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大酒飲みたちのディナー

• 5 分で読めます
Royal Humane Society dinner

この記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。テイスティング・ノートについてはこちらを参照のこと。

フィナンシャル・タイムズの投稿欄に最も多く寄せられる苦情の一つが土曜日の人気コーナー、ランチ・ウィズ・FTシリーズで描き出される食事でアルコールを伴うことに対するものだ。著名な(当時デイリー・エクスプレスのオーナーだったリチャード・デズモンドが1本580ポンドもするワインをオーダーしたような)例外はあるものの、その内容はこの上なく禁欲的なものに思える。読者は憤慨と不信に駆られて行動しがちなものだ。

その補完と言えるかどうか、プロではない大酒飲みの人々が食事とともに何を飲んでいたのか記してある手元のノートをめくって、ここ数ヶ月の間に私が楽しんだ食事を紹介することをお許しいただきたい。

最初の話は9月にオーストリアで、3月に南オーストラリアでワインづくりをするオーストリア人カップル、バートルドとゲルトルドのサロモン夫妻(Bertold and Gertrud Salomon)とポートランドで楽しんだ4人での食事だ。彼らは自分たちのトップレンジであるオーストラリアのシラーズ、アルタス(Alttus)2012と2013をブラインドで、同ヴィンテージのオーストラリアで最も有名なシラーズ、ペンフォールズのグランジ、そしてフランスで同じ品種から作られ、最も高い名声を誇るエルミタージュと比較することでその実力を試し、自分たちのワインの特徴を見出したいと考えていた。(2015年の同様な試みは こちらも参照のこと)

このように、その名の確立したアイコン・ワインとブラインドで比較する手法はかの有名な1976年のパリスの審判以来、比較的無名の生産者の間で人気の手法だ。パリスの審判ではボルドーの1級シャトーやブルゴーニュの特級畑のワインとブラインドで比較して勝利したことによりカリフォルニア・ワインを世界に知らしめた出来事である。

ワインが何か知らない状態で比較することは楽しかったが、このケースではグランジを特定するのはどちらのヴィンテージでもあまりに容易だった。あれほど凝縮感が高く豊満で、やや薬っぽい、あの特徴的な香りは間違いようもない。

それより面白かったのはフルリオ半島の比較的冷涼な地域で作られるアルタスと2012のドゥラス・ベサール・エルミタージュ、最も尊敬を集めるエルミタージュの生産者、ジャン・ルイ・シャーヴの2013を比較し解読することだった。私はドゥラスがエルミタージュの花崗岩の丘の中でも最も高い評価を受ける区画から作られているにも関わらず、彼ら自身のスタイルをよく表現していることに気づいた。つまりどんどん飲みやすいスタイルになってきているのだ。(このワインは伝統的には最もタンニンが高く、固い赤ワインの一つとされているにも関わらず、2016のベサールでさえすでに今楽しめる状態だったのだ。)

ドゥラスのワインは3本の2012の中で最も軽やかだったが、アルタスの香りはまさにそれとわかるハーブのニュアンスがったため、わずかに口中で甘みを感じたので、それは間違いだとわかったものの、最初はフランスのものかと思ってしまった。

シャーヴ2013だと判明知ったワインがもっとも最もフランスらしいものだったが、驚くべきことと言おうか、私はアルタスの方が好みだった。豊潤でありながらフレッシュで、パワフルでありながらも行き過ぎていない。サロモン夫妻もこの試みに満足していただろう。

私のノートにある次のディナーはやはり著名なワインを次々とブラインドで提供するディナーだ。この場合参加者は10名で定期的にこのような試みを楽しむメンバーだ。幸運なことにお互いをあまりによく知っているので、厳しい掟を課しており、場合によっては見当はずれな推測をしたものを笑いものにすることもある。

サイモン・ホプキンソン(Simon Hopkinson) のクリーミー・チキンとマッシュルームのパイにバター・キャベツを添えた一皿と共に、きら星のようなマグナムが連続して提供された。シャトーヌフ・デュ・パプのカルト、シャトー・ラヤスの完璧なまでに偉大な2つのヴィンテージのものだ。1989は1990と共に特に恵まれた年だが、1998は西ロンドンのテーブル上では少なくともその上を行っているように思われた。フィナンシャル・タイムズの私の前任者、エドモンド・ペニング・ロウゼルはいつも、コルクを抜くと決めたのなら、そのワインがいくらだったのかは忘れるべきだと話していた。そのアドバイスに従ってこの素晴らしいマグナムを提供してくれた友人に感謝だ。

一方、我々の多くが白のブルゴーニュだと思った非常にお買い得な1本はニュージーランド、クメウ・リヴァーのハンティング・ヒル・シャルドネで、昨年1本38ポンドで販売されていたものだ。これがホプキンソンのビートの根のコンソメ、ホースラディッシュ・クリーム添えと素晴らしい相性だった。我々の肝臓の強さに興味を持ったあなたのために書くと、我々は10名で5本のマグナムと1971のシャトー・ド・ファルグ1971(ソーテルヌ)1本を空けた。このように豪華なディナーの前に私はアルコールの代謝を助けると言われる(そう信じたい)サプリメント、オオアザミを飲むようにしている。これを忘れると、翌朝はひどい状態になるのだ。

これらの素晴らしいラヤスのマグナムを販売するロンドンのセラーでは、1月に全てアメリカのワインのディナーも開催している。そこでは比較的希少でカルト・ワインの先駆けのひとつ、ヘレン・ターリーのマーカッシン、ソノマ・コーストにあるスリー・シスターズ・ヴィンヤードのシャルドネも含まれていた。その2009はカリフォルニアの中でも冷涼なこの地域で出会うどんなワインよりもはるかに芳醇なものだったが、そのピークは恐らく過ぎているように思えた。

次に、ポーク・テンダーロインとフェンネル・サラダ、マッシュ・ポテト添えと共にナパ・ヴァレーのシラーが2本提供された。一つは贅沢にもコルギン(現在はLVMHの傘下)の2002シラーでまだ非常によい状態だった。もう一つははるかに涼しいカーネロスのコングスガード2000で、これは声高なコルギンにやや圧倒されてしまったようだった。シラーの故郷である北部ローヌのようにもう少し控え目なものと一緒に提供された方がより魅力を感じられたように思う。

この偉大なセラーを持つホストは甘口ワインに目がなく、特にシャトー・ディケムが大好きだが、なにかテーマのあるものも好きだ。そこで彼は焼き直したクリスマス・プディングと共に珍しい、非常に甘いカリフォルニア・ワインを提供した。Mr Kゲヴュルツトラミネール1999はオーストリアの甘口ワインの王、故アロイス・クラッハーと、南カリフォルニアの高価な狂気とされるシン・クア・ノン・ブランドを所有するマンフレッド・クランクルの努力の結晶がしっかりと熟成していた。

先月ロンドンへ帰る直前に香港で楽しんだ家族ディナーのホストもまた、テーマを持たせるのが好きで、たいていそれは数字にまつわるものだ。彼は中国人である。我々が楽しんだ3本のワインは全てブルゴーニュのグラン・クリュ(香港でそれ以外に何があるだろうか?)で、ヴィンテージが全て3で終わるものだった。彼は熱波のヴィンテージである2003は暑すぎる危険があるとして除き、ドメーヌ・ポンソの2013コルトン・シャルルマーニュから始めた。マーカッシンをさらにバタースコッチ寄りにした感じだ。その価格の数十分の一のクメウ・リヴァーのシャルドネのフレッシュさが欲しくなった。

やや埃っぽい1993クロ・ヴージョはドメーヌ・エジュラン・ジャイエのもので、その遠縁のいとこで世界的に有名で多くの人が今でも求めるヴォーヌ・ロマネのアンリ・ジャイエ所有の、今は稼働していないドメーヌだ。(彼の蔵に眠っていたワインの多くは4年前に香港のオークションにかけられ、富豪のコレクターたちがそれを超高額で競り落とした)

1984グリオット・シャンベルタンはエドゥアール・ドロネイ(Edouard Delaunay )の名を冠しており、ネゴシアンであるボワセが1992年から2017年まで所有していたものを買い戻し、エドゥアールの孫でラングドックでもワインを作るローラン・ドロネイが最近再稼働させたものだ。この1983は非常に美味しく、このヴィンテージにしばしばみられる病害に由来するかび臭さを微塵も感じさせなかった。

私のテイスティング記録から抜き出したいくつかだけでもお分かりだろう。なかなかの泥酔状態だが、何か問題があるだろうか。

比較的価格の低い代替品
上述の1本あたりのおおよその価格と共に

Salomon Fleurieu Shiraz (£110)

Salomon Baan Shiraz 2016 Fleurieu
£12.95 Lea & Sandeman

Kumeu River Chardonnay (Hunting Hill £38)

The Society's Exhibition New Zealand Chardonnay 2017 Kumeu
£14.95 The Wine Society

Rayas-inspired Garnachas (Rayas 1998 £500)

Frontonio, Supersónico Garnacha 2016 IGP Valdejalón
£14.71 winebuyers.com

Dani Landi, Uvas de la Ira 2015 Sierra de Gredos
£23 Wine & Greene of Devon, £180 a dozen in bond BI Wines

Napa Valley Syrah (Colgin £350)

Lagier Meredith Syrah 2011 Mount Veeder
£23.33 plus taxes Falcon Vintners

テイスティング・ノートについてはBibulous dinners recordedまたはデータ・ベースを参照のこと。その他の取扱業者についてはWine-Searcher.comを。

原文

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