The Jancis Robinson Story (ポッドキャスト) | Mission Blind Tasting | wine writing competition | 🎁 20% off annual memberships

なぜ南アフリカは過小評価されるのか?~TT

• 5 分で読めます
Image

TT:木曜特別シリーズの意。最近の事例に関連のある過去の記事を再掲するコーナーです。

2015年1月22日 今日の木曜特別シリーズは、ちょうど7年前に書かれた記事を昨年7月に掲載した「南アフリカに吹く変革の風(原文)」にちなんで再掲する。この美しい国のワインがどれほど急速に進化を遂げているかお分かりいただけるだろう。ただし、全体的な印象は現在でも変わっていない。

2008年3月29日「Some great South African wine buys」も参照のこと。

世界のワインの大きな謎のひとつは、南アフリカのワインが過小評価されているということである。その最たる例は、現在世界で最もコストパフォーマンスのよいワインであるはずの南アフリカのワインが、例えばカリフォルニアや、そのワイン生産量が最近になってようやくケープを超えた程度のオーストラリアと比較してワイン愛好家には全く知られていない点だ。

南アフリカのワイン生産者たちは世界につながりを必要とするようになってきた。国内市場が縮小しているためだ。一方で、南アフリカワインの品質はあの恥ずべきアパルトヘイト時代のものですら世界で恥ずべき品質ではなかったし、若い世代の醸造家が世界を訪れたり海外のワイン産地からの頻繁な来訪者からあらゆることを学んだりすることで、その品質は日々向上し続けている。

南アフリカにその基地を置いたり、レーベルを作ったり、コンサルタント業務などを行ったりする著名なボルドーの醸造家は多く、シャトー・ピション・ラランドのメイ・エリアーヌ・ド・ランクザン(May-Eliane de Lencquesaing)がグレネリー(Glenelly)に、ピエール・リュルトン(Pierre Lurton)がモルゲンスター (Morgenster)に、 シャトー・マルゴーのポール・ポンタリエ(Paul Pontallier )が初期のプレジール・デ・メール(Plaisir de Merle)に、シャトー・コスデストゥルネルのブルーノ・プラッツ(Bruno Prats)、シャトー・アンジェリュスのユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレ(Hubert de Boüard de Laforest)がアンウィルカ(Anwilka)に、シャトー・デスティユー(Ch Destieux)のクリスチャン・ドーリアック(Christian Dauriac)がマリアンヌ・エステイト(Marianne Estate)に、シャトー・フォンロックのアラン・ムエックス(Alain Moueix)がイングエ(Ingwe)に、あらゆるところに関わっているミッシェル・ロラン(Michel Rolland)がボン・ヌーベル(Bonne Nouvelle)に関わっている。 若手の南アフリカ人の学習意欲は特に高く、ポムロール、ヴュー・シャトー・セルタンのアレクサンドル・ティエンポン(Alexandre Thienpont)は初めてケープを訪れた際に熱心な醸造家に質問攻めにされ、こう述べている。「種が飛び出すぐらい絞られるレモンの気持ちがわかったよ。」

これらフランスのワイン生産者はすべて赤ワインの名手として知られているが、私から見て南アフリカはヨーロッパ以外のワイン産地の中で素晴らしい白ワインを作る実績を持つ数少ない国である。シュナン・ブランはこの国で最も栽培面積の広いブドウで、現在でも昔ながらの株仕立てで栽培されており、非常に凝縮感があるきりりとしたワインを生み出している。これはロワールの最高品質のそれに唯一対抗できる品質であると言えるし、よりベーシックな南アフリカのシュナン・ブランは世界で最もコストパフォーマンスのよい辛口の白ワインであるとも言える。

南アフリカが過小評価されている原因のひとつは、赤ワインが(私からみて不当に)この国の代表とみなされていることである。ケープの赤ワインは長きに渡って白に遅れをとっているにも関わらず、だ。南アフリカのブドウ畑はほかの新世界の産地と比較するとだいぶ後れて流行の赤ワイン用品種に植え替えられている。そしてまるで不利な若木に追い討ちをかけるように、ブドウの完全な成熟を妨げるウィルスの問題が特に赤ワイン用ブドウで深刻になっている。南アフリカで最高品質の赤は素晴らしいものだが、それ以外の多くのものは外国人には異様な土っぽさが感じられるものだ。カベルネ・ソーヴィニヨンを一通り経験した後、南アフリカの生産者やワイン愛好家が今熱中しているのはオーストラリア風にフルボディで作ったのであればシラーズ、フランス風に香り高く作ったのであればシラーと呼び分けている品種である。

ただ、少なくとも南アフリカのワイン・シーンは外部の人間にとって理解がこの上なく容易である。この国以上に、毎年完璧で明快なワインガイドを発行する国を私は知らない。元海外駐在員で醸造家に転身したジョン・プラッター(John Platter)の名を、彼が関わらなくなった後も冠する「プラッターズ・南アフリカ・ワイン・ガイド(Platter's South African Wine Guide)」のことである。

