この記事はAIによる翻訳を日本語話者によって検証・編集したものです。(監修:小原陽子)
20世紀にはほとんど知られていなかったワイン界の側面にスポットを当て、3部構成のアルファベット順でご紹介する第1回。この記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。上の写真は、現在ワインの世界で大きな存在感を放つエトナ山。
アゾレス諸島 大西洋中部の多くの島々には長いワイン造りの歴史がある。船乗りたちはすぐに喉が渇くのだろうか。18世紀にはマデイラのワインが絶大な人気を誇った。最近では、スペインのカナリア諸島のワインがトレンドに敏感なソムリエたちのワインリストの定番となっており、中でもスエルテス・デル・マルケス(Suertes del Marqués)のワインは最も魅力的で入手しやすいものの1つだ。一方、マデイラから西に数百マイル離れたポルトガルのアゾレス諸島の、エレガントで塩味を感じる独特な白ワインを楽しむのもいい。ポルトガル語でアソーレス(Açores)と呼ばれるアゾレス諸島は、まったく新しいワインの産地という珍しい立ち位置だ。とはいえ、実はそれほど新しいわけではない。アゾレス諸島のワインは18世紀に北米で非常に人気があったが、うどんこ病、そしてフィロキセラがマデイラ同様に島のブドウ畑をほぼ壊滅させてしまったのだ。主要生産者であるアゾレス・ワイン・カンパニー(Azores Wine Company)は、ワイン生産の中心であるピコ島を拠点とし、2014年という最近になって設立された。彼らは政府とEUの補助金を活用し、放棄されたブドウ畑を復活させ、スタイリッシュなワイナリーと小さなホテルを建設した。(総栽培面積は2004年までに120ヘクタールまで縮小していた。)この島には世界で最も奇妙な見た目のブドウ畑がある。低く仕立てられた小さな区画のブドウ樹が、地元の火山岩で作られたハニカム構造の石積みの壁によって風から守られているのだ。アゾレス諸島に関するこちらの5本の記事も参照のこと。
ブレット あるいはブレタノマイセス(Brettanomyces)は、欠陥臭を生み出す酵母であり、1世紀以上前に初めて特定されたが、おそらくワインと共にずっと存在していたものと思われる。これを21世紀の現象たらしめているのは、それを認識できる人とできない人の明確な世代間格差だ。若い、あるいは最近のワイン学習者は、ブレットの臭い(絆創膏、汗臭い鞍、動物的などと様々に表現される)を識別し、それをワインの欠陥とみなすよう教育されている(オーストラリアのテイスターは特にブレットに対して容赦がない)。一方、私の経験では、年配のテイスターの多くはそれを許容するか無視する傾向にある。一部のワイン専門家、さらにはワイン生産者でさえ、実際に低レベルのブレットを好み、奨励している。例えばナパ・ヴァレーにあるシャトー・モンテレーナの72歳のボー・バレットは、自社を「少しのブレットを使いこなす」数少ないアメリカのワイナリーの1つだと、率直に認めている。「その影響は山火事のようにあっという間に広がりますから、細心の注意を払う必要はあります。ただ複雑さにさらなる層を加えてくれるとは思いますよ」。(ブレットは白ワインよりも赤ワインに多く見られる。) オーク樽は、この議論の分かれる酵母にとって完璧な住処となる(ブレットは一部のベルギービールにとって不可欠な要素と見なされている点も忘れてはならない)。セラーにブレットが蔓延してしまった場合、通常は全ての樽を廃棄する必要に迫られる。
セレブリティ・ワイン はまさに21世紀の現象だ。古典的なワイン愛好家たちは、カイリー(訳注:ミノーグ)のロゼ、グラハム・ノートンのニュージーランド・ソーヴィニヨン・ブラン、スヌープ・ドッグがカリフォルニアで関わったプロジェクト、19クライムズなどに眉をひそめがちだが、ワイン消費者の総数が減少している今、私たちにそんな余裕はないのではないか。有名人のお墨付きがあることで誰かがワインを初めて口にするきっかけが生まれるなら、私はそれで構わないと思う。ただ、個人的に賞賛したいワインは、自分自身でワインを造りながらも自分の名前を使ってワインを売らないセレブリティのものだ。イドリス・エルバ(Idris Elba)(写真下)のポルト・ノワール(Porte Noire)シリーズのシャンパーニュには一貫して感銘を受けるし、サム・ニールがセントラル・オタゴのトゥー・パドックスで造るピノ・ノワールも大いに楽しんでいる。サンタバーバラ・カウンティで造られるピンク(P!nk)のトゥー・ウルヴズ(Two Wolves)はまだ味わったことはないのだが、何年も前、テイスティングの聴衆の中に彼女がひっそりと座っているのを見つけて驚いたことを覚えている。彼女はまた、カリフォルニア大学デイヴィス校でワイン造りを学ぶという苦労もいとわない人物だ。ちなみに、クイーンでさえワイン業界に参入していると聞く。
ディアム(Diam)2003年に発売された、いわゆるテクニカル・コルクの主要ブランドで、樽製造会社であるセガン・モローの姉妹会社によるものだ。コルク汚染のリスクを排除するため天然コルクの微細な粒子を処理する手法は、ディアムの場合、彼らが大いに誇る「超臨界」二酸化炭素によるもので、その後コルクの形に成形される。(ただ、あらゆる形態のハロゲン物質由来の汚染に関する最近の記事も参照されたい。)ディアムとその競合他社の製品には、様々な酸素透過性が設定されている。例えば、最も高価なスティル・ワイン用の栓であるディアム30は、酸素透過性が非常に低く長期熟成を想定したワインに推奨される一方、ディアム2、3、5は早期熟成ワインに適したものだ。最近はディアム10の人気が高まっている。2017年にルーションのセレ(Céret)にある彼らの工場を訪問した頃、私はディアムがこれほど重要な存在となることをまったく予期していなかった。現在、コルク型の栓を用いる年間約300億本のワインボトルのうち20億本にはディアムが誇らしげに使われている。
エトナ 私が初めて味わったエトナのワインは2005ヴィンテージだった。その後2008年に書いた「Etna – the Burgundy of the Mediterranean」の中で、ルーションのアグリ渓谷上流域(この地域はまだ名前が定まっておらず、おそらくそれが認知と発展を妨げていると思う)のワインについて叙情的に述べたあと、「先月シチリアで、活発な活火山エトナの中腹で、また1つ新しくも古いワイン産地の誕生を目撃するスリルを味わった」と書いている。南トスカーナにあるテヌータ・ディ・トリノーロ(Tenuta di Trinoro)の故アンドレア・フランケッティ(Andrea Franchetti)は、かつてこの活火山の斜面を流れた溶岩土壌で栽培される固有品種、ネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カップッチョのブドウを主体とした、繊細かつ心に響く淡い色をした赤ワインの特筆すべき品質を認識した最初の「よそ者」とされがちだ。だが実は最初にその魅力に気付いたのはベルギー人のフランク・コルネリッセン(Frank Cornelissen)で、そのすぐ後にテッレ・ネーレ(Terre Nere)のイタリア系アメリカ人マルク・デ・グラツィア(Marc de Grazia)が続いている。ただし、フランケッティは地元の生産者を集め、そのワインがいかに特別であるかを紹介するイベントを最初に企画した人物だ。このコントラーデ・デッレトナ(Contrade dell’Etna)というイベントは現在、当時よりもはるかに大規模な例年行事となっている。なにしろ本土や島内の他地域から多くの著名な生産者がそこに投資するために群がっているのだ。私が参加した2008年の最初のイベントでは、40の生産者がワインを披露していたが、昨年その数は100となっていた。現在はエトナの白ワインにも関心が寄せられている。ベナンティ(Benanti)が先駆けとなった固有品種であるカッリカンテは、熟成に十分値するエキサイティングなワインを造る。エトナは真にユニークなワイン産地なのだ。
映画 20世紀には、ワインをメジャーな映画の中心テーマに据えるには時期尚早と考えられていたが、今世紀に入ると2004年に『サイドウェイ』がピノ・ノワールをメルローよりはるかに優れた品種だと宣伝して以来、ワインは数多くの映画に登場することとなる。2006年の『ア・グッド・イヤー』は、ピーター・メイルの同名の著作を基に脚色を施したもので、リドリー・スコット監督(エイリアン、ブレードランナー、テルマ&ルイーズ、グラディエーターなど)としてはマイナーな作品の1つではあるものの、彼がリュベロンのマス・デ・ザンフェルミエール(Mas des Infermières)で自らワイン造りを始めるきっかけを与えた映画だ。『ボトル・ドリーム』(原題:Bottle Shock)は2008年の作品で、1976年のパリスの審判におけるカリフォルニア対フランスのブラインド・テイスティングをかなり大胆に脚色したものだ。主催者である故スティーヴン・スパリュア(Steven Spurrier)とシャトー・モンテレーナのバレット家(上記参照)を中心に描いている。だが、おそらく最も人気のあるワインをテーマにしたドラマの1つは『神の雫』だろう。同名の日本の漫画が原作で、現在Apple TVで第2シリーズを放映中だ。
一方、ワインはドラマよりもドキュメンタリーに適している。『サイドウェイ』の直後に公開された『モンドヴィーノ』は、ワインのグローバル化に対する、ある意味偏見に満ちた痛烈な批判と呼べるだろう。最近では、オーストラリアの独立系会社が、中国のワイン愛を描いた『レッド・オブセッション』と、本格的な訓練を受けていないジンバブエ人ソムリエチーム(写真下)が国際ブラインド・テイスティング大会で奮闘する姿を追った『ブラインド・アンビション』の両方を制作した。ソムリエという題材は映画製作者にとって豊かな鉱脈であることも証明されている。最初の『ソム』シリーズは、過酷なブラインド・テイスティングの道のりを歩む4人のマスター・ソムリエ志望者を追ったもので(同様のテーマの『ワインは期待と現実の味』(原題:Uncorked)にインスピレーションを与えている)、その後『ソム2』と『ソム3』が続いた。『サワー・グレープス(Sour Grapes)』は、投獄されたワイン偽造者ルディ・クルニアワンの物語だが、彼は現在シンガポールでその「手腕」を発揮している。『セックス・アンド・ザ・シティ』と『エミリー、パリへ行く』で有名なダレン・スター(Darren Star)は、近日公開予定のナパ・ヴァレーを舞台にしたNetflixのロマンティック・コメディ、(こちらも)『Uncorked』の背後にいる大物の1人だ。「映画」というタグの付いたこちらの18本の記事も参照のこと。
グルグル(Glou-glou) 果実味が豊かで親しみやすく、タンニンが少ないワインを指すフランス語で、通常は赤ワイン、しばしば比較的酸が高いもの、時にはナチュラルなスタイルのものを指す。最も近い英語の翻訳はglug glug(訳注:ゴクゴクあるいはガブガブの意)だろう。この用語は今世紀初頭にワイン業界に登場し、20世紀末に流行したパワフルで樽香が強く、アルコールの高い赤ワインに対する反動として生まれたワインを指すものだ。「グルグル・ワイン」は、価格やスコアを気にするワイン愛好家が執着する類のものではなく、若いうちに気軽に楽しく飲まれるよう設計されている。そのためフレッシュさと爽快感を重視する21世紀の典型的なワインと言える。イングランド西部のシュルーズベリー、アムステルダム、ウィスコンシン州マディソンにはグルグル(Glou Glou)という名のワインバーもある。
ハイブリッド 最近まで、ヨーロッパ系品種ヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis vinifera)であるブドウ品種のみがワイン生産に適したものとして尊重されていた。一方コンコードなど一部のアメリカ系品種はブドウジュースやゼリーに適したものと受け止められていた。19世紀後期にアメリカから「輸入」されたうどんこ病、それに続くフィロキセラによってヨーロッパのブドウ樹が全滅の危機に瀕した際、アメリカ系品種にはフィロキセラとうどんこ病に対する耐性があると考えられたことから、同じように耐性を備えた品種を生み出すことを期待し、アメリカ系品種とヨーロッパ系品種の交配が半ば熱狂的に行われた。1950年代には、フランスのブドウ樹の30%がハイブリッドとなったが、その産物は収量が高いもののヴィニフェラから造られたワインとは似ても似つかぬものだったため、一般的に軽蔑されていた。
しかし現在、ブドウ栽培者は様々なハイブリッドから選択することができる。これらはヴィニフェラに近い安心感のある味わいのワインを生産することを目的に育種されたもので、早熟型(冷涼な気候に向いている)、耐寒性(アジア系のヴィティス・アムレンシス(Vitis amurensis)の遺伝子を組み込んだもの)、農薬散布の必要がほとんどないものなど、様々な性質を備えている。なおアメリカにはハイブリッドを用いたワイン生産者からなる結束の固いコミュニティがある。「hのつく単語」(訳注:ハイブリッドという言葉のもたらすイメージ)を恐れる人々の中には、それらを種間交配種(interspecific crosses)と呼ぶものもいる。ハイブリッドというタグの付いたこちらの18本の記事も参照のこと。
インフルエンサー ワイン・ライターの地位は衰退している一方、オンライン・インフルエンサーはますます強力に、少なくとも注目されるようになった。私はおそらく彼らのターゲットとする属性ではないため、彼らの発信する内容についても嘆かわしいほど疎いのだが、今の時代、オンラインでの存在なしにワイン・ライターとして活動を始めることがいかに困難であるかは理解している。お薦めされた人々を以下に紹介している。
来週は JからRをお届けする。
おすすめ
※訳注:以下の固有名詞についてはAIによるもので、日本市場におけるカタカナ表記との一貫性は確認しておりません。
アゾレス諸島
アントニオ・マサニータ、オ・オリジナル・ヴェルデーリョ 2024 アゾレス(António Maçanita, O Original Verdelho 2024 Azores) 12.5%
£41 アマサス(Amathus)
ブレット
シャトー・モンテレーナ、エステート・カベルネ・ソーヴィニヨン 2021 カリストガ(Chateau Montelena, Estate Cabernet Sauvignon 2021 Calistoga) 14%
£785(6本、保税倉庫渡し)バンクロフト(Bancroft)
セレブリティ・ワイン
ポルト・ノワール、ラ・プティット・ポルト・ブラン・ド・ブラン・グラン・クリュ NV シャンパーニュ(Porte Noire, La Petite Porte Blanc de Blancs Grand Cru NV Champagne) 12%
£45.50 アマサス(Amathus)、£59.80 ポルト・ノワール・キングス・クロス(Porte Noire King’s Cross)
ディアムコルクの「Diam」の後の数字を見て、生産者がワインの熟成年数をどのくらいと想定しているのか確認してみるとよいだろう。
エトナ
メコリ、デュオ 2021 エトナ・ロッソ(Mecori, Duo 2021 Etna Rosso) 14%
£268.95(6本)ザ・ファイン・ワイン・カンパニー(The Fine Wine Co)
映画
ブラインド・アンビション(Blind Ambition)
グルグル
モランデ、ワン・トゥ・ワン・レセルバ・パイス 2023 マウレ(Morandé, One to One Reserva País 2023 Maule) 13.5%
£10.50 マジェスティック(Majestic)
ジェラール・ベルトラン、ル・シュシュ 2024 ヴァン・ド・フランス(Gérard Bertrand, Le Chouchou 2024 Vin de France) 11%
£13 ウェイトローズ(Waitrose)
アルキルス、ナチュラル・シラー/サンソー/ムールヴェードル 2024 シエラ・フットヒルズ(Arquils, Natural Syrah/Cinsault/Mourvèdre 2024 Sierra Foothills) 13%
$50 生産者ウェブサイト(ただし、このナチュラル・ワインは開栓後すぐに飲むこと)
ハイブリッド
ブレーキー・ボトム、キュヴェ・コイズミ・ヤクモ・セイヴァル・ブラン 2010 イングリッシュ・スパークリング(Breaky Bottom, Cuvée Koizumi Yakumo Seyval Blanc 2010 English Sparkling) 12%
£80 ヴァガボンド(Vagabond)
インフルエンサー
ヴィンス・アンター(Vince Anter)、リビー・ブロディ(Libby Brodie)、コーキー(Cokie)、トム・ギルビー(Tom Gilbey)、アンドレ・ヒューストン・マック(André Hueston Mack)、アメリア・シンガー(Amelia Singer)
上記ワインのテイスティング・ノート、スコア、おすすめの飲み頃についてはテイスティング・ノート・データベースを参照のこと。各国の取扱店についてはWine-Searcher.comを参照のこと。
エトナの画像はsaiko3p (Shutterstock経由)。イドリス・エルバの画像はポルト・ノワール提供。