ヴォルカニック・ワイン・アワード | The Jancis Robinson Story (ポッドキャスト)

素晴らしい価格の素晴らしい白

2016年12月10日 土曜日 • 5 分で読めます
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この記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。

この12か月で私がテイスティングしたワインは8000を超えると思われる。その期間、ジャンシスロビンソンドットコムのテイスティング・ノートのデータベースに私が書いたのは6516件だ。ということは食事の際にテイスティングしたワインで記録をしていないものが数多くあるということである。昨年記事にしたすべてのワインのうち、2618件が白、たった138件がロゼ、残る大多数は赤で占められている。このことはイギリス人がいまだに赤よりも白を多く飲んでいる(総消費量の48%が白、41%が赤)点を考慮すると大きく偏っていると言える。

テイスティングした白ワインの中には(まだ)小売価格が決まっていないものも多くあったが、GV(Good Value;お買い得)とテイスティング・ノートに書いた白ワインは166に上る。

GVかつ心地よく引き締まったワインはジャン・マルク・ヴァンサン、ボールペール・プルミエクリュ(Jean-Marc Vincent, Beaurepaire Premier Cru)2013サントネイで、ザ・ワイン・ソサイエティ(The Wine Society)では29ポンドだ。これはよく熟成するだろう。マルク・ロワ、レ・シャン・ペルドリ(Marc Roy, Les Champs Perdrix)2013マルサネ(OWロエブ(O W Loeb)にて24.73ポンド)は、けして名高い村のものではないが気骨あるアレクサンドリーヌ・ロワ(Alexandrine Roy)の作るデリケートな美しいワインで、いままさに飲みごろだ。

生産量の少ない2014の白ブルゴーニュはようやく見かけるようになってきたが、このヴィンテージは最高のものと言える。全体的により成熟度の高く結果としてふくよかすぎるワインを生み出した2015よりはるかに心躍るからだ。賢い選択をするのならばもちろんシャブリだ。2014は最高の年で、2015、さらに2016のシャブリは悲惨なまでの供給不足が考えられる。多くの2014はまだポンドがそれなりの価値を保っていた頃にイギリスに輸入されているのも救いだろう。

ベルナール・ドフェ・コート・ド・ルシェ・プルミリュ2014シャブリ(Bernard Defaix, Côte de Lechet Premier Cru 2014 Chablis)は突出してよく、この緻密に織り込まれたヴィンテージとしてはめずらしく、すでに飲みごろだ。ジューシーでありながらその「濡れた小石」のようなシャブリの特徴を失うことのないこのワインは、ドメーヌ・ダイレクト(Domaine Direct;ここでは12本以上購入する必要があるが混載も可能だ)で18.3ポンド、ケンダールにあるステントン・ワインズでは19.95ポンドで入手可能だ。

かつてビョー・シモン(Billaud-Simon)だったが今は自身のドメーヌであるサミュエル・ビョー(Samuel Billaud)はシャブリの新星だ。彼のワインはイギリスにはモンラッシェが輸入している(モンラッシェは今や手の届かなくなった白ブルゴーニュの名前にちなんでいる。2016年は特に収量が少なかったため、ラフォン、ルフレーヴ、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティを含むトップ生産者6者はそのブドウを温存し、たったの2樽しか詰めていない)。モンラッシェは現在樹齢70年のブドウから作られるサミュエル・ビョー・セシェ(Samuel Billaud, Séchet)プルミエ・クリュ2014を保税価格12本225ポンド、税およびVAT込み300ポンドで提供している。

ラヴノーは最も畏敬を集めるシャブリの生産者だが、それ以外に2014で私が強い印象を受けたものとしてはアデマー・エ・フランシス・ブーダン(Adhémar et Francis Boudin)、ジル・エ・ナタリー・フェーヴル(Gilles et Nathalie Fèvre)、モロー・ノーデ(Moreau-Naudet)、パンソン(Pinson)、イザベル・エ・ドニ・ポミエ(Isabelle et Denis Pommier)、セルヴァン(Servin)、ヴェルジェ(Verget)を挙げておこう。

だが高価なワインがプレマチュアオキシデーションを起こしていることがわかり捨ててしまった経験を持つ多くのワイン愛好家はいまだ白ブルゴーニュを警戒していることだろう。そこで優れた代替品のご紹介をしてみようと思う。

ドイツが今では本当に上質な辛口ワインを生産し、樽の効いた多くの白のブルゴーニュよりも食事との相性が良いと納得してもらうにはどうしたらよいだろうか。中でも最高峰と呼べる例としては一般にグローセス・ゲヴェックスと呼ばれるもので、地元の需要の高まりとともに価格は高騰傾向にあるが、はるかにお買い得な多くの代替品が存在する。ナーエ最高の生産者はドンフォフ(Dönnhoff)、エムリッヒ・シェーンレバー(Emrich Schönleber)、シェーファー・フレーリヒ(Schäfer-Fröhlich)、そして近年ではシュロスグート・ディール(Schlossgut Diel)が完熟したリースリング(地球温暖化に感謝である)とみずみずしいフレッシュ感の融合したワインを生み出す。

2015のドイツ・ワインの総括的なテイスティングにおいて、シェーファー・フレーリヒ・ボッケナウアー・シーファーゲシュタイン(Schäfer-Fröhlich, Bockenauer Schiefergestein)リースリング・トロッケン2015ナーエに心を奪われた。これは恵まれた急斜面のスレートがちなフェルゼンネック・ヴィンヤードから作られるグローセス・ゲヴェックスの弟分だ。ドイツでの小売価格は20ユーロを優に下回り、アメリカでも40ドルを切る。私の予想では少なくともあと10年はすばらしい飲み心地を与えてくれるものだ。ラインヘッセンの生産者、バッテンフェルト=シュパニア(Battenfeld-Spanier)、ドライツィヒアッカー(Dreissigacker)、キューリング・ジロー(Kühling-Gillot)、ワグナー・ステンプル(Wagner Stempel)、シュテファン・ヴィンター(Stefan Winter)など、ケラー(Keller)やヴィットマン(Wittmann)ら名士の後を追う生産者がすばらしいコストパフォーマンスのワインを提供する。2015は偉大なヴィンテージだった。

その他の最高品質のリースリングの産地と言えば三つ、アルザス、オーストリア、オーストラリアだ。オーストラリアは幸いなことに、引き締まったリースリングを過大評価する時期を抜け出したようだ。グロセット・スプリングヴェール・リースリング(Grosset, Springvale)2015・クレア・ヴァレーはオーストラリア屈指のリースリング産地のものだが素晴らしい。すでに心地よく飲むことができ、1本20ポンド以下で見つけることができる。同様な価格帯ではビオデナミで見事な複雑さを持ち合わせるアルベール・マン(Albert Mann)、キュヴェ・アルベール・リースリング2014アルザスも広く輸出されているようだ。さらにお買い得感のあるものとしてはMitchell of Clare Valley でも書いた通り、ミッチェル(Mitchell)・ウォーターヴェイル・リースリング2014クレア・ヴァレーがタナーズ(Tanners)で、12.95ポンドである。

一方、もし上質なフランスのシャルドネを、と決めているのならドメーヌ・ベギュード(Domaine Begude Étoile)、エトワール・シャルドネ・リムー2014以上のものは思いつかない。リムーはラングドックで最も冷涼な地域にある産地だ(写真はピレネー山脈をバックに雪を被るこのドメーヌのブドウ)。ハンプシャーの独立系ワイン商ストーン・ヴァイン&サンで14.5ポンド、マジェスティックでは15.99ポンド、価格の違いは明白だ。これはどちらかというと上質なニュージーランドのシャルドネ、中でもクメウ・リヴァーがその最高の産地だが、それを思わせる味わいで、ベギュードのフランス人ワインメーカーはセントラル・オタゴでワインづくりをしていた。

イタリアはつい白ワインよりも赤ワインと結びつけてしまうものだが、イタリアの上質な白ワインの品質および熟成ポテンシャルは近年では素晴らしいものだ。特に土地固有の品種から作られたもの、例えばヴェルメンティーノは特にイタリアの多様な産地でも幅広く成功を収めている。下記ジェロボアムの扱う2本のグレコ・ビアンコも参照してほしい。

ポルトガルも今や地元の品種から特徴的な白を生み出す偉大な産地だ(例えば、昨日のワイン・オブ・ザ・ウィークを参照してほしい)。だが全体として、手の届く範囲の値札が付いたワインを探しているのであれば、南アフリカ以外にないだろう。特にポンドを通貨とする皆さんは最近の対ランドの強さを考慮するとなおさらだ。だが為替を抜きにしても、南アフリカの高品質ワインは世界中の多くの愛好家からあまりに過小評価されていると私は強く信じている。

私は長きにわたり南アフリカの白のファンだが、最近の発見はケープ・ロック(Cape Rock)という、西海岸をはるか上ったところにあるワイナリーで、ケープ・タウンの元景観設計家ギャヴィン・ブランド(Gavin Brand)が惜しみのない愛情を注いでいる。彼の豊かでありながら重くないケープ・ロック・ホワイト2014オリファンツリヴァー・ブレンドはローヌ品種から作られ、馬鹿々々しいほどの低価格、13.5ポンドでストーン・ヴァイン&サンで販売されている。

抜け目なくクリスマスのワインを買うために必要なのはオープンな心と言える。

良心的な価格の付いたお祝い向け白

Kumeu River, Village Chardonnay 2014 Kumeu, New Zealand
£9.95 The Wine Society

Fattoria San Francesco 2015 Cirò, Italy
£11.95 Jeroboams

La Guardiense, Janare Pietralata Greco 2014 Sannio, Italy
£12.50 Jeroboams

Màquina & Tabla, Páramos de Nicasia Brut Grand Cru 2014 Rueda, Spain
£13.95 Lea & Sandeman 残念ながら卸レベルでは2014は完売だが2015がまもなく出るはずだ

Stift Göttweig, Göttweiger Berg Riesling 2015 Kremstal, Austria
£14.23 O W Loeb

Patrick Piuze 2015 Petit Chablis, France
£14.50 Wine Source

Clos des Lunes, Lune d'Argent 2014 Bordeaux, France
£14.50 Berry Bros & Rudd

David & Nadia Sadie, Paardebosch Chenin Blanc 2015 Swartland, South Africa
£15.12 O W Loeb

Crawford River, Young Vines Riesling 2013 Henty, Australia
£18.54 OW Loeb

Mustiguillo, Finca Calvestra Merseguera 2013 Vino de España
£18.95 Berry Bros & Rudd

Blanchard & Lurton, Grand Vin 2014 Uco Valley, Argentina
£21.50 Berry Bros & Rudd

Dom Bruno Colin, Les Chaumées Premier Cru 2014 Chassagne-Montrachet, France
£54 Domaine Direct 12本混載で購入した場合の価格

(原文)

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