がたった7~8%の美しいワインを見つけることは難しくない。それらはかなり多くの未発酵の糖を含むが、酸が非常に高いためそれほど甘いとは感じない。(本当に甘いドイツのワインはベーレンアウスレーゼやトロッケンベーレンアウスレーゼとラベル表記されるもので、非常に甘く、あまり人気も高くなく、ごく少量しか作れないので非常に高価だ。おそらく多くの人はアペリティフに500ポンドもする甘いシロップのようなワインは選ばないだろう)。

他にも適切に作られた低アルコールのワインは甘いことが多い。軽く発泡しているアスティやモスカート・ダスティは一般的に5%程度しかアルコールを含まない良品だ。

南フランスではいくつかの小規模生産者が意図的に軽いワインを作っている。ドメーヌ・ラ・コロンベットのプルーム(Plume)シリーズ物理的にアルコールを9%まで減らしたもので、彼らはこのレベルのアルコールならワインがワインらしく感じられると考えているようだ。カオールの西ではリガール(Rigal)が早摘みのコロンバール・コート・ド・ガスコーニュを作っており、アルコール度数はたった9.9%であるものの、酸が厳しいほどにかなり高い。

もう少し過激な選択肢はノン・アルコールの飲み物を求めることだろう。スリー・スピリッツ(Three Spirit)は「世界初の植物由来の力を携えた社会的エリキシール」と銘打ち、その売り上げはロックダウン中に3倍になったとされている。その一つ、ライブナー(Livener)は500mlで24.99ポンド。50mlを氷とトニックウォーターで割ったものは、確かに洗練されたハーブのエネルギーに満ち溢れていた。

ワイン愛好家にとって有名なワイン・ライターがデザインしたノン・アルコール飲料はさらに興味をそそるだろう。マシュー・ジュークス(Matthew Jukes)が考え出したのは見た目も良い3種類の小瓶に詰められたリンゴ酢ベースのコーディアルで、ガスあり、ガスなしどちらの水でも割って飲める。柑橘主体のジュークス1が私は一番気に入った。3種類とも30mlの瓶が9本入って35ポンドだ。薄めると小瓶一つで125mlの飲み物となり、1杯当たり16カロリーで、ワインよりもはるかに低い。

カロリーはアルコールと残糖両方に由来するため、ワインのラベルにわかりやすく表記しなくてはならない(ただしカリフォルニアの生産者はフォントサイズを限りなく小さくすることが多いようだ)アルコール度数は肥満や二日酔いの可能性の目安として便利に使うことができる。

熱さの感覚について
最近まで、アルコール度数の高いワイン、すなわち14または14.5%を超えるワインというのは口に含むと、特に口の奥と喉にはっきりと熱さを感じるためすぐにそれと分かった。ところが、一般的になってきたこのレベルのアルコール度数を持つワインがここ数年、これまでほど明確に熱さやアルコールを感じないようになってきたと私は感じていた。そこで二人の優秀なワイン科学者、ボルドーのワイン科学研究所のアクセル・マーシャル(Axel Marchal)とヴァレリー・ラヴィーニュ(Valérie Lavigne)にこの新たな潮流を感じているか、それをどう説明するのか尋ねてみた。

ラヴィーニュの回答:

「アクセルも私も高アルコールにまつわる感じ方の違いには気づいています。かつてよりも遥かにバランスが取れるようになり、余韻に熱さを感じなくなっていますね。数年前、高アルコールのワインは明らかに過熟したブドウから作られることが多いと考えられていました。ブドウの生理学的な成熟の過程で酸が分解されることはよく知られていますが、その他の物質、特に柔らかさに寄与する味わいに寄与する物質も分解される可能性が高いと考えられています。

現在は気候変動のため、また恐らくは作業工程の変化もあって、ブドウの成熟過程で糖の蓄積が早まっているようです。熟したブドウを収穫すると、数年前に過熟状態で収穫していたブドウと同じぐらい甘いこともあるようです。一方で酸は、そしておそらくは味わいに寄与する物質も、まだ十分に維持されていると考えられます。そのためこのようなブドウから作られたワインは、アルコールは高いもののpHは低く、バランスが良くフレッシュで、ときには「優しく」感じられるのだと思います。」

もしアルコール摂取量を減らしたいと本気で考えるのなら、小さなフォントで書かれたアルコール度数をしっかり読むことが重要だ。

お薦めの低アルコール・ワイン

Forrest, The Doctors' Riesling 2019 Marlborough 9%
£11.95-£13.50 Slurp.co.uk, Frontier Fine Wines, Gerrard Seel

Forrest, The Doctors' Sauvignon Blanc 2019 Marlborough 9.5%
£9 Booths, Tesco, Waitrose, and Majestic (6本セットで購入した場合) および彼らのオンラインショップにて and £10.60 Frontier Fine Wines

Marrone, Solaris 2018 Moscato d'Asti 5.5%
ヨーロッパの数多くの業者および99 Danish kroner Gallovini

Mongioia, Lamoscato 2017 Moscato d'Asti 5.5%
$19.99 Chambers Street Wines, NYC

Zilliken, Saarburger Rausch Riesling Kabinett 2017 Saar 8%
£19.48 Lay & Wheeler

Reinhold Haart, Piesporter Goldtröpfchen Riesling Kabinett 2017 Mosel 9%
£19.95 Noel Young Wines

J J Prüm, Graacher Himmelreich Riesling Kabinett 2017 Mosel 9%
£20.08 Lay & Wheeler

【6本〜送料無料】グラーヒャー ヒンメルライヒ リースリング カビネット 2017 ヨハン ヨゼフ プリュム 750ml [甘口白]Graacher Himmelreich Riesling Kabinett Johann Josef Prum
価格:4114円(税込、送料別) (2020/6/4時点)


危険なまでにバランスの取れた高アルコール・ワイン
これらは全て15%以上のアルコールとラベルに記載があるが、味わいは美しいまでにバランスが取れている。

Cervoles, Les Garrigues 2016 Costers del Segre 15%
€22 various Dutch retailers

Poggerino, Bugialla Riserva 2015 Chianti Classico 15%
$43.99 Wine.com

Clos des Papes Châteauneuf-du-Pape (事実上ですべてのヴィンテージがおおよそ15%)
2016 is £66.75 Vintriloquy

Accendo Cellars, Cabernet Sauvignon 2016 Napa Valley 15.1%
$360 (1本)または6本で £1,300 Latimer Vintners

Colgin, IX Estate 2016 Napa Valley 15%
$635, or £615 Noel Young (1本)

IXエステート ナパ ヴァレー レッド ワイン [ 2016 ]コルギン セラーズ ( 赤ワイン ) [S]
価格:80300円(税込、送料別) (2020/6/4時点)


完全なテイスティング・ノートはデータベースで、国際的な取扱業者はWine-Searcher.comを参照のこと。

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