ヴォルカニック・ワイン・アワード | The Jancis Robinson Story (ポッドキャスト) | Mission Blind Tasting | 🎁 20% off annual memberships

ポルトガル語を学ぶべき時が来たか

• 5 分で読めます
Image

この記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。

今ポルトガルは乗りに乗っている。サッカーの腕前は言うまでもないし、彼らの2つの主要都市は旅行者のメッカだ。そして最高の賞賛も与えられた。マドンナがニューヨークからリスボンに移住し、そこにいるとまさに自分が「クリエイティブで生きている」と感じられると明言したのだ。

最近リスボンに到着したとき、私は恥ずかしながらこのポルトガルの自慢の都市について無知だったが、ワイン雑誌、エッセンシア・ド・ヴィーニョ(Essencia do Vinho)の10周年を祝うイベントでの私のホストは間髪おかず自慢げにそれを説明してくれた。ポルトガルを訪問するようになって30年は経つが、彼らからポルトガル人である誇りをこれほどまでに感じたことはなかった。

ではポルトガルのワイン業界にそれがどう影響するのだろうか?私が感じた中で最も印象的だったのは彼らがもはや自分たちのワインに高い価格を付けることに躊躇しなくなったことだ。

私はこの10年でポルトガル・ワインが遂げた変化を語る10本のワインを選択するように言われていたが、そのうちの1本、バルカ・ヴェーリャ(Barca Velha)1999がいまや小売価格で350ポンドもすることに驚愕した。おそらくそれは熟成の進んだヴィンテージであるためだ、と私は考えた。ところが、そうではなかった。同じワインの若い3つのヴィンテージ、現在市場で入手可能な2000、2004、2008ともにそれよりも高い価格がついているのだ。そうは言っても、ワインが売れるようになったタイミングではなく、飲み頃になってからリリースするという生産者には敬意を表したいと思う。

いずれにしてもこれはあくまで例外だろう。なぜならバルカ・ヴェーリャはドウロ渓谷、すなわちポートの故郷で何年もの間唯一商業的に生産されていたテーブル・ワインなのだから。(今ではこの世界で最も美しい地域の一つで多くの胸躍るテーブル・ワインが作られている。)

いや、それも違った。リスボンの優れたワイン店、ガラフェイラ・ナシオナルのウェブサイトを見てみると、この10年から20年の間にドウロから現れた多くのテーブル・ワインの中で最も称賛を集めているワインの現行ヴィンテージ、例えばニーポートやピンタスなどのワインは今や1本60ポンドから90ポンドの価格帯にあるのだ。

10本のワインを選ぶようにと言われたのだが(私は絶対的な選抜を行うのは苦手な人間で、数多の候補の中からそれを選ぶのは非常に難しかった)、中でもドウロのものを選ぶのに苦心した。結局私はこの過酷な渓谷のワインの歴史を4本の非常に異なるワインでたどることに決めた。バルカ・ヴェーリャ1999ドウロは一つの時代を映し、その完全に熟成したワインは私に1970年代ナパのカベルネかボルドー赤の、心を掴んで離さないニュアンスをもつアロマや古風な繊細さを思い起こさせた。

キンタ・ド・クラスト(Quinta do Crasto)ヴィーニャ・マリア・テレサ(Vinha Maria Teresa) 2005 ドウロはドウロ川を眺める景観の特に素晴らしい斜面にある当時樹齢70年のブドウから作られたこの地のテーブル・ワインの新たなスタイルを表現するワインで、 オーストラリア人のワインメーカーが老舗であるポルトガルのロケット(Roquette)家のために作ったものだ。すべてが近代的で非常に凝縮感があり、わずかに樽の強いワインはゴツゴツしたシストと容赦なく照り付ける太陽がもたらす恩恵を余すところなく表現したワインだ。

次に来るのはディルク・ニーポートのたゆまぬ国際提携力と遥か先を見つめる力を表す例だ。彼は家族経営のポートのビジネスを受け継いだが、それをめまいがするほど全く異なる方向へ動かした。選べるのなら私は世界で最も満足感の得られるロゼワインであるレドマ・ロゼ(Redoma Rosé)なども含めて彼の6本のドウロ・ワインを選びたかった。だがその代わり私が選んだのはニーポート・バトゥータ(Niepoort, Batuta) 2007ドウロで、濃厚な赤は彼が単なる力のワインからより繊細でフレッシュなワインへ転換する過程で作られたものだ。比較的冷涼で高地にある樹齢の高い畑で獲れたブドウで作られ、畑の主要な部分は北向きの斜面にあることで成熟を遅らせ、生育期を長くし、ワインにアルコールではなく味わいをもたらす。最終的なアルコール度数は12.5%で、クラストの14%と対照的だ。

最後の1本はポエイラ(Poeira) 2011 ドウロで、偉大なヴィンテージが生み出したドウロのさらなる進化を表すワインだ。長い歴史を持つ生産者の下で働いてきたホルヘ・モウレイロ(Jorge Moureiro)のように若いワインメーカーたちが今や自分の足で立っている。

