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実用性を兼ね備えたピクニック・ワイン

2021年5月29日 土曜日 • 6 分で読めます
Picnics by Mason Dahl via Unsplash

さあ、「夏は来たりぬ」だ。この記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。

今年の夏は全く新しい気持ちでアウトドアでの食事を楽しむことができるのではないだろうか。上着を二枚重ねて、レストランからブランケットを借り、頭上にはヒーター、そして指なし手袋。あるいは刈ったばかりの芝生の上やブドウ棚の木陰でコース料理が冷めないように、でもワインは十分に冷たく保てるように注意しながら。

そんな時に私が好んで使うので円柱状のワインクーラーで、氷を使わないものだ(氷を使わないから水滴もつかない)。これだとどんなワインでもそのボトルの温度を安定して保ってくれる。プラスチック製のものが最も軽いので、私は一目でどのボトルがどのクーラーに入っているかわかる、透明なものをたくさん持っている。

しかしピクニックに出かけるとなると、そんなグッズを持っていくのも少し面倒かもしれないし、保冷バッグだと厄介な結露の問題がある。最近はウォーターボトルのようにカラフルで運びやすく再利用可能な、ワイン専用の断熱ボトルがある。Sup Drinkware のものは1つ24.99ポンド、Partner in Wine のものはスタイリッシュな円筒に入ったもので35ポンドだ。どちらもゆっくりとワインを飲む人のために同じように断熱性のある蓋つきのコップも用意しており、色の選択肢も豊富だ(Sup Drinkware の淡いターコイズ色がワインに合うのかと感じてしまう私は、何十年も抱えてきた凝り固まった考えを捨てるべきかもしれない)。これらの断熱ボトルは軽いし、当然ガラスよりも割れにくい。ピクニックバックに入れておいてもサンドイッチが濡れてしまうリスクもない。

でもこれらはスパークリングワインには使えないし、使ったとしても注ぎ込む間にかなりのガスが抜けてしまうだろう。飲む直前まで空気にさらせないようなまた繊細なワインにも使えない。例えば1930年代のモンラッシェはこれらに移すだけで困ったことになる。でも新しいヴィンテージのワインならほとんど問題ないだろう。

カジュアルなピクニックなら、私は缶入りワインに大賛成だ。缶は軽くて取り扱いやすく、リサイクルも可能で比較的地球にやさしい。缶入りワインとワインにうるさい人たちとの相性は決して良いものではないが、缶入りワインの中にはどんな場面で飲んでも楽しく飲めるものがあることを私は知っているし、缶のデザインも洗練されているものが多い。ジ・アンコモンのジェラルド・バブリー・ホワイト・ワイン2020(The Uncommon, Gerald Bubbly White Wine 2020)はライトボディで若々しいイギリスのスパークリングで、バッカスを主体としている。そう、間違いなくイギリスらしい、灌木のような香りのする品種だ。現行ヴィンテージは果実味とさわやかさのバランスがとてもよい。

友人でMWでもあるリチャード・ケリーは南アフリカの、ウィットに富んだパッケージを採用している3種の缶入りワインを見つけたようだ。その名もシュナンNo 5 (Chenin No 5)2019、フランス好きシラー(The Francophile Syrah)2020、ヴァスコと探検家たち(Vasco and the Explorers)アルバリーニョ2020だ。これらはあらゆる面からみてとても美味しく、瓶入りでも入手可能だ。南アフリカは特に、上質な缶入りワインの宝庫であるようだが、これは才能あるワインメーカー、フランソワ・ハースブルック(Francois Haasbroek)が共同創業者を務める製缶会社、カンカン(CanCan)によるところが大きい。

ワインを飲みきりサイズの缶から直接飲むということは、重要なアロマをほとんど感じ取ることができないことを意味する。だが、パンデミックのこの時代、少なくとも感染のリスクは減らしてくれる。そもそも、ワイングラスを区別するシンプルな方法を開発してほしいものだ。私はいつもステムに色の違う輪ゴムをつけて区別するようにしているが、まったくもってエレガントではない。(缶が瓶より優れているもう一つの点は、金銭的に余裕がなく、ワインになじみのない人にとって、お金も飲む量も節約できる点だろう。フルボトルなら750mlだから、(量も価格も)ほとんどの缶の3倍にあたる)。

最近日増しに進歩しているパッケージで、特にバーベキューにふさわしいと考えられるのがバッグインボックス(BIB)だ。ファーガス・ヘンダーソンのカルト的なセント・ジョン・レストランの関連会社は長きにわたりこの形式のワインの支持者で、毎年(今のところこれが最も価格に対して品質が高い)、ロゼの3リットル入りBIBを1箱28ポンドで発売している。フルボトルに換算すると1本あたり9.5ポンドという破格さだ。

プライベート・セラーは地方在住の裕福なワイン愛好家に特に注力していると思われる会社だ。そんな彼らも比較的高品質のプロヴァンスのロゼ、フィギエール・メディテラネ(Figuière Méditerranée)の5リットルのBIBを採用している。色が淡く、軽くスモーキーなニュアンスのあるワインはトゥーロンとサントロペの間にある有機栽培の作り手のもので、1箱76ポンド、ボトル1本に換算すると11.4ポンドだ。おそらく暑い日に外でワインを楽しむためのハードルの一つはこのBIBの温度を低く保つことだ。そもそも容量が大きいので、温度が上がる速度はガラス瓶よりも遅いだろう。さらに(内側の袋に使われている)銀色の保温シートもある程度役に立つのではないだろうか。このように蛇口付きのワイン用BIBを作ることができるなら、今後多くの人にチャンスがあるかもしれない。プライベート・セラーのスタッフは箱ごと事前に冷やしておいて、(蛇口部分ではなく)箱の上部を開け、中にある袋の上に冷却剤を載せることを勧めている。

BIB以外の、ガラス瓶や缶入りワインを冷やすためには氷入りのバケツは必須だろう。ちなみに氷だけを入れておくよりも、冷たい水も一緒に入れておくほうが接触面積が広くなるため効率的に冷却できる。ただ、あまりに気温が高いと氷はすぐに溶けてしまう。

暑い日に赤ワインを選ぶのはある意味芸術と言える。私はいつも、赤ワインは冷蔵庫で1時間ほど冷やしておき、外に持ち出す。その際には上述の円筒形のボトルクーラーにしっかりと入れるようにしている。なぜなら赤ワインの提供温度が高すぎると(だいたい24℃以上)、まったく食欲をそそらなくなるためだ。あらゆる飲み物に必要とされるフレッシュさが完全に失われ、さらに複雑な香りも発散して消えてしまう。実際に私は室内ですら、赤ワインは常に13℃に保っているセラーから直接出してそのまま使うようにしている。そうすればグラスの中でゆっくりと温度が上がっていくからだ。例外は、しっかりとしたタンニンの強い若い赤ワインだ。タンニンは温度が低いと強調されてしまうため、最初に口にする温度が17℃ぐらいになるようにしている。

もちろん赤ワインの中にはスモーキーな味わい、あるいはバーベキューの肉のような噛み応えのあるものと自然に調和するような力強いものもある。休日に楽しむための定番であり、フランスの地中海沿岸を望むカシスやバンドール、ベレに加え、最近テイスティングしたものの中からいくつかおすすめしておこう。バーベキューが国民的な行事となっている国から選ぶと特にうまくいくようだ。筆頭はオーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンだろう。

もしも雨が降ってしまったり、季節外れの寒さに襲われたりしたら、フルボディの赤ワインの出番だ。


お勧めの夏にぴったりなワイン

白ワイン


The Uncommon, Gerald Bubbly White Wine 2020 England 11.5%
£4.99 per 25-cl can Waitrose, Selfridges

The Liberator, Chenin No 5 2019 Swartland 13%
About £5 a 25-cl can from all these stockists according to Richard Kelley MW

The Liberator, Vasco and the Explorers Alvarinho 2020 Coastal Region, South Africa 14%
About £5 per 25-cl can Harvey Nichols and other independents

Cape Atlantic Sauvignon Blanc 2020 Western Cape 13.5%
£10.25 Stone, Vine & Sun

Piekenierskloof Grenache Blanc 2019 South Africa 13%
£12.50 Stone, Vine & Sun

Pandolfi Price, Larkün Chardonnay 2018 Itata, Chile 14%
£14.25 Stone, Vine & Sun

ロゼワイン


Clos Ste-Magdeleine 2020 Cassis 13%
£24.50 Yapp Brothers

Dom de la Source 2018 Bellet 13%
£27.50 Yapp Brothers

赤ワイン


The Liberator, The Francophile Syrah 2020 Cape Town 14%
About £5 per 25-cl can Bacchanalia Wine Merchants of Cambridge and The Riddling Rack of Newton-le-Willows

Mas Bruguière, L'Arbouse 2019 Pic St-Loup 13.5%
£19.50 Yapp Brothers

Chatzivaritis, Carbonic Negoska 2019 Greece 10.8%
£20.50 Kudos Wine, £23.50 Maltby & Greek, £26 LITTLEWINE

José Zuccardi Malbec 2016 Uco Valley, Argentina 14.5%
£37.95 Winedirect, £312 a dozen Bordeaux Index

Torres, Mas La Plana 2015 Penedes, Catalunya 14.5%
£46.55 VINVM

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各国の取扱業者はWine-Searcher.comを参照のこと。

Photo at the top of this article by Mason Dahl on Unsplash.

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