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ブドウの幹に巣食う病魔~フィロキセラよりも悪性か?

2014年11月21日 金曜日 • 1 分で読めます
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リチャード・スマート(Richard Smart)博士は世界を最も多く飛び回っている栽培コンサルタントであり、オックスフォード・コンパニオン・トゥ・ワイン(The Oxford Companion to Wine)の栽培監修でもある人物だが、昨日、またしてもオーストラリアのブドウ苗栽培コミュニティで言葉も荒く、ブドウの幹の感染症(vine trunk desease ;訳文はこちら)はワインの生産にフィロキセラより大きな打撃を与える可能性があると指摘した。

アデレードで開催されたブドウ感染症国際学会(International Workshop on Grapevine Trunk Diseases)の中で、彼はこう説明した。「ブドウ感染症はフィロキセラよりも蔓延しているんです。しかも現在この感染症をコントロールする方法はありません。フィロキセラにはあるのに。」彼はオーストラリアのワイン政策措置がフィロキセラとブドウのウィルス病に重点を置き、ここ数年で畑の大きな問題となっている致命的なブドウの幹の感染症に注意を払っていないことを憂慮している。

オーストラリアとニュージーランにおける最近の調査によると、樹齢が高いほどこの感染症に対する抵抗力が低いことがわかっているが、それはあくまで相対的な話で、樹齢10年程度の若い樹でも感染している例はある。スマート博士の計算によると、1988年以降に植えられたブドウの樹齢は平均してオーストラリアで14年、ニュージーランドで8年である。「ということは、これから10年でこの感染症の被害が拡大することになります。特にオーストラリアではね。」彼は断言した。

また、ニュージーランドのブドウはオーストラリアのものより比較的若いとはいえ、フランスとオーストラリアの研究ではニュージーランドで目下最有力なブドウ品種であるソーヴィニヨン・ブランがこの感染症に最も抵抗力がない品種の一つであるという結果が得られている。

スマートはさらに世界中で見てきた接ぎ木苗の現状にも触れた。「ほとんど例外なく、すべての苗にこの感染症の兆候が見られました。」彼はここでも断言した。「適切に手入れをすればうまく育つとは思いますが、その木はストレスに対する感受性が高いですし、将来的な感染源でもあるのです。これは世界的な問題です。世界中の、ヨーロッパも、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでも、苗木商が生産している苗はほとんどがこの感染症を持っているのです。」

スマート博士はまた、この感染症を克服する方法が間違いなく、おそらく10年以内に生み出されるだろうとも指摘している。バロッサ・ヴァレーの生産者たちはすでにこの感染症の防除に乗り出している。しかし彼の予測ではその解決法は19世紀末にフィロキセラ耐性のあるアメリカ系台木への接ぎ木がフィロキセラの被害を食い止めることになった時よりもはるかに複雑なものになるということだ。

原文

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