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ナチュラル・ワインの定義

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Vin Méthode Nature logo

この記事のショート・バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。この話題について歴史的な観点から議論しているNatural v industrial wineも参照のこと。

個々のところ注目を集めている、できるだけ人的介入をせず作る「ロー・ファイ」なワイン、すなわちナチュラル・ワインは、ある共通の、だがその厳格な定義づけを決して行おうとしない哲学によって結び付いた特定の人々によって作られるものだと捉えられていた。

例えば、彼らにはアペラシオンの規定による様々な制限は無用の長物だ。彼らの多くはワインを地理的表示のない、国名だけがわかる状態、すなわちヴァン・ド・フランスやヴィーノ・デ・エスパーニャなどとして販売している。

ところが先週、ナチュラル・ワインの公式な定義が官僚主義の仮面をつけたフランスのアペラシオンを管理するINAOの名のもとに発表された。この新しい定義づけが確立したのはロワールに拠点を置く二人の生産者、ミュスカデにあるラ・パオネリエのジャック・カロジェ(Jacques Carroget)とサン・ニコラ・ド・ブルグイユの15代目のヴィニュロン、セバスチャン・ダヴィッドの率いるナチュラル・ワイン生産者組合の働きによる。

この数年、彼らはヴァン・メトード・ナチュールという名称を確立することに情熱を注いできた(EUの規定では、ヨーグルトのラベル表記の騒ぎ以降「ナチュラル」という表現を使うことを禁じている)。その理由の一つは、いくつかの(中には非常に大規模なものも含む)生産者が、この流行に便乗しようとしている点だ。真のナチュラリストたちは自身のワインにヴァン・メトード・ナチュールのロゴをつけることで、厳密な定義を満たしていないワインと差別化を図りたいと考えたのだ。

ヴァン・メトード・ナチュールと認定されるためには、有機栽培の主要な認定機関から認証を受けた畑で手摘みされたブドウを用いなくてはならない。発酵に必要な酵母は畑またはワイナリーに存在しているもので、購入したものであってはならない。消費者や生産者の期待に応えるために、自然な環境で不十分だった酸、糖、タンニンを補ったり水、着色料などの添加物を加えたりすることは禁じられている。

また、ワインは人的介入をしたがる生産者の手が入ってはいけない。実際、そのような生産者は多くのワイン愛好家が思っているよりもはるかに多い。例えばカリフォルニアでは、消費者が好むと考えられている完熟したタンニンを求めるため、ブドウを樹上に長く置いておくことがごく一般的だった。その結果として、そのようなブドウを発酵すると糖が高すぎるため、あり得ないほど高いアルコール度数のワインが出来上がってしまう。明らかに「介入的な技術」である逆浸透膜スピニング・コーン、様々な種類の濾過を使えば、必ずしもワインの味わいに影響を与えることなくそのアルコールを下げることが可能だが、当然そのような手法は典型的なナチュラル・ワインの生産者には決して(おそらく金銭的な意味でも)受け入れられるものではない。

冷涼な地域の非ナチュラル・ワイン生産者の中には赤ワイン用のブドウを加熱して色を濃くしている者もいる。ただしこの手法はもはや濃い色が高品質の証だとされない今の時代では少なくなってきていると予想される。他にも、かつてはワインを瞬間的な熱にさらし安定化させていた生産者もいた(この手法は偶然にも、コーシャのメブシャル・ワインの製造に必要とされる手法だ)。もちろんこの手法もヴァン・メトード・ナチュールでは禁止されている。

ブドウやワインを加熱することが禁止されている一方、冷却することは許されている。現在の地球温暖化の影響もあり、醸造工程のかなりの部分で味わいのフレッシュさを保つために冷却という作業が必要であり、その行程は増えている。さらに、ナチュラル・ワインは濾過や清澄化など、ワインを安定化させる従来的な手法を経ていないため、保管や移送条件で温度が上がると再発酵してしまう可能性がある。ある意味不都合な現実と言えるかもしれないが、ナチュラル・ワインを完璧な状態に保つためには多くのエネルギーが必要となり得るのだ。

ヴァン・メトード・ナチュールの認証を受けるために必要とされる主要な条件は亜硫酸だ。この抗酸化作用と抗菌作用を合わせ持つオールラウンドプレーヤーについては、添加を全くしないか、添加したとしても瓶詰めの直前にほんの僅か、ワインの最終的な亜硫酸量が30 mg/lを超えないレベルでしか許されていない。私のMW仲間でナチュラル・ワインの推進者でもあるイザベル・レジュロンMWが運営するRAWワイン・フェアで出店するワインの亜硫酸量の上限は70 mg/lとされていることからも、30 mg/lというのは非常に厳しい基準であることがわかる。

ヴァン・メトード・ナチュールのロゴには2種類があり、一つは亜硫酸無添加(亜硫酸は発酵中に自然に発生するが、その量はごくわずかだ)で、もう一つは30 mg/l 以下であると保証されたものだ。

この新しい名称が認識されるために、商業的な模造品と真のナチュラル・ワインを区別すること以外に重要な課題となったのは、各地方のテイスティング・パネルがこれまで頻繁に行ってきたようにワインが「典型的でない」という理由で却下する事例を減らすことだった。ヴァン・メトード・ナチュールのロゴはある意味それに対抗する武器となるだろう。
2019ヴィンテージとして生産されたワインのうちすでに50ものワインがヴァン・メトード・ナチュールのロゴの下で販売される予定で、加えて多くのワインがその準備をしているところだ。セバスチャン・ダヴィッドによれば、消費者を含む140名ほどが [email protected]にメールをし、ヴァン・メトード・ナチュール保護組合(Syndicat de Défense des Vins Naturels)に登録している。フランスの組合はすでにスペインやイタリアの似たような団体と情報交換を行い、同様の構想を展開できるのではと期待している。

ここで大きな疑問がある。この新しい名称は誰が監督するのだろうか?ダヴィッドは400の生産者が加盟すればフランス当局がその監督を引き継いでくれると話していた。だがそれでも問題が残る。該当する全ての畑に機械収穫機がないかどうか完全に監視することは現実的に不可能だろう。さらに、培養酵母を一切使っていないことをどうやって確認するのだろうか?ワイン生産者にとって、今ヴィンテージで使った酵母の培養液を翌年まで保存しておくことは極一般的に行われているが、それを市販の培養酵母とどう区別するのだろう?

恐らく現時点では、ヴァン・メトード・ナチュールの生産者が準備しなくてはならない書類の山と抜き打ち検査、そしてナチュラル・ワインの生産者たちの驚異的な協調姿勢に頼るしかないのだろう。

ナチュラル・ワインについて複数の著作があり、ザ・ファイアリング・ラインというウェブサイトも運営するニューヨークのナチュラル・ワインの女王、アリス・ファイアリングはこの動きを興味深く見守っている。彼女はこの件についておおむね賛同しているが、メールで私の意見にこう同意した。「あまり熟考された制度ではありませんね。50件ほどを認証するのは容易でしょう。でも数が増えれば、遥かに多くのことを考える必要が出てくると思います」。

彼女はこう締めくくった。「心の奥底では、私はナチュラル・ワインは認証するとかしないとか、そういうものではないと思っています」。

お薦めのナチュラル・ワイン

亜硫酸は何世紀もの間ワインを保存するために(ジュースにもドライフルーツにも)広く使われているが、喘息持ちの人が反応してしまうことがわかって以来ワイン中の亜硫酸量はここ20-30年で劇的に減少している。

世界の上質なワインの中からヴァン・メトード・ナチュールと認証されるワインも増えていくだろう(ただそれらの多くは現在30 mg/l よりもわずかに多く亜硫酸を使っている)。そのロゴを使う必要もないほど偉大なワインもあるだろう。一方で多くの従来型の生産者たちもできるだけ自然なアプローチを心がけるようになってきている。特にワイン造りを引き継ぐ若い世代の人たちにその傾向が強い。

ナチュラル・ワイン専門のイギリスの小売店としてはLes Caves de Pyrène, Buon Vino, Gergovie Wines、Passione Vinoなどがある。

Los Clos Perdus, Mire la Mer 2013 Corbières Rouge
保税6本で£65、Justerini & Brooks

Mother Rock White Blend 2018 Swartland
£19 Highbury Vintners, Selfridges
$18.99 Wine Library, Springfield NJ and Pinnacle, Rochester NY

Accadia, Evelyn Macerato Bianco 2017 Marche
£17.95 Buon Vino, Lancashire

Empire of Dirt Cabernet Sauvignon 2019 Yarra Valley
£18.50 St Andrews Wine Co

Marcel Lapierre 2017 and 2018 Morgon
£21-£29幅広い小売店で取り扱いあり

Ch Musar red 2011 Bekaa Valley
From £26.50幅広い小売店で取り扱いあり、マグナムはWaitrose Cellarで £55

Niepoort, Poeirinho 2015 Bairrada
£44 Handford Wines, Theatre of Wine, Drinkmonger, Corks of Cotham, Harrogate Fine Wine

Leclerc Briant Réserve Brut NV Champagne
£51 Berry Bros & Rudd

テイスティング・ノートはデータベースを、国際的な取扱業者は Wine-Searcher.comを参照のこと。

(原文)

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