南アフリカのワインの最高峰として認められるということは、プラッターで5つ星をつけられることである。15名の著名な審査員が全てのワインを分担してガイドのために審査し、通常1つから4つまでの星をつけ、その中で多くの星を獲得したワインが5つ星の候補とされる。次に審査員が集まり、これら候補を全てブラインドでテイスティングし、5つ星にふさわしいかどうか投票を行うのである。候補から外れたものには4つ星半が与えられる。最新の2008年のガイドには合計21のワインが(そのうち5本はポートをイメージして作られたものだったが)5つ星を与えられ、312が4つ星半だった。

数週間前、私はこのプラッターの5つ星および4つ星半のワインをロンドンでテイスティングした。特にその価格が同品質のカリフォルニアの数分の一である点、それらと同価格のオーストラリアワインと比較した場合を考慮すると、その品質は非常に驚くべきものだった。最近の世界的な傾向と、私のサイトでの慣習に従い20点満点で点数をつけてみた。私は通常点数を厳しくつけるため、17点は非常に高い評価だ(たとえば、2004の赤のボルドー数千本に対し、17点以上を私がつけたのはたった55本である)。私は全部で55本の5つ星または4つ星半のワインをテイスティングし、シュナン・ブラン1本、ソーヴィニヨン・ブラン5本(うち1本は感動的だった)、シャルドネ5本、ソーヴィニヨン・セミヨンのブレンド2本、ピノ・ノワール1本、シラーズ/シラー2本、そしてカベルネ・ソーヴィニヨン、あるいはそのボルドー・ブレンドの8本全て、すなわちテイスティングしたワインの44%に17点以上をつけざるを得なかった。

この結果はさらにこれらの小売価格を考慮するとさらに衝撃的となる。ソーヴィニヨンはたった10ポンド強、コート・ド・ボーヌと遜色ないシャルドネの平均価格はたったの13ポンド程度なのだ。実際、そのワインがお手本にしたと思われるヨーロッパのワインとブラインドで比較してみたいと思わせるワインが多くあった。たとえばソーヴィニヨン・セミヨンのブレンドを上質な辛口のグラーヴの白と、ハミルトン・ラッセル(Hamilton Russell)のピノ・ノワール2006を(より熟成した) ブルゴーニュの赤と並べてみたいのだ。全体的に白は赤よりもはるかにコストパフォーマンスがよく、5つ星常連のシモンシッヒ(Simonsig)の価格設定は未だに安すぎるぐらいだ。アングロサクソン系アメリカ人の経営するフェルゲレーゲン(Vergelegen)でさえ、その最高級のものは非常に高価なものの、それ以外のものは品質を考慮すると非常に安価な価格設定になっている。

この国のワインを買う他の利点と言えば、個人的には興味もなく流行遅れだとは思うが、熟成したヴィンテージの入手が比較的容易な点であるとも言える。たとえばウォーターフォード(Waterford)のカベルネ・ソーヴィニヨン2003は今飲み頃だが、非常に美しく作られており、熟成による複雑さも出てきているが、たったの14.5ポンドでベリー・ブラザーズから購入できる。この南アフリカで特に素晴らしいヴィンテージのその他の素晴らしいボルドー・ブレンドとしてはベイティンフルヴァックティン(Buitenverwachting)のクリスティン(Christine)2003が挙げられる。これも上記とそれほど変わらない価格である。

私のテイスティングしたプラッターのトップワインは南アフリカの最高品質ワインから選抜されてきたものでしかない。多くのほかのワインの名も毎年のプラッターの採点に名を連ねており、例えば南アフリカの1級シャトーともいえるブーケンハーツクルーフ(Boekenhoutskloof)、ケープ・ポイント(Cape Point)、ド・トラフォード(De Trafford)、サディ・ファミリー(Sadie Family)、ステーンバーグ(Steenberg )、タルバック・マウンテン・ヴィンヤーズ(Tulbagh Mountain Vineyards)などは今回含まれていなかった。南アフリカワインの喜びを発見したいのであれば、それらをぜひテイスティングすべきだろう。

国際的な在庫についてはwww.wine-searcher.com を、イギリスの専門小売はwww.sawinesonline.co.uk を参照してほしい。

これらすべてのワインのテイスティング・ノートはこちらで見ることができる。

南アフリカの高得点獲得ワイン

以下はイギリスで入手可能なもののうち20点満点中17点以上をつけたもので、おおよその小売価格とともに記す。

白ワイン

Ken Forrester, FMC Chenin Blanc 2006 Stellenbosch £17

Vergelegen Chardonnay Reserve 2006 Stellenbosch £13

Oak Valley Chardonnay 2006 Elgin £15

Vergelegen White 2006 Stellenbosch 2006 £22

赤ワイン

Hamilton Russell Vineyards Pinot Noir 2006 Walker Bay £23

Rustenberg, Peter Barlow 2004 Simonsberg-Stellenbosch £23

Thelema, The Mint Cabernet Sauvignon 2005 Stellenbosch £20

Buitenverwachting, Christine 2003 Constantia £16

原文

購読プラン
25th

For the dad who loves wine

Start your membership this Father’s Day with 20% off a full year. Expert reviews, honest writing, no guesswork. Or, gift a membership and save 20%.

Enter code DAD20 at checkout. Offer ends 22 June.

スタンダード会員
$135
/年間
年間購読
ワイン愛好家向け
  • 295,536件のワインレビュー および 16,100本の記事 読み放題
  • The Oxford Companion to Wine および 世界のワイン図鑑 (The World Atlas of Wine)
  • Access askJancis, our AI wine assistant
プレミアム会員
$249
/年間
 
本格的な愛好家向け

Everything in “Member”, plus:

  • Early access to the latest wine reviews, 48 hours in advance
  • Early access to the latest articles, 48 hours in advance
プロフェッショナル
$299
/年間
ワイン業界関係者(個人)向け 
  • 295,536件のワインレビュー および 16,100本の記事 読み放題
  • The Oxford Companion to Wine および 世界のワイン図鑑 (The World Atlas of Wine)
  • Access askJancis, our AI wine assistant
  • 最新のワイン・レビュー と記事に先行アクセス(一般公開の48時間前より)
  • 最大25件のワインレビューおよびスコアを商業利用可能(マーケティング用)
ビジネスプラン
$399
/年間
法人購読

Everything in “Professional”, plus:

  • 最大250件のワインレビューおよびスコアを商業利用可能(マーケティング用)
  • Access to submit wines for review
  • Offer memberships to your employees and manage them from a single place
  • API access available for an additional fee
Visa logo Mastercard logo American Express logo Logo for more payment options
で購入
ニュースレター登録

編集部から、最新のワインニュースやトレンドを毎週メールでお届けします。

プライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます。

More 無料で読める記事

WWC26 announcement graphic
無料で読める記事 好きなアルバムを聴きながら、あるいは良い本を読みながら最も飲みたいワインはどれだろうか? バービー 、 モナリザ 、 サクセッション 、...
Institute of Masters of Wine logo
無料で読める記事 ここでは、誰もが憧れる2文字の称号を目指す受験者たちに出題された問題を紹介する。受験者の中には 当サイトのサマンサ・コール・ジョンソン...
Wild menu - yellow background
無料で読める記事 ホーム・カウンティーズで丁寧に育まれた野性味。そして見逃せないワインリスト。 農場から魚へ、フォークへ、フライパンへ...
Chenin Blanxc vineyard in South Africa
無料で読める記事 この記事は AI による翻訳を日本語話者によって検証・編集したものです。(監修:小原陽子) ジャンシスからの提案だ。この記事の別バージョンは...

More from JancisRobinson.com

Flowers in the Meinklang vineyard
今週のワイン オーストリアから届いた魔法のようなスパークリング・ワイン。 9ユーロ、15.50ポンド、16.95ドルから 。...
Dalla Valle vineyard
テイスティング記事 素晴らしいヴィンテージ。写真上はオークヴィルのダラ・ヴァレ・ヴィンヤーズ。このヴィンテージでサムが特に高く評価したワインを2つ生産した...
La Réméjeanne vineyard
テイスティング記事 ローヌ南部の「北西回廊」で栽培されたワインの品質ポテンシャルを示すテイスティング。写真上はドメーヌ・ラ...
Hugo, Rui, Francisco and Ricardo of Cas’amaro
テイスティング記事 ポルトガルのこのワイン産地の南半分を巡る。北半分の生産者とワインについては 【パート1】 を参照のこと。写真上(左から右へ)、カザマロ...
Ch Grand-Puy-Lacoste
Don't quote me ニック・マーティン(Nick Martin)が、またひとつのアン・プリムール・キャンペーンが終わりを迎えるにあたり考察する。シャトー・グラン...
A castle in the Espera vineyards
テイスティング記事 A tour of this underappreciated and sometimes misrepresented Portuguese wine region. Today, we cover the northern half – Encostas d’Aire...
Azenhas do Mar, Portugal
現地詳報 このポルトガルの産地のワインは、その歴史の影から抜け出しつつある。上の写真はコラレスのアゼニャス・ド・マル...
Jota Tanaka at Gotemba distillery
ワイン以外の飲み物 日本のウイスキーの透明性についての探求、そしてその感性がスコットランドでのウイスキー造りにどのような影響を与えているかについて。写真上は...
JancisRobinson.comニュースレター
最新のワインニュースやトレンドを毎週メールでお届けします。
JancisRobinson.comでは、ニュースレターを無料配信しています。ワインに関する最新情報をいち早くお届けします。
なお、ご登録いただいた個人情報は、ニュースレターの配信以外の目的で利用したり、第三者に提供したりすることはありません。プライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます.