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地理的表示に注力するリオハ

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この記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。Riojas old and newも参照のこと。

リオハは今勢いに乗っている。ある意味ワイン業界が低迷気味だったこの国は、ありとあらゆる新しい試みを開始した末に安定した売り上げの増加をかみしめている。ここ最近スペイン・ワイン生産者から聞かれていた最も大きな不満は平均価格があまりに低すぎることだったが、スペインの高級ワインの旗手、リオハはスペインの地理的表示のあるDOワインの輸出において数量ベースで30%以上、金額ベースで40%を占める。

北部にあるこのワイン産地が数年前、大きく揺れたことは有名だ。最も尊敬を集める生産者の一人、アルタディが、スーパーマーケットで販売される安いブレンドワインにもアルタディの最高級のワインにも自由につけられるリオハの名称は何の価値もないからこれ以上名乗りたくないと宣言したためだ。Spain in a pickle from 2016(和訳)も参照のこと。

だが、政府機関であるコンセホ・レグラドールがこの件に対応した比較的迅速な手腕には敬意を表したい。2017のヴィンテージから、リオハには地理的表示のこれまでより緻密な3つのカテゴリーが導入されたのだ。生産者は良識的かつ厳しい規則にそのワインがのっとっていて本人が希望するならば今流行の単一畑ワインを作り、ラベルにヴィニェード・シングラール(Viñedo Singular)と記すことを許される。手摘みされるブドウは少なくとも樹齢が35年以上(このように高いハードルを設定するとは素晴らしい)で、収量は比較的少なく、ラベルに表記を行うには官能検査をパスしなくてはならない。

長きにわたりブドウを購入することがあまりに一般的だったリオハでは、ブドウを栽培する側ではなく購入する側に特殊な条件が課されている。ワイン生産者は対象となるブドウ生産者から10年以上ブドウを購入していなくてはならない。一方長期的に考えると、高価なワインのラベルに自分の畑の名前が表示されることがわかれば、ブドウ生産者自身が自分のワインを作る方向に拍車がかかることにもなるのではないだろうか。

あと二つ、導入された地理的表示がある。リオハには村の名前を併記することが可能になった。ただしそのビノ・デ・ムニシピオ(Vino de Municipio)と認定されるためにはワイナリーがその村になくてはならない。もう少し範囲が広いものにはビノス・デ・ゾーナ(Vinos de Zona)があり、リオハを3つに分けた地域を名乗ることができる。西部のリオハ・アルタ、アラバ地方北部にあるリオハ・アラベサ、そして以前のリオハ・バハ(下のリオハの意)という名前より響きがいいとしてリオハ・オリエンタル(東部の意)が使われる。

正確な地理的表示に注力するこの試みはリオハで新しい波に乗りつつある生産者にとって好都合だった。彼らはその多くが最近になって自分たちのブドウを栽培・販売する立場からワインを生産する立場に転換しており、基本的に非常に狭い区域にとどまっているためだ。コンセホのマーケティング・ディレクターであるリカルド・アグイリアーノ(Ricardo Aguiriano)は最近ロンドンで会った際「彼ら一人一人に物語があり、消費者はそういう物語に惹き寄せられます」と語った。

コンセホの輸出ディレクターホセ・ルイス・ラプエンテ(José Luis Lapuente)もまた、リオハにとってスペインに次ぐ最大の市場であるロンドンで、これらの新しい分類の解説と若干わかりにくい新たなスローガンを公表した。彼はリオハのイメージを向上し、他にないほど確立されたこのワインに新たな興味を惹きつける必要があると率直に語った。私が1970年代に初めてリオハの記事を書いた時、それはイギリスでは非常に大胆でエキゾチックなものだったことを覚えているが、現在リオハは明らかにイギリスをけん引するオンライン・ショップ、レイスウェイトのウェブサイトで最も頻繁に検索される単語であり、彼ら自身もボルドーに畑を所有するにもかかわらず、リオハの売り上げの方がボルドーよりも多いほどだ。

リオハへの関心を高めようとする公的な働きかけは白のリオハも例外ではない。ここ5年間でその生産量は総生産量の5%から8%に上昇している。私は1970年代に手に入った深い黄金色でねっとりとした触感の、ある意味とろけるような白のリオハを懐かしく思い出す。それ以降そのようなワインを見つけるのは困難になったが、1986年に設立されたばかりのフィンカ・アレンドはこのスタイルに特化している。先月楽しんだこの地のヴィウラという品種主体の2000はまだ申し分のない状態だった。さらに最近飲んだ至高の伝統主義者、ロペス・デ・エレディア(López de Heredia)の白のヴィーニャ・トンドニア・レセルバ(Viña Tondonia Reserva)1999および1991も同様だ。リオハのもう一人の歴史的な生産者、マルケス・デ・ムリエタ(Marqués de Murrieta)もまた、かつて生産していた白ワインのすばらしさを再現しようと試みている。かれらのカッペラニアは惜しげもなく樽を使ったワインで非常に樹齢の高い畑から生み出されるものだが、ほんの数年ボトルの中で熟成しただけでその神髄を見せ始めている。

一方、これらの例外を除いて現在の焦点ははるかにフレッシュであまり個性のない白のリオハだ。これはコンセホが2007年に下した、この地以外に由来する品種であるシャルドネやソーヴィニヨン・ブランを白のリオハに使ってもよいという決定にも垣間見られる。昨年の様々な規則の変更には白のリオハに様々な品種用いてよいという決定も含まれている。伝統的なヴィウラとマルヴァジアに加え、スペインのガルナッチャ・ブランカ(グルナッシュ・ブラン)、マトゥラナ・ブランカ(Maturana Blanca)、テンプラニーリョ・ブランコ、トゥルンテス(Turruntésスペインの他の場所ではアルビーリョ・マヨール(Albillo Mayor)とも呼ばれている)、そしてベルデホ。さらには明らかに外来のシャルドネとソーヴィニヨン・ブランも含まれる。

同じようなことがリオハのロゼにもみられる。かつては明らかにフルボディでかなり色の濃いワインであり、上述の白ワインと同じ生産者のヴィーニャ・トンドニア・グラン・レゼルバ2000がそれをよく表している。だがプロヴァンス・ロゼの成功を目にし、実力者たちは意図的に色の薄く、軽やかな、その結果としてあまり個性のないスタイルを目指すようになった。

リオハのイメージを再構築する動きの一つとして、トラディショナル・メソッドでつくるスパークリングワイン、エスプモーソス・デ・カリダードを作ることも真剣に検討されている。これは最低15カ月熟成させたもので、2019年にリリース予定だ。それに課される14の基準はここでは省略するが、一つ確実に言えることはこれらのワインはかつてリオハの名声を確立した樽の効いた赤ワインとは全く別世界のものであるということだ。

この地域が自信にあふれていることは喜ばしいことだし、それに対して最近一部から出た批判もまた意義のあることだ。一つ私が願っているのは最も伝統的な生産者、概して地理的にごく限られた新たな波に乗っている生産者よりもはるかに大きく古い生産者たちには入念に長期間樽で熟成した、世界で最も長命なワインを供給し続けてほしいということだ。

言うまでもなく、保守派の人々、特に(何十年もの間ブドウをこの地域内のありとあらゆる場所から購入してきた)地理的な点に基盤を置かず、瓶の中でどれだけ熟成させたかで価値が決まるという方針でワインを作ってきた人々からはこれらの新しい規格について抵抗もある(Riojas old and new参照)。彼らの作るレゼルバは少なくとも3年(現在ではそのうち最低6カ月は瓶内で)、グラン・レゼルバは最低でも5年、実際にはそれよりもはるかに長く熟成させるものだ。

ピレネーを超えたボルドーと対照的に、ワインが飲み頃になってから販売するリオハのワイン生産者には敬意を表したい。そして新たな世代がリオハの詳細な地理を我々に教えてくれることは大歓迎だ。

マスター・オブ・ワイン協会は9回目のシンポジウムをリオハで6月14-17日に開催する。詳細とチケットはこちら

名高いリオハの生産者

歴史的な名士

Bodegas Bilbaínas
Bodegas Riojanas
Contino
CVNE
López de Heredia
Marqués de Murrieta
Marqués de Riscal
Muga
La Rioja Alta

比較的)新しい生産者

Abel Mendoza
Aldonia
Artadi
Baigorri
Finca Allende
Palacios Remondo
Pujanza
Remelluri
Remirez de Ganuza
Roda
Telmo Rodriguez
Benjamin Romeo
Señorio de San Vicente
Sierra Cantabria

新しい波

Artuke
Olivier Rivière
Exopto
Basilio Izquierdo
Laventura
Paco Garcia
Juan Carlos Sancha

テイスティング・ノートはこちらで、世界の取扱業者についてはwine-searcher.comをさんしょうのこと。

(原文)

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