あまりに多くの最上級テーブル・ワインがドウロで作られることから、この地は(この表現には好みもあるかとは思うが)ポルトガルのボルドーと言えよう。(フランスと比較することについては申し訳ないと思うが、ほとんどのワインを飲む人々はポルトガルのそれよりもフランスのワインになじみがあることを付け加えておきたい)

もしあなたの好みがローヌのボディと熟した感じであれば、アレンテージョを選ぶべきだろう。むろん、他の地域同様今の流れは柔らかい方向へ向かっているので、南部ローヌと言うよりは北部ローヌに近い。

およそ200名に及ぶポルトガルのワインのプロの前で(気の毒なことに彼らは自分のグラスなしに私がテイスティングするのを見ているだけだった)もっと多くのアレンテージョのワインを選ばなかったことを申し訳なく感じたものの、今回は新しい流れの例としてボハドール・ヴィーニョ・デ・タルハ(Bojador, Vinho de Talha)2015ヴィーニョ・レジオナル・アレンテージョを選んだ。これは3つの典型的なポルトガル品種のブレンドで、アンフォラで発酵させたものだ。まさに流行そのものであり、ポルトガルがもはやワイン業界で孤立した僻地ではないことを体現している。ジュリアは私がこのワインを相当気に入るに違いないと話していた。ただしその翌ヴィンテージは異なるブレンドで全く異なった趣で作られており、正確さにも欠けている。

純粋で混じりけのないその土地の特徴を示すものと言えば、北部の地域、バイラーダを置いて他にはない。その赤ワインはバガから、白ワインはビカルから作られるが、どちらのブドウもバイラーダと、それに隣接する地域であるダン以外では実質的に全くと言っていいほど知られていない品種だ。当初は全く頑なだったこれらの品種の熱烈な支持者といえば、いたずら好きなワインメーカー、ルイス・パト(Luis Pato)の右に出る者はいないわけで、当然彼のワインを選ばないなどという無作法なことはできない。今回選んだのはルイス・パト・ヴィーニャ・バローサ(Luis Pato, Vinha Barrosa)2005バイラーダだったが、なんとこのワインはまだ飲み頃を迎えてはいないのだから驚きだ。

一方ダンについていうと、明らかな候補として挙げられたのはフルボディの辛口白、この地域自慢の淡い色の品種、エンクルサードから作られるワインで、ポルトガルのワインの多くが神々しいほどに熟成する可能性を美しく表現したものだ。キンタ・ドス・ロケス・エンクルサード(Quinta dos Roques Encruzado) 2007ダンは多くの2007ブルゴーニュ白と十分に渡り合える。これを書いている時点で、現行ヴィンテージである2015はアメリカなら1本20ドル以下で見つけられる。今年ポルトガルでは100名を超える人が山火事で命を失ったが、最近の山火事でこのワイナリーが12ヘクタールもの畑を失ったと聞いて非常に残念に感じている。

選抜リストにはもちろんもっと白ワインが含まれるべきだろう。ドウロ・ブランコ(Douro Branco)はここのところ輝きを放っているが、ヴィーニョ・ヴェルデはポルトガルの最も顕著なワインであり、私は中でも特に若々しいスタイルのワイン、最も尊敬を集める元祖と言われる生産者を選んだ。ソアレイリョ・プリメイラス・ヴィーニャス(Soalheiro, Primeiras Vinhas) 2016ヴィーニョ・ヴェルデだ。彼らはまた、有機栽培への転換の流れの代表者でもある。

それからもちろん、何世紀も前にポルトガルを世界のワイン地図に載せた立役者がいるわけで、ポルトガルのテーブル・ワインへのにわかな注目の中でもけして忘れてはならない。バーベイト・リベイロ・レアル・ティンタ・ネグラ20年NVマデイラ(Barbeito, Ribeiro Real Tinta Negra) はこの島で最も多く植えられている品種に威厳を与えた一方、グラハムズ・シングル・ハーベスト・トウニー(Graham's Single Harvest Tawny)1972 ポートはヴィンテージの記載されたトウニーやコルヘイタの流行を生み出した。その例はGloriously gleaming tawniesA tale of two tawnies を参照してほしい。


今お気に入りのポルトガル・ワイン
これらすべてのワインについてのテイスティング・ノートはこちらで見つけることができるはずだ。

Quinta do Crasto, Crasto Superior 2013 Douro Branco
£11.99 Drink Portuguese Wine

Luis Seabra, Granito Cru 2013 Vinho Verde
£27 Noble Green Wines, (2015: £32 Vincognito)

Soalheiro, Terramatter 2015 Vinho Verde
£20.95 Drinkmonger

ロゼ

Redoma Rosé 2014 and 2015 Douro
2014: £13.99 Roberts & Speight; 2015: £16-18 Corks of Cotham, Prohibition Wines, Highbury Vintners

Mouchão 2011 Alentejo
£29 The Wine Society, £38.50 Noel Young, £38.99 The Wine Reserve, £40 Caviste of Overton

Quinta do Romaneira, Reserva 2012 Douro
£41.95 Lea & Sandeman

Quinta do Vallado, Field Blend Reserva 2014 Douro
£29.50 Hailsham Cellars, Fareham Wine Cellar, £36.20 Hedonism

Redoma, Vertente 2014 Douro
£19.99 Tanners, Corks of Cotham

原文

購読プラン
25th

For the dad who loves wine

Start your membership this Father’s Day with 20% off a full year. Expert reviews, honest writing, no guesswork. Or, gift a membership and save 20%.

Enter code DAD20 at checkout. Offer ends 22 June.

スタンダード会員
$135
/年間
年間購読
ワイン愛好家向け
  • 295,233件のワインレビュー および 16,093本の記事 読み放題
  • The Oxford Companion to Wine および 世界のワイン図鑑 (The World Atlas of Wine)
  • Access askJancis, our AI wine assistant
プレミアム会員
$249
/年間
 
本格的な愛好家向け

Everything in “Member”, plus:

  • Early access to the latest wine reviews, 48 hours in advance
  • Early access to the latest articles, 48 hours in advance
プロフェッショナル
$299
/年間
ワイン業界関係者(個人)向け 
  • 295,233件のワインレビュー および 16,093本の記事 読み放題
  • The Oxford Companion to Wine および 世界のワイン図鑑 (The World Atlas of Wine)
  • Access askJancis, our AI wine assistant
  • 最新のワイン・レビュー と記事に先行アクセス(一般公開の48時間前より)
  • 最大25件のワインレビューおよびスコアを商業利用可能(マーケティング用)
ビジネスプラン
$399
/年間
法人購読

Everything in “Professional”, plus:

  • 最大250件のワインレビューおよびスコアを商業利用可能(マーケティング用)
  • Access to submit wines for review
  • Offer memberships to your employees and manage them from a single place
  • API access available for an additional fee
Visa logo Mastercard logo American Express logo Logo for more payment options
で購入
ニュースレター登録

編集部から、最新のワインニュースやトレンドを毎週メールでお届けします。

プライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます。

More 無料で読める記事

Wild menu - yellow background
無料で読める記事 ホーム・カウンティーズで丁寧に育まれた野性味。そして見逃せないワインリスト。 農場から魚へ、フォークへ、フライパンへ...
Chenin Blanxc vineyard in South Africa
無料で読める記事 ジャンシスからの提案。この記事の別バージョンは『フィナンシャル・タイムズ』にも掲載されている。 南アフリカの星 - シュナン・ブラン...
female urban hands each holding a glass of wine - Shutterstock
無料で読める記事 ポーリーヌ・ヴィカール(Pauline Vicard)は問いかける。ワインは今でもその文化的意義を正当化できるのだろうか。この問いへの答えは...
Thomas Walk Vineyard in Kinsale
無料で読める記事 ジャンシスがエメラルド島のハイブリッド品種によって立場を思い知らされる。この記事のショート・バージョンはフィナンシャル...

More from JancisRobinson.com

Azenhas do Mar, Portugal
現地詳報 このポルトガルの産地のワインは、その歴史の影から抜け出しつつある。上の写真はコラレスのアゼニャス・ド・マル...
Jota Tanaka at Gotemba distillery
ワイン以外の飲み物 日本のウイスキーの透明性についての探求、そしてその感性がスコットランドでのウイスキー造りにどのような影響を与えているかについて。写真上は...
Glass of rose with food
テイスティング記事 プールサイドのピンクから、BBQにぴったりの力強いバージョンまで、あらゆる場面に合うロゼワイン。 私たちJancisRobinson...
A bottle of Moreau Naudet Chablis
今週のワイン 基準となるシャブリ。ただし、よりリッチなスタイルで、 39.95ドル、31.95ポンド から入手可能だ。 最近の...
Tertius Boshoff of Stellenrust shows off multiple Chenins in London
テイスティング記事 5月にロンドンで開催された大規模な南アフリカ・テイスティングで紹介された数多くのケープ・シュナンとシュナン・ブレンドをレビュー...
The Pacific ocean view from Flowers Vineyards
Don't quote me クリス・ハワード (Chris Howard) は問いかける。火山性ワインというものがあるなら、オセアニック...
Beaujolais vineyard harvest imminent
テイスティング記事 ナターシャ・ヒューズ(Natasha Hughes)MWによると、ボージョレのビアン・ボワール(Bien Boire、「よく飲む」の意...
Alessandro Campatelli of Riecine
テイスティング記事 猛暑の年からの嬉しい驚き。写真上は、リエチーネのディレクター兼醸造家(現在はオーナー)のアレッサンドロ・カンパテッリ(Alessandro...
JancisRobinson.comニュースレター
最新のワインニュースやトレンドを毎週メールでお届けします。
JancisRobinson.comでは、ニュースレターを無料配信しています。ワインに関する最新情報をいち早くお届けします。
なお、ご登録いただいた個人情報は、ニュースレターの配信以外の目的で利用したり、第三者に提供したりすることはありません。プライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます.